【初日舞台挨拶レポート】チョン・イル、『高速道路家族』の結末は皆さんが判断して…。最近、衝撃を受けた出来事を告白

2023年04月22日00時50分映画
写真:©navicon

韓国映画『高速道路家族』初日舞台挨拶イベントが4月21日(金)シネマート新宿にて開催された。この日のチョン・イルはブラックで統一したファッション!すでに鑑賞済のファンも多いようで、演じたギウとのギャップが際立つ生チョン・イルのカッコよさに観客はうっとり!ドラマの見どころや、観客からの5つの質問に答えてくれた。イベントを取材したので再現レポートでお届け、映画予告動画などは公式サイトで公開中だ。



映画『高速道路家族』初日舞台挨拶 概要
日時:4月21日(金)
場所:シネマート新宿
登壇者:チョン・イル、イ・サンムン監督
MC:古家正亨

※赤文字はその場の雰囲気など

高速道路家族写真:©naviconまずはチョン・イルから「皆さん、こんばんは。映画高速道路家族で、ギウ役を演じたチョン・イルです。」と日本語でご挨拶。(流ちょうな日本語でご挨拶。でも途中、緊張したのかメモを取り出してちょっぴりカンニング。)「私が今回、映画でこうして日本に来ることができてとても感激しています。皆さんはまだ映画をご覧になる前ですが、少し期待してもいいのかと思います。」と作品の仕上がりに自信をのぞかせた。

高速道路家族写真:©navicon続けて監督が「映画『高速道路家族』の監督を務めたイ・ソンムンです。この映画はご覧になると少し胸が痛むかと思う作品です。申し訳ないなと思うとともに、こうして足を運んでくださってありがとうございます。この映画を見て皆さんが今暮らしている人のこと、周りのことをもう一度考え直す時間を持っていただければ嬉しいなと思っております。ありがとうござます。」とコメント。

MCからオファーを受けた一番の決め手を聞かれると、「7年ぶりの映画復帰に当たって、ありふれたキャラクターでない役を演じられるといいなと思っていました。そんなときにこの“贈り物”のような『高速道路家族』と出会ったんです。私が演じたギウというキャラクターは、きっと私でなくても他の俳優さんだれもが演じてみたいと思うようなそんな役だと思います。感情の幅がとてもダイナミックであり、また、私が今まで見せたことのない姿を見せられるだろうと思ったので」とオファーを受けた理由を語った。

高速道路家族写真:©navicon続いて、俳優チョン・イルの魅力を聞かれた監督は、「この映画をご覧になれば2時間後には私の意見に同意されるでしょうが、チョン・イルさんは精神的にも肉体的にも渾身の力でこの役に取り組んでくださいました。それを観るだけでもこの映画を見ていただく意味があると信じてやみません。2時間の間、ぜひチョン・イルさんの演技を楽しんでください。」と、チョン・イルのファンに向けてアピール。

映画を観て「本当の幸せって何だろうというのを考えさせられた」と感じたというMCから、この映画を通じて幸せというものをどのように感じたか、と聞かれると、チョン・イルは「実は、若いころは人から自分がどう見えているのか、人からの自分の評価がどうなのかというところに幸せを見出しておりました。でも今は、自分自身を愛し、自分自身を振り返ることが大切だと感じております。全く知らない人と時間を過ごすよりもまず自分自身の時間を持って、自分自身に近づいていくというところに自分の楽しみを見出し幸せを感じるようになりました。」と自身の変化を口にし、「まだ、映画をご覧になる前なので多くのことを語ることはできませんが、本作は家族の意味について改めて考えることのできる、それ以外にも多くのメッセージが含まれた映画になっています。皆さんもきっと共感できるところがたくさんある映画だと思いますので、期待してください。」と語った。

高速道路家族写真:©navicon日本でも話題になった衝撃のラストに寄せて、最近チョン・イルが衝撃を受けた出来事について聞かれると、「プライベートな話ですが、最近ゴルフをしたところスコアが最悪の点数で、それに大きな衝撃を受けました。」と苦笑い。

ここらかは観客5人を迎えて映画に関する質問を受け付けることに。チョン・イルが選んだのは次の5人。

高速道路家族写真:©navicon●映画のポスターを掲げている方。
●監督も選んで下さい。監督「イルオッパ、と掲げている方」
●両手を上げている方。
●イルと上げているかた。
●最後になんて書いているんでしょう?
(コメントが意味不明だった様子で、通訳に確認)

そして「鑑賞前なので映画について深くお話はできませんが、答えられる範囲でお答えします。私だけでなく、監督にも質問があればどうぞ。」と説明。

Q1:これまではイケメンな役が多かったですが、今回の役で大変だったところは?
チョン・イル(以下、イル):多くの方から受けた質問です。私は、俳優は現状に甘んじず、絶えず変化し続けていくべきと考えています。そうした意味でも今まで皆さんが持っているだろうイメージを脱皮したいなと思っていました。そうした意味もあってこのギウ役を選びました。このキャラクターは本当に感情の起伏が激しく、心に大きな痛みを抱えたキャラクターです。演じるのも難しくもありましたが、いつも監督が傍で助けてくださいました。

Q2:この映画の役はプレゼントをもらったと話していましたが、演じる前と後では、目標は変わりましたか?
イル:この映画で演じる前と後、韓国で封切りされた後には、いろんな人から「チョン・イルはこんな演技もできるんだ」という評価をしてくださり、とてもうれしかったです。私は俳優として当初からも目標は変わっていません。まずは、柔軟性があり、演技がうまい、そして皆さんにいい影響力を与えられる俳優でありたいというのが目標です。

