韓国ドラマ「緑豆の花」第1話あらすじと見どころ:身分違いの義兄弟チョ・ジョンソクとユン・シユンの苦悩
19世紀後半、世界の歴史をも揺るがした朝鮮で起きた農民たちによる反乱の渦中で、運命が変わってしまった異母兄弟(チョ・ジョンソク×ユン・シユン)の過酷な運命を描く本格時代劇「緑豆の花」(全24話)の第1話のネタバレあらすじと見どころ、豆知識など紹介する。日本版予告動画はYoutubeにて視聴できる。
「緑豆の花」は1894年、東学農民革命(甲午農民戦争)の歴史の中で農民軍と討伐隊に分かれて戦わなければならなかった異母兄弟の波乱万丈なヒューマンストーリー。【「緑豆の花」を2倍楽しむ】では時代背景や各話のネタバレあらすじと見どころ、豆知識などまとめて紹介していく。
■キャスト⇒抑えておくべき13人
ペク・イガン役:チョ・ジョンソク
ペク・イヒョン役:ユン・シユン
ソン・ジャイン役:ハン・イェリ
チョン・ボンジュン役:チェ・ムソン
ペク・カ(マンドゥク)役:パク・ヒョックォン
ファン進士(ソクジュ):チェ・ウォニョン)
ファン・ミョンシム役:パク・ギュヨン
ボドゥリ役:ノ・ヘンハ
■第1話:ペク家の息子 ※豆知識
19世紀末、朝鮮は外勢の干渉と支配層の堕落により徐々に没落し、塗炭の苦しみに喘ぐ民は死者さえうらやむほどだった。1894年の全羅道(チョルラド)古阜(コブ)。下級役人ペク・カ(パク・ヒョックォン)の息子イヒョン(ユン・シユン)は日本留学から故郷の古阜に帰る道すがら、貧しさと飢えに苦しむ民の姿を目の当たりにする。一方庶子として生まれ凶暴に育ったイガン(チョ・ジョンソク)は、今日も民を力で押さえつける。
※衙前(アジョン):官僚の下で末端の地方行政実務を担当した下級役人。 ※吏房(イバン):庶民の資格で、衙前の下で無給で働く者。いったん吏房になると10年は他の仕事に就けない。
©SBS ペク・イガン(チョ・ジョンソク)悪徳役人チョ・ビョンガプ郡守(チャン・グァン)の横暴に声を上げる東学の指導者チョン・ボンジュン(チェ・ムソン)は民を扇動した罪として、見せしめの尻叩き100回の刑に処せられる。チョ・ビョンガプは萬石洑という貯水池を作って農民から水税を徴収し、ついには古阜の穀物の外部持ち出しを禁止する『防穀令』を発布する。それはペク・カが営む米店に安値で売らせ米を集め、他に高値で売る為の令。農民たちは不満を漏らす。イガンはボンジュンを出迎える仲間を滅多打ちにする。そこに留学から帰ってきたイヒョンが通りかかり、イガンは異母弟イヒョンを誇らしげに見つめる。
※使道(サド):特別な役職名ではなく、中央政府から郡や県に派遣されていた官吏(地方官)の敬称。※郡守(クンス):郡の長官。
帰宅したイヒョンは珍しいマッチ(燐寸)で日本の進歩を家族に見せる。一方イガンは父ペク・カの命令を受けチョン・ボンジュンの監視を命じられていた。離れで母親と暮らす異母兄イガンに挨拶に行ったイヒョンは、自身をペク家の“あれ”と蔑み、父の汚れ仕事を任されているイガンに胸を痛めていた。
そんな中、チョン・ボンジュンは仲間を集め、古阜城を撃破して悪徳郡守チョ・ビョンガプの命を奪う農民運動の計画を練るが、ピョンガプに異動の話が出る。『防穀令』を主導し、ひと儲けを企んでいたペク・カはイガンに再び汚れ仕事を命じる。
その頃、全州で日本相手の貿易で急成長しているソン・ジャイン(ハン・イェリ)は、帰ってきた行首チェ・ドッキ(キム・サンホ)から米価沸騰で仕入れできないと報告受ける。防穀令のためだと知るジャインは新郡守の赴任に期待していたが、イガンの脅しに怯えた新任郡守は続々と辞任してしていった。
※客主(きゃくしゅ) :朝鮮後期に港湾や都市で、商業関連業務を行った人々。またはその主人。 ※行首(ヘンス):商団のまとめ役、客主に続く番頭的な立ち位置。
ジャインは直接古阜に米の仕入れに行くことにして、父で全州全羅道任房の都接長ソン・ボンギル(パク・チイル)に古阜任房での宿泊証明書をもらいに行く。事情を聴いたボンギルは行商人の荷物から見つかった「古阜で反乱を起こすから賛同し行動を起こせ」という東学教徒の通文を渡してやる。日付が古いことからチェ行首は偽物だというが、ボンギルは急な人事異動で計画が狂っただけで通文に偽物はないと教える。古阜の役人にこれでご機嫌取りでもすれば防穀令を解くかもしれないとアドバイスする。
※褓負商(ポブサン):組織で活動する行商人のこと(詳細)。※任房(イムバン):行商人たちの自治組織。またはその事務所のこと。 ※都接長:代表。 ※通文:数名で回し読みする文書。
