「地獄が呼んでいる」をもっと楽しむ①:地獄の使者はなぜ3人なのか?OPは神の視点?

2021年12月05日02時55分 
(2021年12月19日13時12分 更新)
ドラマ
Youtubeよりキャプチャー
「地獄が呼んでいる」Nefflixで独占配信中!

11月19日にNetflixで独占配信が始まって以降、連日「今日の総合トップ10」入りを果たしている韓国ドラマ「地獄が呼んでいる」より、ヨン・サンホ監督による撮影秘話を中心にキム・ヒョンジュ、ユ・アイン、パク・ジョンミンからの質問や撮影を振り返るビジュアルコメンタリーがYoutubeにて公開されている。テーマごとに日本語訳(要約)「もっと楽しむ①」を紹介しよう。

もっと楽しむ②アンジー、ヨハンソンを意識したアクション、女優陣の熱演
もっと楽しむ③:世界中の地獄ファンに、ただ見たまま楽しんでほしい!




Netflixオリジナルシリーズ「地獄が呼んでいる」(全6話)は、ヨン・サンホ監督が漫画家チェ・ギュソクと組んだウェブトゥーン「地獄」が原作。突如としてこの世に現れた異型の存在と、それを神の啓示だと説く新興宗教団体「新真理会」、その教えに共鳴する「矢じり」という集団、そして真実を明らかにしようとする者たちを描いたSFホラードラマ。
●作品紹介⇒「地獄が呼んでいる」ってどんなドラマ?

■自己紹介
左から、「地獄(邦題:地獄が呼んでいる)を演出したヨン・サンホです」「世界的なヨン・サンホ監督とご一緒したチョン・ジンス役(ユ・アイン)です」「強力な勢力、新真理会と対抗する弁護士ミン・ヘジン役のキム・ヒョンジュです」「ぺ・ヨンジェPD役のパク・ジョンミンです」と自己紹介。

※もっと楽しむ①最初~11:30あたりまで


■地獄との初出会い
ヨン監督は、「大学時代に同名の作品として一人でアニメーションを作ったことがあり、20年ぶりにもう一度、全く新しく作ってみようと思った」と本作誕生のきっかけを話し、ユ・アインは「話を聞くだけでも心惹かれ、大きな期待を抱いた」、キム・ヒョンジュも「こういう作品を書いた方はどんな方なのかも気になりました」と語った。だが、ヨン監督はキム・ヒョンジュと初めて会った時はチャパゲティというジャージャー麺を真似た食べ物の話を1時間もしたといい、ここでもそのユニークな味を力説。そんな監督に「正直耳に入らなかった」とつれない返事のキム・ヒョンジュ。すかさず「僕は監督とは作品だけで逢いましょう」とジョークで笑いを誘うユ・アイン。パク・ジョンミンは、ウェブトゥーン(WEBマンガ)を読んでとても面白かったといい、キャスティングではマンガに出てこない役だが「もっと面白くもっと面白い役です」と言われたので期待したが、台本が出た初日に「次回はもっといい役を与えますから」と謝られたことを暴露。それでもこの「地獄」が持つメッセージと力がとてもよかったと満足の様子。

■地獄の死者の登場
冒頭地獄の使者が登場するカフェは思いっきり爆破できるようにセットだと監督が明かすと、ユ・アインは「監督が見せてくれたプリビズ映像(※)とほぼ同じ」と驚いた様子。監督は他にも、撮影がソウルの上岩洞の2ブロックで行われ、自動車が壊れたシーンはオープンセットを3カ所に分けて行われたと説明。地獄の使者が3人一組の理由については、「少数の人間に対する集団リンチを“集団”として感じさせるための最小人数は何人なのか?と考えたところ、3人程度かなと」アイデアを明かした。もっともウェブトゥーンではもっと多く、その大きさも顔も、姿勢もすべて違い、それぞれ個性もあるらしい。
※プリビズとは、VFXによってCG映像を実際に制作する前に、 完成した状態を想像できるシミュレーション映像のこと。

