日本文学シネマ「富美子の足」加藤ローサ主演の告知動画-BS-TBS
ドラマ「BUNGO-日本文学シネマ-」のシリーズ第5回で、3月20日放送の加藤ローサ(24)主演「富美子の足」の告知動画が公開されている。「日本文学シネマ」は、2月にTBSの関東ローカル深夜枠で2週に渡って放送された短編ドラマシリーズである。BS-TBSでの放送は初の日本全国枠となり、こちらは2月20日から毎週土曜日に1話ずつ放送となっている。先の地上波での放送時、ひときわ話題となったのが今回ご紹介する谷崎潤一郎原作の「富美子の足」である。
一連のドラマは全て原作が日本文学短編小説であり、ドラマ自体も30分という短い内容から、今はやりのドラマとは一味違った文学テイストを映像化したものとして注目を集めていた。取り扱われる原作は森鴎外、芥川龍之介、太宰治といった名だたる文豪によるものばかりだが、中でも異彩を放つのが谷崎が大正8年に書いた同作品である。谷崎独特のエロスを持つ一連の作品群の中でも、短編ながら特異なテーマを取り上げている。そのテーマとは、現代の言葉で表すならば「足フェチ」である。一人の老人と妾の富美子、そして居候する絵描きの青年。ここに登場する男性二人は共に富美子の足を崇拝するという共通項を持つ。段々と死の時が近づくのを知る老人の願いはただ一つ、富美子の足に踏まれながら臨終の時を迎える事だ。
一見すると単なる異常性癖に過ぎない足への感情が、谷崎による繊細緻密な描写で人間の欲望の複雑さと深さを表現した佳作が、加藤ローサの姿によってドラマとなった。
2004年「ゼクシィ」のCMでその可憐な容姿が一躍話題となった加藤だが、女優としての役どころは映画「デトロイト・メタル・シティ」のヒロインのような、ごく普通の元気な女の子というものが多い。コミカルな役も多い加藤にあって、この富美子役はファンにとっては待望の妖艶なキャラクターとなる。若くして老人の妾という立場に甘んじている少女が二人の男をどう転がすかという場面は、息を呑む美しさと共に緊迫感を伴って視聴者を魅了する。
加藤ローサ主演「富美子の足」の告知動画は、「BUNGO-日本文学シネマ-」特設サイト内で視聴出来る。
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