「クイーンメーカー」第10-11話(最終回):新たな市長誕生直後に逮捕されたキム・ヒエの意図とは?

2023年05月08日01時00分ドラマ
Netflixシリーズ『クイーンメーカー』独占配信中

配信公開以来、韓国以外でも連日トップ10入りを果たしているNetflixオリジナル韓国ドラマ「クイーンメーカー」。前回はジェミン陣営に大切な家族を標的にされるも反撃を繰り出し、今回はいよいよ新たな市長が選ばれ物語の結末を迎える。気になる第10話−第11話(最終回)のあらすじと見どころを紹介しよう。

【Netflixシリーズ韓国ドラマ】【2023年配信ドラマ映画、他】



「クイーンメーカー」は、2大カリスマ女優のキム・ヒエとムン・ソリ共演の選挙ドラマ。イメージメイキングの鬼才にして大企業の戦略企画室を自由に動かしてきたファン・ドヒが、“正義のサイ”と呼ばれて雑草のように生きてきた人権弁護士のオ・ギョンスクをソウル市長にすべく、選挙戦に飛び込んで繰り広げる物語を描く。【「クイーンメーカー」を2倍楽しむ】では各話のネタバレあらすじと見どころ、視聴率、キャストなどまとめて紹介。

第10話あらすじ


選挙5日前。突如としてジェミン(リュ・スヨン)とジヨン(オク・ジャヨン)の不倫が報道され世間を騒がせる。ウンソングループに友好的だった記者が裏切り、ジェミンやカール(イ・ギョンヨン)は奇襲を受ける形となった。選挙は息子を利用されたかわいそうなギョンスク(ムン・ソリ)と、不倫男ジェミンの様相となり支持率は逆転。腹を立てたジェミンはジヨンを始末すると言い出す。

報道に憔悴していたジヨンは夜遅くジェミンの訪問に怯えるが、妊娠を知っても愛情を見せるジェミンに安心感を抱く。ある日記者に囲まれたジヨンの腹部を暴徒が押しのけ、子供を心配したジヨンは覚悟を決め、ジェミンから持ちかけられていた記者会見を開く事に同意。会見を開いた二人は不倫を否定し、金で雇った男を恋人として同伴させると、お腹の子供は恋人との間に授かったものだと弁明。しかし、時を見計らったようにドヒ(キム・ヒエ)は夜中に二人がジヨンの部屋で二人きりだった事を示す防犯カメラの写真を公開。記者会見でこれ以上取り繕う嘘が出て来ずにジヨンは失神し病院に搬送される。ドヒは世間に二人の関係を公表する事で、ジヨンが密かに始末されないよう保護していたのだ。

見舞いに来たジェミンに死んだイスル(ハン・チェギョン)の二の舞になるのが怖かったと吐露し、ジェミンも表面上の優しさを見せるが、ジヨンは密かに子供のDNA鑑定を依頼し、カールもその事に気づいていた。カールは世間の見ている中で彼女を葬ろうと戦略を立て始める。

暴落した支持率を取り戻す為に、自らが持つウンソングループの株の半分を市民に配分すると言い出したジェミンにソン会長(ソ・イスク)は大激怒。しかし免税店の不正が暴かれない為にはジェミンを市長にするしかない状況に二人の立場は逆転していた。そんな一部始終をドヒに密告していた長女ソジン(ユン・ジへ)。ドヒはジヨンの監視を命じる。

ドヒはウンソングループでの勤務時代に直接賄賂を渡した大物政治家や実業家の名前を記したメモを使って最後の攻撃をするよう指示を出すが、ギョンスクはドヒの身の危険を気にして消極的だった。ドヒは市長になって守って欲しいと彼女の背を押す。

DNA鑑定の結果が出たと連絡を受けたジヨンは病院を抜け出そうとするが、ジェミンの息のかかった看護師に麻酔を注入され眠らされてしまう。ジヨンの退院の付添をチェリョン(キム・セビョク)に頼んだジェミン。愛人の付添をさせられて不服な彼女に、ジヨン殺害を仄めかす。チェリョンが病院に向かったと聞いたドヒは慌ててドンジュ(キ・ドフン)を病院に向かわせる。

