【第1章】「冬のソナタに魅せられたNHK|NHKと冬のソナタ

2009年09月20日00時00分ドラマ
2009年9月にNHKオンデマンドで「冬のソナタ」全話配信を記念した特集記事。※配信終了※

2002年韓国KBSで放送され、日本でも韓流ブームのきっかけとなった説明不要の伝説的ドラマ「冬のソナタ」と主演のペ・ヨンジュンの魅力を探る。

韓国の「冬ソナ」ブーム
冬ソナ2002年、韓国のおしゃれな街には、茶髪にめがね、ミニョン巻きなるマフラーを身につけた若い男性が増殖した。コスプレでもなければお笑いでもない! みんな真剣におしゃれしているのだ。もちろんこれは純愛ドラマに金字塔を打ち立てたドラマ「冬のソナタ」のミニョン(チュンサンがお好きな方は読み換えて)スタイルだ。当時、韓国の若い女性が自分のカレにこのスタイルをさせるのが流行ったそうだ。

ドラマ「冬のソナタ」は、女子高生のユジンと転校生のチュンサンとの初恋を描いた純愛ストーリーで、主人公の心の襞(ひだ)を丁寧に描いたストーリーと、美しい映像&音楽、そして、ペ・ヨンジュンとチェ・ジウという最高のキャスティングで、社会現象まで巻き起こした純愛ドラマである。

冬ソナ韓国での初放送は、2002年1月~3月の毎週月曜日と火曜日の夜。日本での初放送は2003年4月~9月、NHKBS2で放送した。ところが、あまりの反響の高さに急遽年末に再放送。これがまたまた話題を呼び、遂に土曜夜11時枠のNHK総合(地上波)での放送となった。最終回では20%を軽く超える高視聴率をたたき出した。ゴールデンタイムのドラマでさえ20%超えは大ヒットと言われる今、当時の土曜日深夜枠でこの数字だ。当時の人気がどれだけ凄かったか想像して見て欲しい。その後も、2004年には未公開シーンの入った完全版(日本語字幕版)が放送されている。わずか3年の間に同じドラマを4回も放送をしている。これはもはや“「冬のソナタ」に魅せられた”といわれてもしかたがあるまい。

冬ソナNHKを魅了した“冬ソナ”は同年の流行語大賞にノミネートされ、ペ・ヨンジュンの愛称“ヨン様”は朝日新聞社の流行語大賞を受賞し、一大韓流ブームの始まりを見た。街には、あの♪チャラララーン、チャララーラ…♪(主題歌「最初から今まで」)のイントロが流れ、スーパーやコンビニはおろか、幼稚園や小学校の運動会でも同曲が使われ、あの曲を聞かない日はなかった。

これまでにもドラマの主題歌の大ヒットは日本でもあった。木村拓哉と山口智子の「ロングバケーション」の主題歌「LA・LA・LA LOVE SONG」(久保田久伸)は、83万枚という数字を記録している。ところが、冬ソナはそれを軽く超える100万枚の売り上げを記録してしまった。詳しくは『韓ドラ』ここが知りたい!の「名作-四季シリーズ⑦」で。




しかしである! それにしても、放送後7年以上もたった今も衰えない“冬ソナ”人気はいったいなんだろう? その魅力はどこにあるのだろう?

① 誰が、どうして、冬ソナを探し出したのか?
② 何故、冬ソナだったのか?
③ 誰に見せたかったのか?
④ いわれている“大反響”は本当なのか? 大げさに言っていないか?
⑤ DVD、書籍、果ては語学番組、パチンコまで巻き込んだ韓流ブームは予想できたか?
⑥ 主役をペ・ヨンジュンではなく、チェ・ジウと見たのは?
⑦ 何故、吹替え? どうして主役二人に似ていない声質の俳優を選んだのか?

この7つの不思議が解ければ、“冬ソナ不滅”の謎が解決できるかもしれない。これについてはいろんな解説がされてきた。しかし、何かすっきりしない! こうなれば当の本人に聞くしかない! ということで、この“言いがかり”ともとられかねない疑問を引っさげ、NHKに取材を申し込んだ。現在報道局のチーフ・プロデューサーで、冬ソナブーム当時の担当者だった小川純子さんが単独取材に応じてくれることになった。小川さんは2003年5月にBS局に着任され、前任者から企画当時の苦労話も聞いている生き字引のような方だ。
取材は、9月8日(火)午前11時半から! 次回、突撃取材レポートをお楽しみに!

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