©SBS / ソン・ジャイン(ハン・イェリ)ジャインは、古阜の下っ端役人ながら米の大半を抱える米店を開くペク・カに会いに行く。日本相手に貿易をしているが突然の防穀令に困っていると窮状を訴え、大金を渡し米の高値での仕入れを持ち掛ける。だが、あっさり追い返される。ジャインを追いかけたイガンは大金を投げ捨て、居合わせたイヒョンが拾って渡す。ジャインは笑顔を作って日本語でイガンに暴言を吐き、通訳を頼まれたイヒョンは適当にごまかして通訳。2人は日本語で言葉を交わす。
貧しい下級役人の息子として生まれたペク・カは、優秀な息子イヒョンが丞相(首相)になるのを夢見ていた。そしてイヒョンに科挙(役人登用試験)を受けさせるために莫大な金をつぎ込んでいたのだった。
イヒョンは儒教の師である両班ファン・ソクジュ進士(チェ・ウォニョン)に会って科挙を受けることを報告。実はイヒョンは腐った役人に嫌気をさしていたが、日本に留学して西洋文明に驚き、朝鮮も日本のような文明国にするために役人になる覚悟を決めたのだった。マッチ一つで女性の家事労力が一変したと説明する。ファン進士の義妹ファン・ミョンシム(パク・ギュヨン)はそんなイヒョンに想いを寄せていた。
※進士(チンサ):科挙の合格者。
同じとき、米の密売をした行商人がイガンに成敗されそうになっているところに、ジャインとチェ行首が通りかかる。止めるチェ行首にイガンがいきなり殴りかかり2人は行商人の処遇を巡って勝負をすることに。互角の勝負を続けていたが劣勢になったイガンが刃物でチェ行首を刺し、怒ったチェ行首に滅多打ちされるイガン。そこに騒ぎを聞きつけたイヒョンが、イガンが自分の兄だとチェ行首を止める。ボロボロになったイガンにイヒョンは古阜を離れると告げ、イガンも父から離れて自分の道を行くようにと忠告する。
ジャインがチェ行首の薬を買いに出向いたのはチョン・ボンジュの薬房だった。ボンジュは新任役人の防穀令を期待しているジャインに、1か月に5人も新人役人が辞任したことを教え、チョ・ピョンガプ再任の可能性を口にする。さらに役人達が税という名で民から金を摂取してると訴え、ジャインは彼が民乱の首謀者だと確信する。
そんな折、新郡守が防穀令だけでなく様々な悪しき令も撤廃すると発表!焦ったペク・カは、母親を平民にしてやるから今度は脅すだけではなく命を奪ってくるようイガンに命じる。その話を聞いていたイヒョンは、父親が息子に悪事をさせるのかと責めるが、ペク・カはこの世はやられる前に手を打った方が勝ちだと言う。
©SBS /ペク・イヒョン(ユン・シユン)イガンを呼び出したイヒョンは、自分が生まれなければイガンはペク家の唯一の息子として汚れ仕事をさせられることもなかったはず。自分の存在のせいで人殺しまで命じられる兄に涙を流して謝る。涙をぬぐってくれた兄イガンに古阜を発つことを報告し、日本で習った握手で別れの挨拶をする。
新任の役人が東学党の信者という情報を聞きつけたイガンは父ペク・カと共に乗り込んで脅し、結局チョ・ピョンガプが再任され古阜に戻ってくる。ジャインはこれで通文の効果が戻ったと考えチョ・ピョンガプと交渉しようとする。東学教徒に同情するチェ行首はジャインを止めることはできなかった。通りで貧しさに悲鳴を上げる民を見でも、自分は商売人と割り切ろうとしたジャインだったが、役場でのどんちゃん騒ぎをするのを見て密告を辞める。
その頃、東学党に古阜の両班代表としてファン進士らが合流していた。一方、新郡守が東学教徒だと教えたのがチョン・ボンジュの手下だと聞きつけたイガンは不審に思い、父ペク・カに報告。ボンジュを捕えて来いと命じられたペク・カは、民乱が起きるのを目撃し、全てがボンジュンの罠だと気づく。
1894年甲午年陰暦1月10日、古阜のマルモッ市場址でのことだった。
■見どころ
序盤チョ・ジョンソク(イガン役)とキム・サンホ(チェ行首役)の壮絶な殴り合いアクションに注目。
使用人であるイガンの母親を、韓国で父の弟の嫁などを呼ぶ“チャグノモニ(작은어머니)”と呼ぶところにもイガンを兄と思っているイヒョンの気持ちが表れている。
初めて汚れ仕事を命じられた少年イガンを演じたのは「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」でウォン太子、「風と雲と雨」でイ・ジェファン(後の高宗)を演じたパク・サンフン。一方、少年イヒョンを演じたのは「怪物」でヨ・ジングの少年時代、「ボイス4~112の奇跡~」でソン・スンホンの少年時代を演じているチョン・ヒョンジュン。
「緑豆の花」は史実をベースにしており、実在の人物が多数出演しているが、毒蛇のような眼光をした“ペク・イガン”は架空の人物。チョ・ジョンソクがどんな思いで演じたかはこちらのインタビューで詳しく語っている。
◇SBS「녹두꽃」番組サイト
2019年4月26日~7月13日(全24話(48部作×30分))
◇公式サイト
DVD-BOX1~3 発売中
◇予告編
【作品詳細】【「緑豆の花」を2倍楽しむ】