「弱いヒーロー Class1」全8話最終ネタバレ考察:生々しい結末に続編への期待高まる
オンライン動画配信サービスHulu で5月27日(土)、全8話が一挙独占配信され話題の韓国ドラマ「弱いヒーロー Class1」。いじめっ子や犯罪組織に対抗し学園版「D.P.」とも評判になった本作では一体どんな出来事が描かれたのか。ネタバレを含め作品を考察してみよう。
●【「Hulu」で独占配信中の韓国ドラマ】
「弱いヒーロー Class1」は、天性の頭脳を持つが、学校内で執拗ないじめを受ける優等生ヨン・シウン(パク・ジフン)が、初めて友達になったスホ(チェ・ヒョヌク)、ボムソク(ホン・ギョン)と共に、数多くの暴力に対抗していく過程を描く、大人気 WEB マンガ原作の学園アクションドラマ。【「弱いヒーロー Class1」を2倍楽しむ】ではネタバレあらすじや、見どころ、メイキングンドまとめている。
ⓒContent Wavve Corp.■あらすじ
ビョクサン高校1の優等生シウン(パク・ジフン)に目をつけた不良学生ヨンビン(キム・スギョム)は転校生ボムソク(ホン・ギョン)を利用してシウンのテストを妨害。腹を立てたシウンはヨンビンに襲いかかるが、それを止めたのは運動神経抜群の同級生スホ(チェ・ヒョヌク)だった。
ヨンビンが麻酔用鎮痛剤を悪用した事が明るみになり、シウンは訴えられずに済むが、転校を余儀なくされたヨンビンは、犯罪組織に利用されている従兄スクテ(シン・スンホ)に復讐を依頼。呼び出され集団リンチを受けたシウンだが、ボムソクとスホの登場で見事にスクテら不良集団を撃退。周囲に壁を作っていたシウンは次第にスホの勢いに押されて友情に心を開き始める。
高校生にやられたスクテに腹を立てた犯罪組織ボスのギルス(ナ・チョル)はスクテを暴行し骨折させると、シウンらの前に現れ、法外な示談金を要求。父親の時計を売ってお金で穏便に解決しようとするボムソクに対して警察に通報して真っ向から対抗する姿勢のシウンとスホ。スホは自らおとりになりアジトに入り込むが、計画がバレてしまい、スホとボムソクはどこかに連れ去られてしまう。
廃遊園地に隠れたギルスは裏切ったスクテを呼び出すが、彼に同行したヨン(イ・ヨン)の機転で居場所を掴んだシウンは警察を連れてスホらを助けに向かい、スホとの共闘との末にギルスの検挙に成功。自らも警察で供述を求められるが、ボムソクの父(チョ・ハンチョル / 特別出演)が国会議員である事が判明。彼の口利きで大事にならずに済み、ヨンも犯罪組織から解放されシウンとの距離を縮め、シウンは遂にスホの前で笑顔を見せた。
ⓒContent Wavve Corp.問題を起こした事で父から暴行を受けたボムソクは密かにスホへの憧れを抱いていたが、三人の輪にヨンが加わった事で疎外感と嫉妬を感じ始め、更にカラオケ店で前の学校で自分をいじめていた同級生と鉢合わせしてしまう。ぎくしゃくしながらも心配して家までやってきたスホとシウンに自分は政治的イメージの為に迎え入れられた養子で、前の学校のいじめっ子から執拗に連絡が来る事を打ち明けた。いじめっ子をカラオケに呼び出して、二度と近づかないように仕向けたスホやシウンだが、興奮したボムソクは過剰に殴りかかろうとしてスホに止められてしまう。納得がいかないいじめっ子に追われたボムソクは偶然クラスの不良らの助けを得ていじめっ子を袋叩きに。
劣等感から強さに歪んだ執着を見せたボムソクはクラスの不良や転校したヨンビンらとつるみ始め、心配するシウンやスホらにも強気の姿勢を見せる。説得に応じないボムソクを遂に突き飛ばしたスホ。ボムソクは逆恨みからヨンビンと同じ高校に通う格闘技選手のウヨン(チャ・ウミン)にスホを倒すよう依頼。更にスホのバイクに細工をして、交通事故で怪我をさせてしまう。スホもまた細工をした犯人に気づいていた。スホの誕生日パーティーの準備をするシウンとヨン。ボムソクはヨンを拉致してスホを誘い出そうとするが現れたのはシウンだった。シウンはウヨンと戦う羽目になり重傷を負ってしまう。
