「哲仁王后 俺がクイーン!?」第17-18話ネタバレあらすじ:妊娠はアイデンティティの喪失か権力か|全20話版
懐妊の朗報を受けて王妃が怒るのを不思議に思った哲宗は王妃の機嫌を取る方法を模索するが…4月1日(金)WOWOWプライム・オンデマンドにて放送・配信開始した「哲仁王后(チョルインワンフ) 俺がクイーン!?」(全20話)第17話~第18話のあらすじと見どころ、※豆知識を紹介しよう。
※翌週金曜午前10時50分~2話連続再放送する。
「哲仁王后 俺がクイーン!?」は、現代の男性の魂が朝鮮時代の王妃の体に入り込んだことから巻き起こる騒動を描く、“魂入れ替わり”のラブコメディ要素を含んだ時代劇。【哲仁王后」を2倍楽しむ】では、韓国での評判や制作発表会の様子、実在の哲宗王と哲仁王后・金氏とドラマでの描かれ方などをまとめて紹介している。
■キャスト
キム・ソヨン/王妃(魂ボンファン)役:シン・ヘソン
哲宗/イ・ウォンボム役:キム・ジョンヒョン
純元王后(スンウォンワンフ)役:ペ・ジョンオク
キム・ジャグン(朝鮮語版)(金左根)役:キム・テウ
キム・ビョンイン役:ナ・イヌ
チャン・ボンファン役:チェ・ジニョク
ほか
■第17話「妊娠は美しい」
王妃懐妊という朗報に哲宗はもちろんホン・ヨンたちも涙を流して喜ぶが、肝心の王妃姿のボンファンは喜ぶどころか、アイデンティティの消滅だと怒りをあらわにする始末。
懐妊の知らせに王妃の父キム・ムングンは手放しで大喜びするが、大王大妃、大妃、ビョンインらは複雑な思い。一向に懐妊報告に来ない王妃に怒る大王大妃と大妃が嫌味な見舞いにやってくるが、王妃は悪阻(つわり)を口実に追い払う。
死体捏造した大妃に決別宣言した宜嬪は、王妃懐妊にショックを受けているかと心配して様子を見に来てくれた永平君に、王と王妃に懐妊への祝いは言えないが、自分の道を歩くことにしたと、決心を告げる。その後、チョ一族の長である右議政チョ・マンホンには、キム一族と勝手に手を結んだことを責め、大義名分のない争いのために家門を売らないようにと厳しく忠告する。
巷では民乱が続くが、王に対する反逆とならないギリギリでとどめているために大規模な兵力を投入する口実がなく頭が痛いビョンイン。王妃の名前を記した書籍『童蒙先習』に東匪(東学党の蔑称)の暗号が書いてあったのも気になる。
本格的な胎教が始まり、禁止ずくめの生活にストレスがたまる王妃。喜ぶべき懐妊に怒る王妃の気持ちを結局理解できなかった哲宗は、王妃をそのまま受け入れることにし、乗馬での遠乗りに誘う。哲宗の気遣いに感謝するも素直になれない王妃だが、哲宗に引き寄せられときめいてしまう。「朝鮮の腐った部分を明らかにします。この国を受け継ぐ私たちの子供のために」と言う哲宗の言葉に、国母(王の母)となれば権力を手にできると気づいた王妃は、懐妊を喜んで宮廷を生き抜くための胎教を始める。
その夜、王妃は胎教4か条を書く。「①味方を作れ、②敵であるほど近くに置け、③別の懐を持て、④味方以外は全員片付けろ」
永平君は民兵を育てている仲間に王妃協力の元に出来上がった兵書を渡し、同志が増えていることを哲宗に報告する。今や農民だけでなく没落した両班や薬草売りまでが集まっていたが、朝鮮の疲弊がそれだけ深刻だということ。哲宗は素直には喜べない。だが、自分の代では無理でも、王妃が言った身分制度廃止という危険かつ急進的な思想を我が子の代でできるかもと期待する。
そんな中、大妃は王と王妃の床入りは嘘で王妃のお腹の子は王の子ではないという噂を流布させる。すると王妃は。皆の見ている前で哲宗とラブラブぶりを見せつけ、噂の火消しにかかる。一方、噂の出所がかつて自分が大妃に愚痴った一言だと知った宜嬪は、王宮が心底恐ろしくなる。再び大妃の元へ出向き、「チョ一族が大妃に従うのは子を失って悲しみに暮れている善意の被害者だから。王様の夢を踏みにじろうとするなら、生きるために息子の死を売った非常識な母親、迷信に惑わされ家門の生死を巫女に依存している愚か者、これまで王宮で聞いた全てを書き記して朝鮮に知らしめる」と、脅し、「先王が抜け出したいと思っていたのは母親の影」と大妃の急所を突つく。
