韓国ドラマ「ジンクスの恋人」はナ・イヌへのご褒美ドラマ?あの人気時代劇2作との意外な共通点

09月18日10時10分ドラマ
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韓国ドラマ『ジンクスの恋人』は、不運に見舞われた青年スグァン(ナ・イヌ)と、彼の運命を変える謎の女性スルビ(ソヒョン/少女時代)が織りなすファンタジーロマンスだ。しかし、視聴していると、思わず思い出すのはナ・イヌが出演した2作の時代劇との意外な共通点だ。このドラマを通して、ナ・イヌの躍進ぶりが一層明らかになる。



本作は人気ウェブ漫画の実写作品で、脚本を『がんばれ!チョルス』チャン・ユンミが手掛け、「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」(以下、「王女ピョンガン」)のユン・サンホ監督とスタッフが担当。主人公スグァンを演じるナ・イヌは、同じくユン・サンホ監督の「王女ピョンガン」で主役のオン・ダル役を務め、その演技が評価され、一気に注目を浴びた。急遽代役での出演にもかかわらず、見事な演技を見せ、KBS演技大賞新人賞を獲得。今回のキャスティングは、彼への「ご褒美」とも言えるものだろう(主役交代については作品紹介で解説)。

「ジンクスの恋人」は、韓国版『ラプンツェル』とも呼ばれ、塔の中に閉じ込められていたヒロイン・スルビが、自由を求めて外の世界へ飛び出すという物語。ソヒョン演じるスルビは、ナ・イヌ演じるスグァンと出会い、運命を超えたラブストーリーを展開する。ソヒョンの自然体な演技が、物語に一層の魅力を加えている。

未視聴の方は、以下の予告動画を見れば雰囲気がつかみやすい。
YouTube予告動画

■「ジンクスの恋人」あらすじ
手に触れた人の未来を見る特殊な力を持つスルビ(ソヒョン)は、予言で大企業「クムハグループ」を財閥に成長させた母親同様、ホテルの秘密の部屋に隔離されていた。スルビは普通の少女に戻るために運命の人の愛を手に入れようとホテルを抜け出す。バスの中でスグァン(ナ・イヌ)と出会い、彼を“王子様”と呼んでついていく。スグァンは迷惑がりながらも仕方なくスルビを自宅に連れ帰る。スルビは彼の母親が用意してくれた平凡な食卓に感動し、スグァンと一緒に訪れた遊園地や夜の街を歩き、夢のような一日を過ごす。その後、スグァンはスルビを無事にホテルに届けるが、それ以降不運に見舞われてしまう。

ジンクス「ジンクスの恋人」
再び秘密の部屋に閉じ込められたスルビは2年後、“王子様”に会うためにまたホテルを脱出する。ところが市場で魚屋を営む彼はスルビのことを憶えておらず、災難続きの人生を送っていた。そんな彼のために幸運の女神になろうとするスルビだが、世情に疎い彼女は次々と問題を起こしスグァンも巻き込まれてしまう。それでも生来の賢さと明るさ、そして予知能力で市場の人に幸運をもたらすスルビは市場の人々とも親しくなる。そして迷惑顔だったスグァンもスルビに心を開き、2人は愛し合うようになるが…。

■「ジンクスの恋人」は「王女ピョンガン 月が浮かぶ橋」の現代版?
あらすじを読めば、本作が前述した韓国版『ラプンツェル』のようだと納得できるだろう。亜麻色の長い髪のソヒョンが演じたスルビは、高い塔に閉じ込められたラプンツェルそのもの。だが、韓国ドラマファンなら「王女ピョンガン」を思い出した方も多いのでは?

