【最終回前話】NHK「アンという名の少女3」第9話あらすじと見どころ: 深淵(しんえん)なる闇

2023年09月25日23時00分ドラマ
©2019 Northwood Anne Trois Inc.

NHKBSプレミアムにて10月2日より放送の「アンという名の少女」シーズン3(全10回)第9話でギルバートを愛していることに気づいたアンは、遅ればせながら告白を決意!しかし、2人のすれ違いは続き…詳しいあらすじと見どころを紹介、本作はNetflixにて全シーズン配信中だ。

●シーズン1、2未視聴の方はコチラ⇒最終章からでも間に合う!S1、S2簡単あらすじとS3見どころ



「アンという名の少女」は、世界中で愛されるカナダの小説家ルーシー・モード・モンゴメリによる不朽の名作『赤毛のアン』をNetflixとカナダCBCが共同でドラマ化。2017年~2019年にかけてシーズン3までCBC放送、配信され、2021年現在、Netflixにて全シーズン独占配信中だ。

※シーズン1~3作品紹介は【作品紹介】で、シーズン1~シーズン2(場面写真付き)の各話のネタバレあらすじと見どころは【「アンという名の少女」を2倍楽しむ】でまとめて紹介している。

■第9話「 深淵(しんえん)なる闇」
ギルバートへの想いを確信したアンは、マリラにも気持ちを打ち明ける。若き日の自分を思い出し、マリラは「私と同じ間違いを犯してはダメ」と助言。アンはギルバートの家を訪ねるが外出中で会えず、その場で手紙をしたためたのだが…。

※以下ネタバレ。詳しいあらすじを知りたくない方は、先に「■見どころ」をご覧になり、あらすじは視聴後の確認用にご利用ください。

その頃、ギルバートはバリー家を訪れ、リンゴの取り引きについてバリー氏と話し合いをしていた。ダイアナはギルバートがウィニフレッドにプロポーズしようとしていることを立ち聞き、ギルバートを遠回しに非難する。

ミクマク村に無事戻ったカクウェットだったが、寄宿学校での辛い体験が忘れられず、情緒が不安定になっていた。そんな中、ミクマク族の村に役人たちが押しかけ、カクウェットの父親は銃で撃たれて負傷し、カクウェットは連れされられてしまう。グリーンゲイブルズに助けを求めに来たカクウェットの両親と共に、アンとマシューはハリファックスの寄宿学校へ向かう。しかし、アンたちも銃で脅され追い返されてしまう。カクウェットの両親は寄宿学校の近くでテントを張ることにするが、アンとマシューはアボンリーに帰ることに。怒りが収まらないアンに、マシューは新聞社に手紙を送ればいいと提案する。

バッシュは奴隷時代の習慣を引きずり、共同経営者のギルバートを“ご主人様”扱いのまま態度を変えない母・ヘイゼルと言い争いになる。子供の時、厳しくしつけられた記憶しかないバッシュは、デルフィーヌには優しく愛情を注いでほしいと頼む。自分の家族より、白人を“ご主人様”として大事に扱うのは何故かとバッシュに問い詰められたヘイゼルは、「あなたの父親は調子に乗って欲を出した。求めすぎたの。家とか土地とか事業とか…そのせいで命を落とした」と話し、バッシュの父が、白人と対等になろうと家や土地を所有したせいでリンチを受け、殺されたのだと明かす。ヘイゼルは、バッシュに父の二の舞を踏ませないようにするため、白人を敬うよう教えてきたのだ。

「強い人間になれたのは、わたしのおかげ」と、自分のやり方の正当性を主張するヘイゼルに、「認めたくないだろうが、母さんのせいで僕は強くなるしかなかった」とバッシュは反論する。

デルフィーヌを連れて散歩に出たバッシュは、川で釣りを楽しんでいるステイシー先生に出会い、「人は皆、間違いを正しながら生きていく。最善を尽くして」と諭され、心を落ち着かせる。そうこうする間にブライス家のテーブルの上にあったアンの手紙は、床に落ち、地面に転がり、雨に濡れ…、ギルバートの元に届くことはなかった。

アンがハリファックスに行っている間に、ダイアナはグリーンゲイブルズを訪れ、マリラにギルバートがウィニフレッドにプロポーズすると伝える。その2日後、マシューとともに帰宅したアンは、プロポーズの話を聞かされる。アンと落ち合ったダイアナは「早く忘れて」と慰める。アンは自分の手紙が読まれていない可能性にかけて、直接ギルバートに会って気持ちを確かめようとブライト家を訪れるが、ギルバートはすでにシャーロットタウンへ出発していた。

■見どころ
アンがギルバートに書き残したラブレター(しっかりI Love Youと書かれていた)は、偶然のいたずらが重なって、あれよあれよという間に…。この手紙のゆくえは次回の最終話にもつながる大事な要素、その顛末をハラハラ見守っていただきたい。

一方、虐待も厭わない規則だらけの寄宿学校から、命からがら逃げ出してきたカクウェットが、ミクマク村にやってきた役人たちによって連れ戻されてしまう。ドラマの舞台である100年前は、民族も人間も、“多様性”より“画一性”を求められていた時代。強制的な教育が行われていたのも理由があってのことなのだろうが、これまで様々な“差別”と戦ってきたアンでも、さすがに即効的な手段を見いだせない。役人に対抗する手段をもたないカクウェットの両親が、娘のためにできることが、そばにいると知らせることだけ…というのがとても辛い。

そして今回はもうひとつ“差別”に関わる話題も取り上げられる。頑なにギルバートを“ご主人様”扱いするバッシュの母・ヘイゼルの辛い過去が明らかになり、何も知らされていなかったバッシュもショックを受ける。ヘイゼルが息子の最善を考えてとっていた厳しい態度の理由に思わず涙。

愛する人たちが、ひたすらすれ違ってしまう第9話。唯一の救いは、バッシュとステイシー先生が穏やかに過ごす、美しい水辺のシーン。どちらも周囲の人達から“パートナー”を作るように背中を押されているのだが、愛する夫を失った後、もう誰とも結婚する気がないステイシー先生と、同じく愛する妻を失い、今は愛娘に愛情を注ぐことで満足しているバッシュ。最愛の人を喪うという、同じ悲しみを知る2人は、ロマンスよりも、もっと深い絆が結ばれたように見えた。

次回は最終回。いよいよアンはグリーンゲイブルズを離れ、大学へ進学することに…。ギルバートはウィニフレッドと結婚してパリに渡ってしまうのか?ダイアナは大学に進学することができるのか?原作を超越し、予測不能な展開をみせる「アンという名の少女 シーズン3」第10話を期待して待ちたい。

原題:Anne with an “E”
制作:2019年 カナダ

■キャスト
アン・シャーリー:エイミーベス・マクナルティ(上田真紗子)
マリラ・カスバート:ジェラルディン・ジェームズ(一柳みる)
マシュー・カスバート(R・H・トムソン(浦山迅)
ダイアナ・バリー:ダリラ・ベラ(米倉希代子)
ギルバート・ブライス:ルーカス・ジェイド・ズマン(金本涼輔)
レイチェル・リンド:コリーン・コスロ(堀越真己)
ジェリー・ベイナード:エイメリック・ジェット・モンタズ(霧生晃司)
 ほか

【放送予定】NHK総合 2021年11月28日より毎週日曜 午後11時00分
スタート。全10回
[ステレオ2か国語(主:日本語吹き替え/副:英語)| 字幕放送有り]

NHK「アンという名の少女3」番組公式サイト

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