韓国ドラマ「シュルプ」第5話:最愛の息子を失った母キム・ヘスの姿にまたしても涙

2022年10月30日23時35分ドラマ
Netflixシリーズ『シュルプ』独占配信中

キム・ヘス主演で、朝鮮時代の教育ママの奮闘を描いたコメディ時代劇「シュルプ」(全16話)前回は、快復したかに見えた世子が突然、公の場で血を吐いて倒れてしまう場面で幕を閉じた。気になる第5話のあらすじと見どころを確認してみよう。
※視聴率は7.8%(ニールセンコリア、全国調べ)

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「シュルプ」は、トラブルメーカーの息子たちと、王座を狙うライバルの策略…さまざまな問題に振り回されながら、未来の朝鮮王を育て上げるために日々奮闘する王妃の姿を描く。



■第5話あらすじと豆知識
次男ソンナム大君(ムン・サンミン)の活躍の甲斐あって、順調に病状が快方に向かっていたように思われた世子(特別出演 / ペ・イニョク)だが、母ファリョン(キム・ヘス)や王イ・ホ(チェ・ウォニョン)、そして数多くの大臣が見ている目の前で突然血を吐いて倒れた。

これまで世子の病名を伏せて秘密裏に治療が行われていた事を知った王は激怒し、ファリョンの幽閉を命じる。世子にとっては逆効果になり得る鍼治療を行おうとする御医。せめて一緒にというファリョンの願いも聞き入れられず、中宮殿に幽閉されたファリョンは写経を命じられ身動きが取れなくなる。
※中宮殿(チュングンジョン):正妃が暮らす宮殿。

世子の噂は瞬く間に宮中に広がり、心配した兄弟は慌てて世子のもとに向かうが、世子に会うには王の許可が必要だった。兄弟を冷酷に追い返そうとする大妃(キム・ヘスク)。

噂でもちきりだった側室達は、温泉療養に行かせずに宮中で治療させたのが病状悪化の原因だと噂し、ファリョンの責任について噂する。また王が側室の子供なのに王位に就いた経緯を持ち出して、我が子にも王になるチャンスがまだ残さていると嬉々とする側室達。

幽閉されても、じっとしている訳にはいかないファリョンは手に世子の血がついたままであるにも構わず、5日以内に全て終えるように命じられた写経をたった一晩で書き終え、尚膳を呼び出す。王から口止めされていた尚膳からどうにか世子の病状を聞き出す事に成功したファリョンは、決して御医と世子を二人きりにしないよう王に伝言を頼む。王が信頼を寄せている御医がテイン世子の死に関わっている可能性が高いからだ。伝言だけ伝えると、再び尚膳を呼び出して情報を得ようと、苦労して書いた写経を破り捨てる。
※尚膳(サンソン):王の私的な秘書のような業務を行っていた役職。

兄を見舞う事も出来ず、両親とも会わせてもらえない兄弟は途方に暮れるが、道すがら鉢合わせたウィソン君(カン・チャニ)から心無い挑発を受け、ソンナム大君は自分が持ち込んだ薬草が兄の病状を悪化させたのではという疑念に捕らわれてしまう。

その夜、密かにファリョンのもとに忍び込み、薬草が原因で悪化した訳ではないと知ったソンナム大君。むしろ快復の兆しがあった事から、民間療法を試していた事は絶対に知られてはならないと口止めされる。更に捕らわれていたクォン医官のもとに忍び込み、同じ薬草でも季節により効能が異なる事を知る。クォン医官が民間療法について口外しそうにない事を確かめ、その場を去るソンナム大君。その直後、クォン医官は大妃の手下に連れ去られ、拷問の末、ファリョンの命令だった事を口走ってしまうが、民間療法については決して口外しなかった。

薬を処方したトジ先生(クォン・ヘヒョ)のもとを再び訪れると、病に苦しんでいるのが世子だと知って、因果応報だというトジ先生。処方に問題があったのではないかと疑い、刀を向けるソンナム大君だが、トジ先生の言葉に刀を下ろし、吐血に対する治療法を尋ねる。