その後、王妃の覚悟を確かめた宜嬪は弓道具一式を王妃に贈り、哲宗には廃嬪を願いを申し出る。「2人の間にもはや恋慕の情はない」と言い切る宜嬪を翻意させることができなかった哲宗は、大臣たちの前で宜嬪の廃位を発表する。すでにチョ一族では宜嬪を見放しており反対する者は誰もいなかった。宜嬪は平服に着替えてファジンに戻る。引き留めようとする永平君に、自分が王宮に留まれば、また哲宗の行く手を阻む道具に使われると、王宮を去る理由を話す。そして永平君の手を取って「永平君の気持ちにも気づいていないふりをして利用していた。哲宗から満たされない想いを永平君で満たしていました」と、感謝とお詫びを伝えて王宮を後にする。
宜嬪に悲しい決断をさせたことで苦しむ哲宗に「宜嬪のことでもっと苦しむべきです」と怒りをぶつける永平君。その背中に「どれだけ苦しめばいいのですか!」と叫ぶ哲宗。
大妃は、王妃のお腹の子の父親はキム・ビョンインだと大王大妃に吹き込む。だが大王大妃は指して驚きもせずこれを利用しようと、ビョンインを呼びつける。家門のために王妃の首を持って来いと命じる大王大妃に、噂を否定するが聞き入れてもらえないビョンインは、王妃を守るために垂簾聴政再開を約束する。『童蒙先習』に書き込んだ東匪の暗号の筆跡が哲宗だと確認したビョンインは、これを使って哲宗を排除し、王妃を助ける手立てを考えつく。
哲宗の元へ出向いたビョンインは、『童蒙先習』のことが明るみに出ると、王と王妃が危険思想に染まって国をひっくり返そうとしていると思われる。危機感を抱いた士大夫(※)たちは今の朝鮮を守るために大々的な東匪虐殺を始める。それを防ぐためには王自らが民乱を制圧し処罰するしかないと、脅す。ビョンインのやり口に怒る哲宗だが、「王妃がビョンインと姦通して懐妊したという噂を口実に、アンソン キム氏が王妃を名誉殺人をしようとしている」と言われては従うしかない。部屋の戻った哲宗は待ちくたびれて転寝する王妃を布団に寝かせ、大王大妃に「三南地方の民乱を鎮めに行くので、不在の間の国政と王妃と私の子を見てくれると信じています」とお願いする。
士大夫(サデブ):儒学を学んだ支配層のこと。特に文人を指す。
止めるホン別監たちに、『童蒙先習』に書いた東匪の暗号を見られたことを告げ、今自分が行かなければ多くの人が傷つくと話す哲宗。「全てが王妃の罠。王が討つべきは民衆ではなく王妃だ」と迫る永平に、「王妃は私の味方になるために全てに背を向けた。私が去らなければ王妃は死ぬ。もっと苦しむべき私が全てを抱えていく。私が生きようとするとみんなが死ぬ」と言って出発する哲宗。
■見どころ
これまで「いけません、なりません」を禁止していたチェ尚宮(チャ・チョンファ)が、王妃懐妊を理由に、ラーメンをハサミでチョキンと切ったり、胎教教育したりやりたい放題。これまでのうっぷん晴らしをしているようでどこかうれしそうだ。梨花酒を飲み干して酔っぱらう姿も可愛く、この先、水刺間のマンボクとのロマンスも本格進展しそうだ。
妊婦には危険な乗馬。しかし韓服の裾をなびかせて2人乗りで並木道を走る姿は何とも優雅で美しい。「別荘」という響きに「財閥」を連想して機嫌の王妃姿のボンファン。別荘で「オールイン」の意味を聞く哲宗に「割れやすい卵を一つの入れ物に入れるような愚かなこと」と意味不明な説明でごまかすが、オールインは、主にポーカー等で、自分の持つチップ全てを賭ける行為。イ・ヒョンホン主演のドラマに「オールイン 運命の愛」がある。それにしても宮庭で、噂の火消しのためのラブラブ演技にノリノリ哲宗が傑作だ。
宜嬪に悲しい決断をさせたことで苦しむ哲宗に、幼い頃遊んだ「影踏み」を無理に誘う永平君。ここで2人見事な影踏みアクションが見られるが、最後、恐れ多くも王の影を踏みつけて「宜嬪のことでもっと苦しむべき」と言い捨てる永平君。どんな愛の言葉よりも宜嬪ファジンへの深い恋慕が感じ取れる。その後の哲宗の叫びも辛い。