■地獄の使者を3Dで具現する過程
動き続ける表面と煙で考えていたより大変だったという撮影。俳優たちのリアルな演技のために、地獄の使者の動きを作った振付家たちのチームが地獄の使者の役割を果たしたそうだ。使者たちの背が高いために赤いボールを頭の上に取り付けて俳優たちの視線の先を配慮したり、威圧感のために高下駄のような装備も足に付けたりした。キム・ヒョンジュは、演技に集中できるようこうした配慮してくれた監督に感謝し、パク・ジョンミンは死体の煙から激しい臭いがきつかったといい、監督がそれは薬品処理のためと教えてくれた。
X線のような不思議なオープニングに話が及ぶと、韓国ドラマのオープニングは秀作が多いからそうした専門会社に任せればいいと思ったという監督。それでも、NETFLIXはオープニングも一つの作品ととらえているので、「神の視点」とはどどういうものか?乾いたアングルと混乱した人、感情は見えず、骨しか見えないというような想像からあのオープニングが誕生した。

■チョン・ジンス(初代議長/教祖)vsミン・ヘジン(弁護士)
2人の対面シーンは初めての撮影だったので、どのようなトーンにするか悩んだユ・アインは、監督の演出意図を聞いたうえで、キム・ヒョンジュと一緒に演技を合わせたことで、随分助けられたという。また、「ウソはつきません(※)」という印象的なセリフは監督の注文で現場で誕生したそうで、台本で見たときより、チョン・ジスという人物像がとても立体的に表現されたと、ユ・アイン。監督が、制作サイドの意図を汲み取って俳優陣が演技してくれたというのはミン・ヘジンとチョン・ジンスの会話。冗談でやり取りするのだがかみ合わない会話の感じや、ユ・アインの光のない白黒だけの目に大満足。ユ・アインもフラットだったキャラクターが監督の言葉で立体化でき助けられたと答えた。また、ウェブトゥーンでは「試演」を迎える母パク・ジョンジャが子供を抱きながら話すのだが、撮影するとしっくりこず、現場でジョンジャ役のキム・シンロクは「私がやってみます」とアドリブで演じたそうだ。そんな彼女のアドリブと演技力も絶賛。
※Netflixでは「ウソはつきません」と翻訳されているが、「저희 양아치(ヤンアチ)」を直訳すると、「私たちは物乞い(またはチンピラ)ではありません」という意味。

■ペ・ヨンジェ(PD)vsユジ司祭
ユジ司祭を演じたリュ・ギョンスについてはパク・ジョンミンもキム・ヒョンジュも今後とても期待しているといい、監督も、認知度の高い俳優(※)なのにオーディションを受けたことに驚いた様子。実際にオーディション映像を撮ったところ、まさに役ぴったりだったとのこと。
ペ・ヨンジェ役のパク・ジョンミンについては演じる側の立場で自ら演出する演出家だと紹介。リュ・ギョンスとの演技でもアドリブに見えるが実は精巧に練られた演技だと感心する監督。またユ・アインからは、会社に対する苦情や苛立ちをもつヨンジェPDというキャラにパク・ジョンミンがぴったりはまっていたと感心。本人も、俳優の自然な姿でなければ、キャラクターがリアルに感じられないので、楽にできることを選んでそれに基づいてキャラクターを作ったと答えた。
※リュ・ギョンスは「梨泰院クラス」のスングォン役を好演した俳優、

■ビハインドストーリー
全ての俳優に対して説明会を行ったが、唯一出てこなかったのがパク・ジョンミンだと明かした監督。これに対して素直に謝るパク・ジョンミン。だからペ・ヨンジェ役について一度も話し合わうことができずに、山の中のシーンで、監督が考えた以上の、激しい苛立ちの演技に、「え?そうじゃないんだけど」と思ったが、撮影前に「私が分かってやります」という俳優パク・ジョンミンを信じて任せたそうだ。彼は演技で演出をしている感じといい、ミン・ヘジンと出会うシーンでも彼の苛立ち演技に驚いたという監督に、ヘジン役のキム・ヒョンジュも相槌を打つ一幕も。

もっと楽しむ②アンジー、ヨハンソンを意識したアクション、女優陣の熱演
もっと楽しむ③:世界中の地獄ファンに、ただ見たまま楽しんでほしい!


kandoratop【作品詳細】【「地獄が呼んでいる」を2倍楽しむ】