韓国ドラマ「緑豆の花」第11話あらすじと見どころ:『弊政改革十二条』の提案と和約、朝鮮初の農民自治へ

2022年08月04日21時00分 
(2023年04月04日00時01分 更新)
ドラマ
©SBS

19世紀後半、世界の歴史をも揺るがした朝鮮で起きた農民たちによる反乱の渦中で、運命が変わってしまった異母兄弟(チョ・ジョンソク×ユン・シユン)の過酷な運命を描く本格時代劇「緑豆の花」(全24話)の第11話のネタバレあらすじと見どころ、豆知識など紹介する。日本版予告動画はYoutubeにて視聴できる。

「緑豆の花」は1894年、東学農民革命(甲午農民戦争)の歴史の中で農民軍と討伐隊に分かれて戦わなければならなかった異母兄弟の波乱万丈なヒューマンストーリー。【「緑豆の花」を2倍楽しむ】では時代背景や各話のネタバレあらすじと見どころ、豆知識などまとめて紹介していく。



■キャスト抑えておくべき13人
ペク・イガン役:チョ・ジョンソク
ペク・イヒョン役:ユン・シユン
ソン・ジャイン役:ハン・イェリ
チョン・ボンジュン役:チェ・ムソン
ペク・カ(マンドゥク)役:パク・ヒョックォン
ファン進士(ソクジュ):チェ・ウォニョン)
ファン・ミョンシム役:パク・ギュヨン
ボドゥリ役:ノ・ヘンハ

■第11話:チョン・ボンジュン暗殺命令 ※豆知識
自分を許すなと言いながらソン・ジャイン客主を引き止めるイガン。ジャインはイガンの立場を理解しつつも、父親に何かあった時は許さないと告げその場を立ち去ってしまう。その頃、東学軍はついに都接長ソン・ボンギルの居場所を突き止め、チェ・ドッキ行首と共に捕らえる。2人が剣契と内通し、京軍が奇襲攻撃を行う計画だった情報をつかむが、チェ行首がジャインをかばいイガンの証言でジャインは難を逃れる。都接長はジャインを守ったイガンに一目置く。

その頃、京軍の軍営では城門が開かないことでジャインが裏切ったのではないかと疑い、城内での銃声音から計画決行の前に鎮圧されたと考える。招討使ホン・ゲフンは夜明けの出陣を命じるが、全羅道監察使キム・ハクジンは兵士を大事にしろと、清軍の上陸を待つようとどめる。済物浦に日本軍が上陸したことで焦るゲフンは、ハクジンの助言を無視しようとするが、「便宜従事」を持つハクジンの言葉は王命に等しく従わざるを得ない。
※便宜従事(ピョニチョンサ):王の裁可なしに処理できる権限。 ※監察使(カムサルチャ):地方官は外官と言い、そのトップは道の観察使。その下に守令の府尹・大都護府使・牧使・都護府使・郡守・県令・県監などがいた。

翌朝、チョン・ボンジュンは接主たちを集めて都接長たちの処罰について論議する。接主たちは兵たちの士気を高めるためにもさらし首にして抗争の意志を示すべきと言い、別動隊大将イガンは未遂で終わったことを理由に刑が重すぎると反論する。そこにジャインがチョン・ボンジュンとの面会を申し入れる。ジャインは自らの喉元に小銃を押し当てて助命嘆願ではなく取引に来たという。そこに今度は、キム・ハクジンから「曉諭文」が届く。そこには便宜従事の権限を持って、チョン・ボンジュンだけ引き渡せば他は不問にするとあった。清軍まで来ているのに、ここで恩情をかけるのは何か魂胆があるはず。チョン・ボンジュンはそれが日本軍の上陸だと考え、ジャインに会いに行く。
※曉諭文(ヒョユムン):民をなだめる文。 ※接主:教団支部長。

チョン・ボンジュンと対面したジャインは、極刑は東学軍が掲げる輔国安民に合わないとし、都接長とチェ行首の命と旅閣の全財産との取引を持ち掛ける。ボンジュンはその提案の代わりに、使者として監察使キム・ハクジンへ手紙を届けるてくれないかと持ち掛ける。その場で殺されるかもしれない危険な役割だ。盗み聞きしていたイガンはジャインを守るために、ホン・ゲフンと内通していたのがジャインだと明かし、悪だくみしないように見張るから同行させてほしいと頼む。ボンジュンはイガンの虚偽通報について後日処罰すると告げて同行を認める。
※輔国安民(ポグクアンミン):国の悪政を改め、民を安らかにするという東学のスローガン。

道中ジャインは、京軍軍営に吏房になったイヒョンがいるとイガンに教える。その頃、イヒョンは「東門を攻撃して東匪たちの意識をそちらに向けろ」という招討使の命令に従わなかったと折檻を受けていた。一方、ジャインたちが到着し、ボンジュンからの手紙を渡す。そこには『弊政改革十二条』を条件に和議の申し入れがあった。
※『弊政改革十二条』については下の見どころで詳しく紹介。 ※七般賤人(チルパンチョニン):朝鮮時代に差別された7種の賤民。商人・船夫・獄卒・逓夫・僧侶・白丁・巫女(ムーダン)を指した。 ※青孀寡婦(チョンサンカフ):若くして夫に死別した寡婦。