■第18話「記憶の逆襲」
王妃を守るため早朝に民乱軍の制圧に出発した哲宗。ホン別監からこのことを聞いた王妃はすぐに城門に駆けつけるが哲宗は振り向くことなく馬を進めた。
国政の実権を取り戻してご機嫌の大王大妃に、ビョンインは「王妃が王を捨てて家門を選んだ」とまたまた嘘をつく。実は宜嬪は出発した哲宗の後を追いかけ1対1の勝負をしていた。互いに傷を負い勝負はつかないが、味方のいない哲宗は圧倒的に不利。追い詰められた哲宗は崖から飛び降りたのだった。
哲宗のことが心配で、居ても立ってもいられない王妃は何とか気を紛らわせて明るく過ごそうとするが、行く先々で哲宗と交わした会話を思い出して胸を痛める。そんな王妃の元にビョンインが訪ねてくる。王妃に気づかれた肩の傷をごまかしたビョンインは、お腹の子のためにも家門との和解を勧める。そして聞き入れない王妃に「王妃とお腹の子は何があってもお守りします」と立ち去る。その様子を永平君が睨みつけるように見ていた。
再び表舞台に立った大王大妃は手始めに哲宗が罷免した者たちを復職させ、再び要職をキム氏一族で固める。永平君を釐整庁(※)の総裁監に専念させる名目で、禁衛隊長から退かせて兵権を奪う。
※釐整庁(サムジョンイジョンチョン):腐敗した高官たちのせいで混乱に陥っている3政(田政=地税、軍政=軍役、還政=還穀)収めるための機関。詳しくは第15話で。
そんな折、もう泣かないと決めた王妃は眠れぬ夜を刺繍で紛らわせる。「CJ(チョンジョン)」のイニシャルの刺繍を側室たちに冷やかされ、ジェスチャー遊びをしても答えは全て「哲宗」…恋心はマックスに!とうとうみんなの前で泣き出してしまう。
崖から飛び降りた哲宗の遺体は依然発見されていない。大王大妃は王逝去の知らせを出すようビョンインに指示し、しきたり通りに5日後の新王の即位式の準備を進める。その間城門を全て閉ざし、哲宗が戻ってきても王宮に戻れないように手を打つ。即位式さえ済めば哲宗は王でなくなる。
※上位復(サンィウボク):王の死を知らせる儀式(詳細説明)。新王の即位式は王の魂が昇華する5日間を待たなければならない。
哲宗の死を聞いた王妃は悲嘆にくれる。胎教日記に哲宗が書き記した、我が子への想いと王妃へのあふれる愛の言葉に号泣する。王逝去の知らせは廃嬪となったファジンの元にも届く。永平君は剣を持って喪服姿の王妃の元に乗り込み、「王は危険を承知でお前(王妃)のために王宮を出て行った」と怒鳴りつける。駆け付けたビョンインの命で投獄されるが、王妃は、永平君が言い残した「王を殺害したのは民兵でなくビョンイン!お前の兵士たちだ」の意味をビョンインに問う。人払いした後、ビョンインは「全て永平君の妄想で、禁衛営に侵入した東匪を免職して彼らの正体を隠した罪で彼を投獄した」と答える。まるで永平君が哲宗を殺したような言い草に納得できない王妃は、再度、王を殺したのが東匪かと確かめるが、ビョンインはそんなことより「今、王妃と胎児を守れるのは家門だけだ」と、相変わらず家門との和解を勧める。ビョンインの肩の傷を思い出した王妃は、永平君の言葉が真実だと直感する。
その後、ホン別監も投獄させたビョンインは、キム一族とチョ一族の大臣たちを一堂に集め、やがて東匪が都城までやってくると彼らを脅し、葬儀の期間都城を完全閉鎖し一切の外出も禁止、この機会に東匪を一掃すると告げる。一旦席を外したビョンインは、大臣たちがいまだに王妃の排除を考えているのを確かめる。
その頃、王妃は内官に変装して王の遺体を確かめる。顔がつぶれて識別がつかないため体つきから哲宗ではないことを確信する。ビョンインの計画は失敗し、哲宗は生きている。だから偽の死体を用意し、哲宗を補佐する永平君とホン別監を投獄したのだ。次の王が決まるまでの6日の間に哲宗を捜さなければならない。即位式をぶち壊すことにした王妃は、チェ尚宮に宮女と下働き計600名から情報収集してもらうことに。