目を覚ましたジヨンにDNA鑑定書を渡すチェリョン。書類はジェミンによって既に改ざんされていた。チェリョンはジェミンが殺そうと企んでいる事を告げ、マスコミの前でもジヨンを擁護。すっかり信用したジヨンは用意された車に乗り込むが、豹変したチェリョンの態度を見て、自分がこのままどこかに連れて行かれて殺されると悟り、車を暴走させようとするが麻酔で眠らされてしまう。

イスルが死亡した日の防犯カメラをチェックしていたドヒらは、当時ジェミンも社内にいて、事件直後に現場が混乱する中、足早に会社を立ち去る映像を発見。

選挙に向けた最終討論の収録中に速報が流れるというカール。ドヒはジヨンが殺されるかもしれないとギョンスクに打ち明けた。

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第11話(最終回)あらすじ


ジヨンを守る為に討論を引き伸ばしてほしいと頼んだドヒ。ジヨンの乗った車を尾行していたドンジュも尾行に気づいていた一味のフェイクで車を見失ってしまうが、貯水池が多い場所である事をドヒに告げる。

その頃、討論番組ではドヒが最後の切り札にしようとしていた賄賂リストをジェミンが先に提示し、ギョンスク陣営による捏造で選挙法違反だと責める。リストはスパイを通じてジェミン陣営に漏れていたのだ。ギョンスクは捏造を否定し、免税店建設について100%市民からなる調査団を結成して透明な調査を実施してはどうかと持ちかけジェミンを黙らせる。しかし、そこにジヨンが遺書を書いて失踪したという速報が入る。ジヨンが既に自殺したかのように涙で芝居をするジェミンを批判するギョンスク。

ドヒは川原でジヨンを乗せた車を見つけるが、車内では練炭が焚かれ、ロックされていた。そして直後に手下に襲われてしまう。駆けつけたドンジュはジヨンを救出するとドヒに託し、自らは一味と戦って腹部を刺され、川に転落し救助されていた。

ジヨンの遺書騒動と共にドヒが彼女の家に訪問していた映像が公開され、抗議する市民がギョンスクの事務所まで詰めかけていた。この事態を救ったのはファス(キム・ソニョン)らかつてのデモ団体の仲間だった。思いがけず励まされたギョンスクは自らの動画チャンネルでジヨンの生存を祈り市民に訴えかけ始める。

最後の最後にジェミンが優勢を誇る中、目を覚まし、ドヒの言葉に改心したジヨンが動画に登場し、ジェミンとの不倫や妊娠を認め始め、ジェミンは言葉を失う。更に隠蔽の為に自殺に見せかけて殺されそうになったと明かし、ジェミンの支持率は地に落ちた。

ジヨンが密かに隠し持っていたイスルの携帯電話からジェミンに電話をかけるドヒ。イスルが眠る納骨堂に呼び出されたジェミンに謝罪を要求するが依然として悪びれた様子を見せない態度に怒りを通り越して高笑いをし始めるドヒ。同じ頃、ギョンスクはジヨンが隠し持っていたジェミンとイスルの最後の会話の録音を世間に公開。あの日、屋上で揉み合いになった末、イスルはジェミンに突き落とされ殺されていた。音声が公表された事を知ったジェミンはドヒを殺そうとするが、カールの正体を告げるドヒの言葉に我を失い泣き崩れる。

これまでにないスキャンダルに過去最高の投票率を記録した選挙でギョンスクは83%の支持で市長に当選。ジェミンは妻チェリョンからの電話にも出ずにやけ酒を飲んでいた。カールはソン会長に役不足を謝り、ジェミンを自殺に見せかけて殺し、企業へのダメージを最小限に食い止めると告げる。知らせを受けたチェリョンが部屋を訪れると、ジェミンは首吊り自殺に見せかけられて殺された後だった。