ヨンの通報で警察が来て救急搬送されたシウンはボムソクを止めようと説得するが聞き入れてもらえず、スホに心配させない為に頑なに口を閉ざす。誕生日パーティーの最中に姿を消したっきり学校にも来ないシウンを心配したスホは、不良グループにバイクの弁償を要求し、真相を知りシウンの家を訪ねるが口を閉ざしたままのシウンを見て、気づいていないふりを貫き去っていく。ヨンからスホが真相を知っていると聞いたシウンは不安を募らせるが、その頃、スホはボムソクと会い、ウヨンと戦っていた。優勢だったスホは不良グループの卑怯な妨害で集団リンチに遭い、心肺停止状態に陥ってしまう。
ボムソクの父の力で集団リンチ事件は運動中の事故と片付けられてしまった。連絡がつかない事を心配しつつも期末試験を受けたシウンは直後にヨンからの連絡でスホが昏睡状態に陥った事実を知る。まずヨンビンに復讐したシウンは集団リンチの動画の存在を知り、続いてウヨンと対決。スホから教えてもらった戦術で見事ウヨンを倒す。留学をさせられる事になり父と共に登校したボムソク。授業中に現れたシウンはスホをリンチした同級生を次々に消火器で殴りつけ、ボムソクにも復讐しようとするが、「なぜあんな事をしたのかわからない」と涙を流しながら無抵抗のボムソクには手を出せず学校を立ち去る。
その後、ボムソクは留学し、ボムソクから仲違いの元凶と言われたヨンは姿を消した。事件を隠蔽する代わりに少年院行きを免れたシウンは唯一転校を受け入れてくれた学校で再び不良(ユ・スビン / 特別出演)に目をつけられ対立し始める。その頃、ウヨンを倒した高校生としてシウンに目をつけた人物がいた…。
ⓒContent Wavve Corp.■作品で描かれた強弱のヒエラルキーと連鎖
本作で描かれているのは「ヒーロー」というタイトルに期待できるような痛快な勧善懲悪ではない。登場する不良はもどかしいくらい卑怯で、より強い存在の前ではひたすら低姿勢に描かれ、現実における学校内のいじめの実情が生々しく描かれている。今回、原作から設定を追加されたボムソクはメインキャストながらも、決して自分より強い存在に屈する事がない主人公シウンやスホとは対照的に描かれ、中途半端な不良の心情を代弁する重要な役割を果たしている。
作中ではボムソクが前の学校でいじめられた原因について明確には言及されていない。もしくはいじめに原因も何もないというメッセージとも取れる。養父から虐待を受け、更にスホには友情以上の感情を抱いているような描写もあり、彼の家庭環境やいじめを受けた過去、スホへの感情や疎外感、嫉妬が彼を屈折した「強さ」に走らせた。権力者の親の庇護の下で、決して自分より強い相手には手を出さず、自分が優勢になった時にだけ暴力を振るう姿が最後まで続き、最後は自分が招いた事態に対して後悔の表情を浮かべながらも逃げるように留学に送られてしまい、モヤモヤ感は拭えない。
ⓒContent Wavve Corp.■続編に期待されるポイントはここだ!
タイトルに「Class 1」とあり、続編の有無に注目が高まっていたが、クライマックスではシウンが転校先で新たな不良とにらみ合うシーンで幕を閉じ、スタッフロールでメインキャストが紹介された直後に、新たな敵がシウンに目をつけ始めるシーンが挿入され「Class 2」への伏線と取る事も出来る。終盤ではシウンがスホを集団リンチした不良達に復讐を遂げたものの、スホは昏睡状態から目を覚ます事はなく、ヨンも責任感から姿を消し、どこかモヤッとした感じが拭えない結末だっただけに続編ではスホが目を覚ます場面やヨンとシウンの関係が進展するのかどうかについても描いてほしいというのが視聴者が楽しみにしているポイントだ。
弱いものいじめがいかに卑怯で理不尽なものの上に成り立ち連鎖しているか、どんな取り返しのつかない事が起こるか、そして結果として一度受けた傷は癒えても消える事はないというメッセージ性を含んだ本作でリアルな余韻を味わいながら続編への新情報を期待したい。
■スタッフ
演出:ユ・スミン『恋愛映画』『ハイヒールの男』『シルバーベール』/ハン・ジュニ 「D.P. -脱走兵追跡官-」
脚本:ユ・スミン『恋愛映画』『ハイヒールの男』『シルバーベール』
原題:약한 영웅 Class 1
■キャスト
ヨン・シウン役:パク・ジフン
アン・スホ役:チェ・ヒョヌク
オ・ボムソク役:ホン・ギョン
チョン・ソクテ役:シン・スンホ
ヨンイ役:イ・ヨン
チョン・ヨンビン役:キム・スギョム
キム・ギルス役:ナ・チョル
ほか
◇Hulu プレミア「弱いヒーロー Class1」作品ページ
【「弱いヒーロー Class1」を2倍楽しむ】