新しい王を決めた大王大妃は「王を殺害した東匪を一人残らず成敗する」と広く宣布。一方王妃はファジンをこっそり呼び出し、哲宗が生きていることを教えて安心させてやる。
両派の大臣たちを再集合させたビョンインは、王という共通の敵のために力を合わせたが、後に裏切らないように「伊霍之事(※)」の連判状に署名するよう迫る。これはそのまま謀反への連帯責任の証拠となる。同意さえすれば今後両家門を均等を保てるようにするとビョンイン。独断が過ぎるビョンインに大臣たちは怒るが、剣で従わせる。
※伊霍之事(カグァクチサ):王を廃位したり再び擁立することを意味する。
宮女たち600名から城門閉鎖や兵の動き、哲宗がいるだろう地域を聞き出したチェ尚宮。報告を受けた王妃は、哲宗救出計画を決行することに。チェ尚宮とホン・ヨンに累が及ばぬように寝たふりをしてこっそり大造殿を抜け出す。ところがビョンインに気づかれ行く手を阻まれてしまう。かつてビョンインが尋ねた「なぜ哲宗なのか」という質問に、「私が見た中で哲宗が一番王様らしい。だから哲宗に一票入れた」と答える王妃。そして邪魔するなら矢でいると弓を構える。王妃をソヨンと呼び「私の気持ちを知りながら…」というビョンインに、「そんなに好きならソヨンに生じた変化に気づくべき。中身は全く別、お前はソヨンの外見だけを見ている」と矢を放つ。当たると思わなかった矢はビョンインの脚に命中。
どうにかビョンインをやり過ごし塀からカッコよく飛び降りた王妃を拍手で迎えたのはチェ尚宮とホン・ヨン。残された時間は4日。2人に説得されて3人で仲良く哲宗を助けに行くことに。頼もしい2人のお陰で城門も堂々と通過。その頃ビョンインはやけ酒に荒れていた。翌朝、久々に家に戻ったビョンインを養父キム・ジャグンが優しく出迎える。
ビョンインから謀反の連判状を両家門の大臣たちに書かせたと聞いたジャグンは、大王大妃にそのことを報告し、大王大妃の補佐をするために朝廷に戻らせてほしいとお願いする。そして王妃が夜中に王宮を出たことについては哲宗を連れ戻す覚悟だと推測する。大王大妃は愛し合っている王と王妃を一緒に始末すべきだという。そこでビョンインは東匪として捕らえた薬草採りを拷問して「東匪の自白文」を書かせる。即位式の後、これを公表すれば新王擁立の大義名分が立つ。ビョンインは父ジャグンに王宮を任せて、自ら王と王妃の首を取りに向かう。
即位式まで3日。獄中のホン別監たちは、王妃がお付の宮女と姿を消したこと、ビョンインが後を追ったがまるで殺しに行くような雰囲気だったことをキム・ファンから聞く。
その頃、哲宗は自称、薬草採り男の小屋にいた。訪ねてきた男から手紙を受け取ったのを目撃した哲宗は、夜こっそり手紙を盗み見するが…。
用心に用心を重ねて目的地の崖近くまで到着した王妃一行だったが、後を追ってきた兵たちに見つかってしまう。チェ尚宮が命がけで兵を引き留め、ホン・ヨンが身代わりとなって兵を引きつけるが、一人になった王妃をビョンインが見つけ…。
■見どころ
冒頭、哲宗とビョンインとの立ち回りが凄い。
早すぎる胎動に一瞬不安がよぎる王妃。ホン・ヨンの王妃に似た可愛い赤ん坊が生まれるという言葉を、「不吉だ」打ち消すチェ尚宮。それにしても化粧で血色を悪くし、王の死を嘆く王妃ボンファンは演技大賞ものの怪演。そんな王妃を惚けた表情で見る大王大妃と大妃をお見逃しなく。
哲宗救出作戦。王妃の服や美味しい食べ物まで用意周到でまるでピクニックの様な王妃一行。3人そろって落ち葉を布団に寝るシーンで、軍隊での過酷体験を話し、チェ尚宮たちを笑わせる。2人はそんな王妃にも慣れたようでサムズアップ(グッドのポーズ)も覚えた。マフラーのCJのイニシャルが哲宗を恋しがっている。さあ、王妃は王に会えるのか?
◇WOWOW「シン・ヘソン×キム・ジョンヒョン「哲仁王后 俺がクイーン!?」番組サイト
2022年2月4日スタート 金18:45-21:30 2話連続
【作品詳細】【「王仁王后」を2倍楽しむ】