その提案に驚き、一時はジャインの命も危うくなるが、ジャインが日本軍上陸に触れたことでキム・ハクジンからの返事を受け取り生きて帰ることができる。一方、イガンはジャインとの会話から“鬼”の正体がイヒョンだったと確信する。その頃、鬼がまた東学軍を狙い、ポドゥリたちに追い詰められるが命からがら逃げ延びる。

イヒョンは生きる道を見失っていた。進むべき道に迷う彼はミョンシムを想う。そんなイヒョンの目の前にイガンが現れる。イヒョンの右手をつぶして“鬼”ではなく“イヒョン”として生きろと、石を振り上げるが、弟の手をつぶすことはできなかった。自分自身で鬼と戦えと言い、今度鬼として出会ったときには殺すと告げ立ち去る。

その頃古阜では、ミョンシムもイヒョンへの想いを貫き縁談を拒否していた。ペク・カがファン進士を訪ね、ホンガの名前を出して、縁談を再考しようと脅す。激昂したファン進士はものを投げつけペク・カは額から血を流す。

ジャインがキム・ハクジンからの返事を持って戻ってくる。ボンジュンは、キム・ゲナム、ソン・ファジュン、ソン・ヒオクの3接主に、相談なしに和約を申し出たことを謝罪し、キム・ハクジンからの農民軍の解散を条件に『弊政改革十二条』を受け入れるという返事を見せる。ボンジュンは農民軍の解散を口にするが、キム・ゲナムは自分たちにとって日本軍上陸は、政府側を焦らせる好機だと解散を良しとしない。ソン・ファウンはゲナムに現実を直視てほしいと、和約に賛成しソン・ヒオクも和約に賛成。ボンジュンはこのまま日本上陸を許せば戦争になると言い、日本がどれほどの強国になったのかを認めないゲナムは、他国で日本と清が戦争するのはあり得ないと何が何でも解散を認めない。
※倡義(チャニ)軍:農民軍、義兵軍。中核になったのがチョン・ボンジュン率いる東学軍。

緑豆の花©SBSイガンが戻ってきてもジャインは彼を避け、イガンは、ボドゥリが鬼に腕を銃撃されたと知る。イガンの元にやってきたチョン・ボンジュンは、虚偽通報の罪を問うと、大きな体をイガンに背負わせて2人で畑に出かける。ボンジュンは茂長で撒いた緑豆の種(5話)の話しをし、「天下が全て緑豆の花で埋め尽くされた日に、一握りの肥料になって死にたかった」と迷う心の内を見せる。イガンは、鬼のようになってしまった弟イヒョンに会ったことを明かし、その目がもうやめたいと訴えていた。弟に緑豆の花が満開になった世の中を見せたいと、和約に賛成する。

返事の時間が迫る中、キム・ゲナムの部下たちが和約反対の座り込みをする。ボンジュンはゲナムに謝罪し和平の決断を告げ、約束通り和約受け入れの花火を上げ、蜂起から戦い命を落とした仲間のことを思い涙を流す。

京軍軍営で和約を知ったイヒョンは、かつて野蛮だと否定したやり方でチョン・ボンジュンが『弊政改革』を通したことに驚き、「文明に惑わされるな。文明を作ったのも世を変えるのも人間だ」といったボンジュンの言葉を思い出す。だが東学軍との和議締約に反対する招討使はイヒョンを呼び出し、チョン・ボンジュンの暗殺を命じる。驚くイヒョンに招討使は、漢陽への道を開くと言い…。



■見どころ
ドラマ同様に、1894年5月7日全州和約で実在の全琫準(チョン・ボンジュン)が提案した『弊政改革十二条』は、以下の通り。
1条:東学教徒と官は恨みを忘れ、共に庶務に協力する。
2条:汚職役人の罪を明かし処罰する。
3条:横暴な符号を厳しく処罰する。
4条:不良な儒者と両班を懲罰する。
5条:奴婢の文書を償却する。
6条:七般賤人の待遇を改善して白丁(ペクチョン)にかぶらせる平凉笠(ピョンニャンニプ)を廃止する。
7条:青孀寡婦の再婚を許可する。
8条:名分の無い雑税は一切廃止する。
9条:役人の採用には地閥を打破して人材を登用する。
10条:日本と内通した者は厳罰に処す。
11条:過去の借金を帳消しにする。
12条:土地を公平に分配して耕作させる。


ついに鬼がイヒョンだと知ったイガン。自分がチョン・ボンジュンから右手の代わりに“イガン”として生きるチャンスをもらったように、イヒョンにもそうしたかったのだが、できないところに家族思いのイガンの心が見えて辛い。ラスト、イヒョンは招討使の提案を受け入れ鬼に戻るのか?

一方、畑の中でのチョン・ボンジュンとイガンの会話。心に沁みる話をしたイガンの「感動したでしょう?」に対して、「全然」と言い張るボンジュン。「娘がいたら婿にしたいでしょう」としつこく食い下がるイガンに完全否定するボンジュン。この後イガンが何をするのか?ほのぼのとするエピソードをお見逃しなく。

SBS「녹두꽃」番組サイト
 2019年4月26日~7月13日(全24話(48部作×30分))
公式サイト
 DVD-BOX1~3 発売中
予告編

kandoratop【作品詳細】【「緑豆の花」を2倍楽しむ】