その頃、ファリョンは写経を免除され、唯一の情報源だった尚膳との接触機会が失われる事に絶望し、涙ながらに我が子の安否を気にかける母心を吐露した。

ある朝、覚悟を決めた表情のファリョンは、宮中に密かに広げていた人脈を総動員して世子を守る事を命じる。宮中には宦官から、最も身分が低く雑用を任されていた宮女まで、ファリョンが構築した人脈が存在した。これにより疑惑のチョ医官(キム・ジョンホ)が世子と二人きりになるのを防いだほか、処方されたのと同じ薬草を入手して自ら毒が含まれているかどうか確認する。

世子の廃位を狙うファン貴人(オク・チャヨン)と父の領議政(キム・ウィソン)は、兵曹判書に新しい世子候補選びを提案する。
※兵曹判書(ピョンジョパンソ):現在の防衛大臣に該当する役職。

廃位に関する上疏文を受け取った王に対し、徐々に廃位を求める声を上げる兵曹判書ら大臣に対して、廃位に反対の意見を発言する領議政。しかし、これは王の心理を利用しようとする領議政の策略だった。

一方、ファリョンは宮中での不穏な動きに危機感を覚え、宮中の内官らが王妃の顔をまともに見られない事を逆手に取って、女官の服装に着替えると、危険を顧みずある場所へ向かう。

王はテ昭容(キム・ガウン)のもとを訪れ、廃位の話や権力争いから束の間解放され、ポゴム君(キム・ミンギ)に廃位についての意見を求められる。聡明かつ洞察力に優れたポゴム君は、世子の廃位が妥当としながらも、この事が王権を牽制しようとする大臣に利用されている事を見抜き、結果がどうあれ彼らの策略に乗せられないよう助言する。

ファリョンは大臣がひざまずき一世に世子の廃位を求める様子を目撃して険しい表情を浮かべる。

ソンナム大君が薬を手に入れるのを助けた兵曹判書の娘チョンハ(オ・イェジュ)。代金返却の約束の10日が過ぎ、ソンナム大君との再会を楽しみにしていた。そんな時に町中で周囲を警戒しながら男性と話す高貴な女性を見つけて、浮気をしているに違いないと噂をする。その女性こそファリョンだった。再びユン廃妃(ソ・インスク)を呼び寄せたファリョンは、テイン世子が死んだ時の様子を聞き出そうとする。

正妃の身分だけでなく、我が子まで殺されたユン廃妃は、略奪者の血筋である世子らが早く死ねばいいと笑うものの、何者かの策略であれば、我が子に手を出す者はこの手で殺すというファリョンの言葉に心を動かされ、願い事をひとつだけ聞くという条件で辛い過去について語り始める。

テイン世子は吐血はしなかったものの、体に傷があり、大妃自身がテイン世子殺害を認めていた事を明かした。更に、多くの大臣が大妃に加担し、圧力をかけていた事実を知り、危機感に襲われるファリョン。

大臣達の嘆願が続く中、沈黙を決め込んでいた王に、威厳を示せという大妃。反発するものの、結局は大臣達によって仕立て上げられた王だと説き、世子ひとりの為に大臣と真っ向から戦うつもりなのかと叱責する。決断を迫られる王。そんな中、ファリョンが大臣達のもとに怒鳴り込む。品行方正で何の罪もない世子を廃位させようとし、世子の治療に専念するどころか、集団で騒ぎを起こした大臣らを激しく責め、生かしたいのか死なせたいのかと問いかける。

幽閉中にやって来たファリョンを責める領議政だが、彼女の幽閉は王が既に解いていた。更に、ファリョンの言葉に同意し、大臣らのこれ以上の廃位論に真っ向から立ち向かう。予想外のファリョンの登場で計画が崩れてしまう領議政や大妃。そこに内官が世子の容態を告げに駆けつける。