Q3:先ほどの回を見せていただいて、チョン・イルさんのホームレスっぷりが凄くて、臭いまでしそうで(笑)、髪を洗っているのかと…。汚し方を教えてください。
高速道路家族写真:©naviconイル:私が着た服は監督が自ら買ってきてくれたものです。ギウが履いていた靴(スニーカーは私が20年以上前から持っていた古い靴をそのまま履きました。サービスエリアが多く撮影が行われましたが、カメラが回っていないときもホームレスの格好のまま座ったり食べたりしたんですが、だれにも気づかれませんでした。だからこれは成功だと思いました。

Q4:新境地をたくさん見せていただきましたが、ギウを演じるうえで一番大切にしたのは?(質問者、前の回で鑑賞済)
イル:監督とも多くの話をしました。ギウにとっては家族が全て。家族が彼の生きる理由。いろんなことを経験してうえで社会に対して門戸を閉ざし、その中で頼れるのは家族だけでした。その点に関しては監督にもお考えを聞いてみたいと思います。(チョン・イルに質問が集中する中、さりげなく監督にふる気配りの人)
監督:ギウというキャラクターは、チョン・イルさんとたくさん話をしてキャラクターを作り上げていきました。ギウを通して世の中を皆さんに今一度見直してほしいなと思いました。韓国においてもセーフティーネットというものがありますが、そこからも滑り落ちてしまった人たちがいる。資本主義の社会の中で適応できない人たちがたくさんいます。そうした人たちはたくさんの怖さを抱え、それが極限に達しているのはギウという人物。だから常に何かから逃げている。世の中から遠ざかろうとしている。そんな姿が描かれている。ギウを通して皆さんの周りの人たち、世の中について考えていただければ嬉しいです。

Q5:かわいい子供たちとどのように仲良くしましたか?
イル:子供たちと仲良くするにはまずは子どもたちの視線で見て行動する、そして彼らの話を聞いてあげるという準備が大切。でも、一番簡単に仲良くなるには、子供たちのおやつを食べてもらうことかな(笑)。現場でも監督が傍で子供たちと僕が仲良く過ごせるように手助けをたくさんしてくれました。現場で子供たちをたくさん遊んで、視線を合わせて触れ合うようにしていました。

高速道路家族写真:©navicon全ての質問を受けた後、感謝の気持ちを込めてチョン・イルから5人の方にハンカチのプレゼント。「なぜハンカチなのかは映画を観ればその理由が分かるかと思います。」と一言。(壇上から降りる質問者たちを気遣い、「気を付けてください」と日本語で注意を促す優しさも。)

高速道路家族写真:©naviconここでチョン・イルから、「実は今回は監督は登壇の予定はなかったんですが、監督が自費で日本にきてくださり、この場に立ってくださいました。本当にありがとうございます。(大拍手)本当に贈り物のような作品を提案してくださったことにも感謝申し上げます。(拍手)」と、監督への感謝の言葉が送られた。

最後に監督は「この映画が日本の観客の皆さまで上映の日を迎えることができて、とても光栄です。今日は足を運んでいただき本当にありがとうございました。」と語り、チョン・イルは、「こうして日本で私が出演した映画が公開できるようご尽力いただいた関係各位、ファンの皆様に心から感謝します。この映画は家族の意味をもう一度考えさせてくれる、そんな映画です。それ以外にもたくさんのメッセージが含まれています。そして映画の結末はご覧になった皆さんが判断していただければ。私は今、きちんとした格好をしていますが、鑑賞後はギウの姿の方がよく似合うなと思うかもしれませんね。(笑)楽しんで映画を見て、またたくさんの口コミもお願いします。」そして日本語で「皆さん、本当にありがとうございます。」とファンへの感謝の言葉でイベントを締めくくった。

高速道路家族写真:©navicon

高速道路写真:©navicon

高速道路写真:©naviconこの後、フォトセッションに入ったが、ポスターの向きを変える際、イーゼルに乗せたポスターが落ちそうになるというアクシデントがあったが、とっさにそのポスターをチョン・イル自身が手に持ってカメラマンたちにポージングしてくれるという特別サービスも!

高速道路家族写真:©navicon 表情豊かなチョン・イルこの日、MCを務めた古家はチョン・イルとはファンミーティングなどでこれまで10回ほど仕事をしたという。そんな古家がインタビューでチョン・イルの魅力を「同時に出会った人、皆を幸せにしてくれる、その人としての魅力に惹かれてやまないのです。」と語っていたが、まさに短い時間の中で、チョン・イルの魅力が詰まった舞台挨拶となった。(古家正亨が語るチョン・イルの魅力より)


『高速道路家族』
本作は、高速道路のサービスエリアで生きている家族が偶然出会った夫婦と予期せぬ事件を経験するパラサイティック・スリラー映画だ。第27回釜山国際映画祭では、「『パラサイト 半地下の家族』に次ぐ大傑作」「ユーモア、サスペンス、アクション...映画のすべてが詰まった衝撃作」と称され、韓国国内でも観客や批評家からの熱狂的な支持を受け、話題作としてスマッシュヒットを記録した。
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高速道路家族■作品情報
『高速道路家族』
監督・脚本:イ・サンムン
出演:チョン・イル、ラ・ミラン、キム・スルギ、ペク・ヒョンジン、ソ・イス、パク・ダオン
2022年/韓国/韓国語5.1ch/128分/英題:Highway Family/字幕翻訳:具美佳/G指定
配給:AMGエンタテインメント
2023年4月21日(金)シネマート新宿ほか全国順次公開
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公式サイト

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