韓国ドラマ「悪鬼」第9−10話:悪鬼退治の新事実とエスカレートするキム・テリの憑依演技
SBSで金土に放送され、ディズニープラス スターでも独占配信中のキム・テリとオ・ジョンセ主演オカルト・ミステリー「悪鬼」。第9−10話では身近な人物が悪鬼の犠牲になり始め、サニョンの奇行がエスカレートする中、先人たちが悪鬼退治に失敗した理由や悪鬼の正体についての誤解が描かれた。気になるあらすじと見どころチェックしてみよう。(ネタバレあり)
●【「Disney Plus」で配信中の韓国ドラマ】
「悪鬼」は、悪鬼に取り憑かれた女ク・サニョンと、その悪鬼を見ることのできる男ヨム・へサンが、疑問の死を暴くオカルト・ミステリーだ。
●各話ネタバレあらすじ
■第9話あらすじ
ヘサン(オ・ジョンセ)の警告を無視して扉を開けてしまったムンチュン刑事(キム・ウォネ)はホンセ刑事(ホン・ギョン)が見ている目の前で、今更になって警告が正しかったことに気づきながらも窓から身を投げて帰らぬ人になってしまう。
ホンセは身寄りのないムンチュン刑事の葬儀で喪主を務めるが、目の前で起きたことを止められなかった責任や、直前に見たサニョン(キム・テリ)の姿をした悪鬼への復讐心で困惑していた。
幼い頃に母を失って以来、気にかけてくれていたムンチュン刑事の死にショックを受けたヘサンは、ホンセに全ては悪鬼の仕業だと説明。先輩を失った悲しみとサニョンが見せたおかしな行動を目の当たりにしたホンセは遂に悪鬼の存在を信じるようになりヘサンと共闘することに。
ヘサンとサニョン、各自悪鬼についての手がかりを探っていくうちに、ふたりはある大きな矛盾に気づき、自分たちや悪鬼を退治しようとして死んでいった先人たちの大きな過ちに気づく。悪鬼の正体は1958年に犠牲になった少女モクタンではなかったのだ…。
■第10話あらすじ
悪鬼の正体がモクタンではないことに気づいたサニョンのもとに母ギョンムン(パク・ジヨン)が訪ねてくる。拒絶するサニョンはふと父ガンモ(チン・ソンギュ / 特別出演)が悪鬼に取り憑かれながらも妻子を守ろうとしていたことに気づき、かつてガンモがチュンヒョンキャピタル副社長のチウォン(イ・ギュヒ)から悪鬼にまつわる資料を受け取っていたことを知る。そして彼女は父と同様に目の病気で視力を失う時間が増えていた。
ヘサンもまた祖母ビョンヒ(キム・ヘスク)に悪鬼の正体を問いただすが、ビョンヒは一向に真実を語ろうとしない。ホンセは捜査を進めるうちに、チュンヒョンキャピタルから多額の寄付を受けていた病院に行き着き、悪鬼の正体と思しき患者をビョンヒに提供していた事実を突き止める。
ヘサンと協力して残る2つの神体を探し始めたサニョン。悪鬼退治に必要な5つの神体を悪鬼自身が探し求めるという矛盾に疑問を抱くヘサン。4つ目の神体を見つけたサニョンは新たな悪鬼の記憶に触れ、再び豹変してしまう。
副社長チウォンを訪ねたヘサンはかつて交通事故に遭って病院に運ばれたウジン(キム・シンビ)が口封じのためにビョンヒに殺されたことを告げ、かつてヘサンの父ジェウ(イ・ジェウォン)が夜毎に奇怪な行動を起こし、悪鬼を退治しようとした結果、廃人のようになり命を落としていたことを聞かされる。
悪鬼を退治するためには5つの神体のほか、悪鬼の本当の名前が必要であり、どれかひとつでも間違っていれば退治しようとした者に大きな災いが降りかかることを知ったヘサン。これまで死んでいった父、母、ガンモ教授は悪鬼の正体がモクタンであると誤解していた為に退治に失敗していたのだ。
目を覚ましたサニョンは視力を失ったことをホンセに見抜かれ、悪鬼が必要だと打ち明けるが悪鬼が母ギョンムンを次の標的にしていると聞かされて、視力よりも悪鬼退治を優先し始める。退治するためには悪鬼の正体と思われるモクタンの姉の名前が必要だが、それを知るのはビョンヒだけだった。一年でたった一日、霊が姿を見せない「ムバンスの日」を利用しようとする一同。
「ムバンスの日」の前日、ビョンヒを訪れたサニョンは、ヘサンらが本当の名前を嗅ぎ回っていることを警告。ビョンヒはかつて悪霊を利用するだけ利用して退治しようとした夫にも偽りの名前を告げて殺し、悪鬼と共生してきたことを明かし、悪鬼に対してヒャンイと呼びかける…。
■見どころ
第9話はキム・ウォネ演じるムンチュン刑事が悪鬼に取り憑かれて自ら命を絶つという衝撃のシーンで幕を明け、ホンセが深い自責の念に駆られたが、これを機に科学的な側面から事件を追っていた彼が遂に悪鬼の存在を認め、ホンセと共闘し始める様子が描かれた。
これまで1958年にヘサンの家柄を豊かにするための呪術の生贄として犠牲になったモクタンが悪鬼の正体であるかのように描かれてきたが、第9話終盤ではモクタンが悪鬼ではないことが仄めかされ、次いで悪鬼退治の際に悪鬼の本当の名前が間違っていると災いを被ることが説明されたことで、これまで悪鬼退治をしようとしてきた人々がなぜ退治に失敗して返り討ちに遭ってしまった理由が明らかになった。
適度に財を成した後に悪鬼を退治しようとした祖父、最愛の妻を殺そうとする悪鬼に困惑していた父、息子ヘサンを悪鬼から守ろうとした母の死は、悪鬼がもたらす富を求め続けたビョンヒが、悪鬼の正体がモクタンだと偽ったことが原因だった。諸悪の根源が彼女であることは間違いなさそうだが、代々ヘサンの家柄に取り憑いていた悪鬼がなぜガンモやサニョンら別の家柄に乗り移ったのかはいまだに疑問が残る。作中でもある通り、なぜ悪鬼退治に必要な5つの神体を悪鬼自身が探し求めているのかも気になるところだ。
これまで悪鬼に憑依されるたびに不気味な微笑みを浮かべてきたキム・テリだが、今回4つ目の神体を見つけた直後の、目を見開いて口を開けたまま放心する表情は、彼女がこれまで見せてきた「世間一般のキム・テリ像」を180度覆し、彼女の演技力の高さに驚く。次第にエスカレートする彼女の憑依演技にも注目したい。
第11話の予告では悪鬼の魔の手がホンセや母ギョンムンにまで及ぶことが示唆され、サニョンの目の前で母ギョンムンが「逃げて」と叫びながら首を吊ろうとするシーンは衝撃的だ。果たしてサニョンは悪鬼から唯一の肉親である母を守ることができるのか。
背筋の凍るようなスリリングな展開で暑い夏にぴったりの「悪鬼」は6月23日にSBSにて放送を開始し、日本ではDisney+ (ディズニープラス)スターでも独占配信中だ。
■スタッフ
監督:イ・ジョンリム 「VIP」、キム・ジェホン「花たちの戦い -宮廷残酷史-」
脚本:キム・ウニ 「キングダム」「シグナル」
■キャスト
ク・サニョン役:キム・テリ
ヨム・へサン役:オ・ジョンセ
イ・ホンセ役:ホン・ギョン
ほか
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