ギョンスクの市長当選が確定し会見が行わる中、ウンソングループからの不正な献金を指摘されるドヒ。罪を認め逮捕された彼女にショックを隠せないギョンスク。自らが逮捕される事で、ソン会長が海外に持っていた裏金口座へ捜査のメスを入れさせるのがドヒの狙いだった。黙っていた事を責めて涙するギョンスクには出会えた事が幸運だったと感謝し、これからも見守っているとエールを送った。

こうして市長となったギョンスクは不正が行われた免税店の90%を民間企業に譲渡するよう提案。ソン会長は2年の任期が終われば世間は元通りになると牽制するが、2ヶ月でドヒの意志を継いで会長を潰すと宣言。会長が負けを認めざるを得なくなった瞬間だった。こうしてウンソングループは財産の大半を市民に譲渡。活躍を拘置所内で満足そうに観ていたドヒが面会に呼び出される。そこにいたのは見覚えのない男(チョン・ジニョン)でドヒの助けが必要だと取引を持ちかけ始めるのだった…。

見どころ・感想


物語の最終章となる第10-11話では、ジェミンが絡む過去の犯罪の証拠が出揃い、ジェミンが破滅へと向かっていく様子が描かれた。最終章の中心となったのがオク・ジャヨン演じるジヨンだ。これまではジェミン陣営の有能な右腕としてかつての先輩ドヒと敵対してきた彼女の生死を巡って両陣営が争う事になる。彼女がジェミンらに殺されそうになるのをドヒが必死に救い出し、最後の最後はジェミン陣営にとどめを刺すギョンスク陣営の剣となった。

ストーリー上、ギョンスクが市長に当選するのは自然な流れだったが、直後に不正献金でドヒが逮捕されるという展開は視聴者の意表を突いた事だろう。「出会えた事が幸運だった」という彼女のセリフにあるように、この物語を振り返ると最初は氷のように冷たく淡々と仕事を遂行していたドヒの心が徐々に人間味を取り戻していく様子がよく見て取れるようになっていて、当選直後に壇上のギョンスクに満面の笑みでグーサインを送る場面ではそれが顕著に現れ印象的だ。

物語で最大の悪役だったジェミンが罪を償う事なくカールの命令で殺され、有能ぶりながらも結局失敗の連続だったカールが逃げるように姿を消すなどモヤモヤする部分も多いクライマックスとなったが、殺された夫への愛情を見せるチェリョン、血のつながらない妹への優しさを見せる長女ソジンなど、ウン一族の姉妹の人間らしい部分もさりげなく見受けれられるシーンが用意されたのはせめてもの救いだった。

そして、クライマックスではチョン・ジニョン扮する謎の男がドヒに協力を求める匂わせシーンで締めくくられ、視聴者に続編を期待させた。もしかすると上述のようなモヤモヤとした部分や、今回明確には描かれたなかったソン会長の末路が描かれた全くあたらしい「クイーンメーカー」が観られる日がやってくるのかもしれない。

選挙戦というカタいテーマながらも、愛憎や人情、心理戦、復讐など、ドラマファンを引きつける要素満載でハマる人続出の「クイーンメーカー」は、Netflixで一挙配信中だ。

■スタッフ
演出:オ・ジンソク
脚本:ムン・ジヨン
原題:퀸메이커(クイーンメーカー)
配信:2023年4月14日からNetflixで配信スタート

■キャスト
ファン・ドヒ役:キム・ヒエ
オ・ギョンスク役:ムン・ソリ
ペク・ジェミン役:リュ・スヨン
ソン会長:ソ・イスク
ソ・ミンジョン役:チン・ギョン
マ・ジュンソク役:キム・テフン
ウン・チェリョン役:キム・セビョク
ウン・ソジン役:ユン・ジへ
クク・ジヨン役:オク・ジャヨン
ユン・ドンジュ役:キ・ドフン

Netflix
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【作品詳細】【「クイーンメーカー」を2倍楽しむ】