しばし目を覚ました世子だが残された時間はあまり多くないという。世子が母に伝えたい事があると聞いたファリョンは一心不乱に世子のもとに駆けていく。たとえ風になったとしても、そばに居続けるから、決して屈せずに元孫や弟達を守ると約束してほしいと語っていた世子。その時は涙を押し殺しながらも、そんな縁起でもない約束は出来ないと相手にしなかったファリョン。

世子のもとに駆けつけると世子は既にこの世を去っていた。「まだ返事をしていないのに」とその場で泣き崩れたファリョンは、返事を出来なかった「約束」を守ると誓い、長男の亡骸を抱きかかえる。

■見どころ
快復したかに見えた世子が再び吐血して倒れるというショッキングな展開で幕を閉じた前回の続きは、ファリョンが世子の病状を隠して治療をさせていた事が明らかになり、危篤状態の世子とファリョンが隔離されてしまう場面からスタートする。この場面では、我が子が命の危険に瀕しているのに、そばで守る事すら許されない母親のもどかしい気持ちが伝わる。

前回に引き続き、大活躍したのが次男ソンナム大君だ。幽閉された母に代わり、王宮の内外で暗躍。兄弟のスパイアクション担当と呼んでもいいほどの活躍を見せた。また、ファリョンが長年の宮中生活の中で、至るところに信頼のおける人材を潜入させ、ネットワークを形成していた事が明かされ、彼女の指令で手際よく情報を収集・伝達していく姿もテンポよく観ていて気持ちがいい。なお、このシーンでは、世子に処方されたのと同じ薬草を手に入れたファリョンが、スプーンをあてて何かを確かめているシーンが登場する。現在でも韓国で使われるスプーンやお箸は金属製のものが多いが、これは金属製の方が、毒が入っていた際に化学反応を起こしやすいからだと言われている。すなわち、このシーンのファリョンも、薬草にスプーンをあてて、変色などが起こらないか観察する事で、薬草に毒がないか確かめていたという事になる。

後半では颯爽と現れ、廃位を訴えていた大臣たちに向かって怒声を上げるシーンも、キム・ヘスならではの迫力に満ちていて印象的だ。

そして、視聴者にとって最も印象に残るシーンは、世子の死だったのではないだろうか?知らせを聞いたファリョンが涙を浮かべながら宮中を駆けていく映像や、一歩間に合わず、世子の亡骸を前にしてその場に崩れ大声で嗚咽する姿は涙無しでは観られないだろう。韓国のみならず大半のドラマでは誰かが死ぬ場面では、最後にお互いの気持ちを伝え合う猶予が描かれる事が多いが、本作では世子は母ファリョンがやってくるのを待たずしてこの世を去ってしまった。この場面からは最期を看取れなかったファリョンの後悔が感じられ、最愛の息子を失った母親の悲しみをより深く感じ取る事が出来る。

ファリョンにとって、今の身分を守る盾でもあった世子が亡くなった事で、次回からは自身や、残された息子達の命を駆けた争いが激化しそうな予感でますます目が離せない。

子供の将来や社会的ステータスを巡ったママ同士のドロドロとした競争といった現代のトピックを朝鮮時代に移植し、王位を賭けた教育奮闘記を描いたユニークなtvN土日ドラマ「シュルプ」はNetflixで独占配信中だ。

■スタッフ
演出:キム・ヒョンシク
脚本家 :パク・バラ
原題:슈룹(シュルプ)

■キャスト
イム・ファリョン役:キム・ヘス
大妃役:キム・ヘスク
朝鮮王イ・ホ役:チェ・ウォニョン
ソンナム大君役:ムン・サンミン
世子役:ペ・イニョク
ムアン大君役:ユン・サンヒョン
ケソン大君役:ユ・ソンホ
イリョン大君役:パク・ハジュン
ファン貴人役:オク・チャヨン
コ貴人役:ウ・ジョンウォン
テ昭容役:キム・ガウン

ほか

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