「王女ピョンガン」の舞台は6世紀半ばの高句麗で、ヒロインのピョンガン王女は、聡明で正義感が強く、将来は父の跡を継いで君主になり国を守るという夢を持っていた。だが、陰謀により母親が殺害され、自身も記憶を失い刺客として育てられる。そんな彼女が山中でオン・ダルに助けられ彼の村で暮らすことになり、やがて愛し合う。

オンダル「王女ピョンガン」より ナ・イヌスルビは特殊な力を持ち、その力でスグァンを救おうと奮闘する。しかし、彼らの周りには次々と問題が降りかかり、二人が困難を乗り越えていく過程は、視聴者の心を温める。本作の中でナ・イヌが見せる姿には、過去に出演した時代劇との既視感がある。

まず浮かぶのが「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」だ。ここでもナ・イヌは、特別な存在のヒロインを守るために奮闘するキャラクターを演じた。スグァンとオン・ダルの間には、「愛する人を守る」という共通のテーマがある。ナ・イヌが再び守り抜こうとする姿に、視聴者は強い既視感を抱くことだろう。

「王女ピョンガン」より ©2021 Victory Contents Co., Ltd. All rights reserved「王女ピョンガン」より ©2021 Victory Contents Co., Ltd. All rights reserved
左から:コ・ゴン、チェ・ユファ、キム・ヒジョン

さらにそれを際立たせるのがキャスティングだ。主人公のナ・イヌ以外にも、「王女ピョンガン」でコ・ゴンを演じたイ・ジフン、ヘ・モヨン役のチェ・ユファ、タラ・ジン役のキム・ヒジョンらが特別出演している。

王女ピョンガン「王女ピョンガン」より ©2021 Victory Contents Co., Ltd. All rights reserved
左から:キム・ドンヨン、ファン・ヨンヒ、チョン・ウク、チャ・グァンス、チョン・インギョム

また、「王女ピョンガン」で共演した俳優イ・ジフンやチェ・ユファ、キム・ヒジョンが「ジンクスの恋人」にも特別出演しており、これがさらに2作品のリンクを強めている。視聴者は、こうしたキャスティングの遊び心にも気づくだろう。

「風と雲と雨」より「風と雲と雨」より © 2020 TV Chosun
左から:チョン・グァンリョル、チョン・ウク
さらに、もう一つの既視感として浮かぶのが、ナ・イヌが出演したもう一つの時代劇「風と雲と雨」だ。この作品では、チョン・グァンリョルが予知能力を持つヒロインを閉じ込める役を演じていたが、「ジンクスの恋人」でも同様のテーマが展開される。ヒロインが閉じ込められ、そこから自由を求めて外に飛び出す設定が共通しており、視聴者に二作品を思い起こさせる。さらに、両作の監督がユン・サンホである点も、演出やキャラクターの描写に共通点を持たせている要因だ。

「哲仁王后」でも存在感を示したナ・イヌは、ナ・イヌは「王女ピョンガン」での演技力で注目を浴び、今作「ジンクスの恋人」でさらなる躍進を遂げた。彼が持つ魅力は、愛する人を守る男らしさと、繊細で優しい一面の両方を兼ね備えたキャラクターにぴったりだ。そんな彼は本作の後、初の刑事役を演じた「ずっと あなたを待っていました」や、Prime Videoで配信し世界的な大ヒットとなった「私の夫と結婚して」の主演で大ブレイクしている。

「ジンクスの恋人」は、ファンタジーロマンスとしての魅力だけでなく、過去の作品との意外な共通点を楽しむことができる。ナ・イヌの成長を見届けながら、過去の時代劇2作と照らし合わせて視聴するのも一興だ。

なお、ソヒョンは本作の後、Netflixシリーズ「剣の詩」でヒロインを務め、KBS2で2025年放送予定の「남주의 첫날밤을 가져버렸다(男主人公の恋のライバルは私!?)」への主演も決定している。

「ジンクスの恋人」は20249月20日よりWOWOWにて放送される詳細)。

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■スタッフ
演出:ユン・サンホ
脚本:チャン・ユンミ
原作:ハン・ジヘ、ク・スル
原題:징크스의 연인(ジンクスエ ヨニン)

■キャスト
イ・スルビ役:ソヒョン
コン・スグァン役:ナ・イヌ
ソン・サムジュン役:チョン・グァンリョル
ミス役:ユン・ジへ
ソン・ミンジュン役:キ・ドフン
スグァン母役:ユン・ユソン
ホン・ソッキ役:ホン・ソクチョン
パン女史役:ファン・ヨンヒ
ユン・イヨン役:ファン・ソクジョン
パク・ソンドク役:ウ・ヒョン
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