イ・ジュンギの絶品演技に泣かされた「悪の花」最終回考察!主人公は本当にサイコパスだったのか?
人気俳優イ・ジュンギとムン・チェウォン共演の韓国ドラマ「悪の花」が、1月13日(金)にBS12にて最終回を放送し、多くのファンを感動させた。イ・ジュンギの新たな「人生の一作」ともいえる本作の結末と考察を紹介、予告はYoutubeにて公開中だ。
「悪の花」は、残酷な過去を持った男パク・ヒソン(イ・ジュンギ)とその過去を暴こうとする、妻であり刑事のチャ・ジウォン(ムン・チェウォン)が繰り広げるミステリアスなラブサスペンス。【「悪の花」を2倍楽しむ】では、各話のあらすじやメイキング、コメント動画、最終回考察などまとめて紹介している。
先の読めないソトーリーがテンポよく進み、最終回に向けて徐々に解き明かされていくまさかの展開、ヒョンス(イ・ジュンギ)が本当にサイコパス殺人者なのか、最後までハラハラドキドキの脚本は秀逸だった。その中で描かれるイ・ジュンギ扮する偽ヒスとムン・チェウォン扮するチャ・ジウォンとの愛しい夫婦の物語としても楽しめた。
そんなドラマの最終回はあまりにも悲しく、切なく、そして美しいものだった。
本物のペク・ヒソン(キム・ジフン)を確保し、姉ヘス(チャン・ヒジン)と共に身の潔白が証明され、これからはジウォン、ウナ(チョン・ソヨン)と共に幸せな生活を送れるかに思われたヒョンスだったが、ペク・ヒソンを油断させるための「ジウォンがヒソンに殺された!」というウソを信じたヒョンスの心が壊れてしまった。逃げたヒョンスを追いかけ一度は彼を殺そうとしたが、ジウォンが生きていたことに気づき、正気を取り戻しかけた。だが、警察がペク・ヒソンを確保しようとした寸前、ヒョンスはペク・ヒソンに頭部を撃たれてしまった。命こそ助かったが、被弾のダメージで、ヒソンとして生きていたころの記憶を全て失い、ウナ、そしてジウォンのことも忘れ去ってしまっていた。
証言を得るために二との心を読むヒョンスその記憶はドラマでよく見られる劇的な展開で戻る…という事は無かった。1か月後目覚めたヒョンスは金属加工のスキルがあることは同じだが、ジウォンが命がけで愛したヒスではなかった。人の感情を読んで自分に有利に利用する能力があった。
その後行われた裁判で、ヘスは正当防衛が認められ、事件当時未成年だったことも考慮され無罪判決を受けた。しかしすっかり変わってしまった自分に戸惑い苦しむジウォンを見たヒョンスは、彼女との別れを口にした。結婚指輪を付けたままヒョンスをひたすら待ち、自分の感情を過度に押しつけることなく、さらにはヒョンスの幸せを願い、葛藤の末に彼から離れる苦しい決断までしていたジウォン。
だが、ジウォンと別れたヒョンスが、自分探しのためにスタート地点に立ったのはジウォンとの思い出の場所で、最後に共に暮らしていた家を無意識に選んでいた。
愛が分からない、感じる事も出来ないと言っていたヒョンスだが、彼の心の中にはジウォンとウナへの愛は間違いなく育っていた。それは環境や父親に植え付けられた闇が深すぎたためで、それに気づく術を知らなかっただけではないだろうか。
ジウォンと出会った時、ヒョンスは彼女の事をメモしていたが、彼女の好み、小さな表情の変化など、彼女を利用するだけのためとは到底思えない。
ジウォンと一緒にいるときだけ父の亡霊という幻覚から解放される描写も、無意識的にヒョンスがジウォンに希望、そして愛情を感じていたことを表していたのではないだろうか。
何よりドラマ終盤、何とかしてジウォンを危険から遠ざけようとしていた姿、身を挺してジウォンを銃弾から守った姿は、とても愛を知らないサイコパスには思えない、愛に溢れていた。
ただひたすらに結婚指輪を付けたままヒョンスを待ち、自分の感情を過度に押しつけることなく、ヒョンスの幸せを願い、葛藤の末に彼から離れる苦しい決断までしていたジウォン。
そんなジウォンに対する感情が分からなくなっていたヒョンスが、自分の中に眠る彼女への愛を確信するきっかけとなったのが工房「明星のとどまる空間」だった。この場所はヒソンとして生きた過去のヒョンスからの、思いがけない愛の置き土産のようにも感じられる。
また、ヒョンスには、ウナという小さいけれど、大きな光があった。父親が大好きで、幼いながらにいつでもヒョンスに多大なる愛を届けていたウナ。記憶を失ったにもかかわらず、無意識に買っては、冷蔵庫にしまい込んでいたウナの好物・エッグタルト。無意識にその人を思い、喜ばせたいと思う心こそが愛…。
だが、ヒョンスに愛を教えたのはジウォンとウナだけではない。ヘスからは姉弟愛、ムジン(ソ・ヒョヌ)からは友情、ジェソプ(チェ・ヨンジュン)ら刑事たちからは信頼まで得た。いろんな愛を受けたヒョンスにこれからどんな幸福な生活が待っているのか、夫婦のその後か見てみたい。
ドラマのタイトルは「悪の花」だが、終盤のヒョンスを取り巻く人間関係は、1人1人が彼を中心に花弁となった“愛の花”のように感じられた。
イ・ジュンギ、ムン・チェウォンのそれぞれの繊細な感情の演技が光る「悪の花」。
シリアスな展開が多いが、子役 チョン・ソヨンの愛嬌満点の演技には癒され、クスリと笑える展開や、何より他では見ることの出来ない悲しくも美しい愛情の物語は、多くの人に見てほしい逸作だ。
本作は2023年1月、Netflixでも配信中で、連日TOP10入りを果たしている。
■キャスト
パク・ヒソン役:イ・ジュンギ
チャ・ジウォン役: ムン・チェウォン
ト・ヘス役:チャン・ヒジン
キム・ムジン役:ソ・ヒョヌ
■スタッフ
演出:キム・チョルギュ
脚本:ユ・ジョンフイ
◇BS12「悪の花」番組サイト
2022年10月28日-2023年1月13日 金曜16:00-18:00 2話連続放送 無料BS初放送
◇Youtube日本版予告動画
【作品詳細】【「悪の花」を2倍楽しむ】