綾野剛、柄本佑の声が芳醇で、とてもうっとりました…映画『花腐し』完成披露舞台挨拶レポート

2023年10月02日11時52分映画

11月10日(⾦)より全国公開する映画『花腐し』の完成披露舞台挨拶が行われ、綾野剛、柄本佑、さとうほなみら豪華キャストと荒井晴彦監督がそろって⼤ヒットを祈願した。レポートが到着したのでご紹介、YouTubeにて予告動画が公開中だ。

映画『花腐し』 完成披露舞台挨拶<イベント概要>
【⽇時】 10 ⽉1⽇(⽇)20:00〜20:30 舞台挨拶(※上映前)
【場所】 テアトル新宿(新宿区新宿 3-14-20 新宿テアトルビル B1F)
【登壇者】綾野剛、柄本佑、さとうほなみ、荒井晴彦監督



チケットは発売早々に完売、この冬の大注目作でもある本作。
花そんな熱気あふれる劇場に登壇した綾野は「皆さんに届けたい映画が出来上がりました。短い時間ですけど、ぜひ楽しんで帰ってください」と感慨深く挨拶。つづく柄本も「今⽇、ここに向かってくる途中でちょっと⾬が降り始めました。皆さんがこの映画を⾒終わって外に出た時に、⾬なのか・・と思ったら⾮常にうらやましい気がします。皆さん恵まれていると思います」と⾬が印象的な本作についてコメント。その⾔葉を聞いたさとうが「わたしも⾬の話をしようと。思ったのに取られちゃいました!でも皆さんに楽しんでいただければ」と笑顔で語ると、最後に荒井監督が⼥性客の多い客席を⾒渡しながら「横にいる 3 ⼈と、スタッフのおかげで⾃分の好きな映画をつくることができました」と呼びかけた。

本作は8月末に⼤分県で⾏われた湯布院映画祭で初お披露⽬。こちらの映画祭は映画上映後に映画⼈と観客が⼀堂に会して1時間以上にわたって、ざっくばらんに感想を話し合う「シンポジウム」が名物となっているが、時には議論が⽩熱しすぎて、⾟⼝のコメントが⾶び交うこともあるのが特⾊だ。

花そうした熱のこもった議論の応酬が繰り広げられる映画祭に参加したさとうは「本当に独特な映画祭で。⾯⽩い映画祭でした。今日も皆さんと⼀緒にシンポジウムをやりましょうか︖ と⾔いたいくらいの気持ちですが、皆さんに観ていただくのは本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と述べる。本映画祭常連で、今年も参加していた柄本が「今回はけっこう好意的な感想が多かったですけど、時には⾟らつな意⾒も⾶び出したりすることもあるんで、けっこう緊張するんですよ」と続けると、綾野は「いいなぁ。参加したかったなぁ」とうらやましそうな表情をすることしきり。さらにシンポジウムでも遠慮のない意⾒が⾶び出したと聞いて、「シビれますね。対話が⽣まれるのはいいですね」と楽しげに話を聞いていた綾野だった。

脚本家として、⽇本映画史に残る数々の傑作を⼿掛けた荒井監督の脚本は、俳優陣を魅了したという。まずは綾野が「脚本の段階で完成されていたので。『これを実写化するのか』という畏怖⼼みたいなものがあったんですけど、でもこれぞ脚本というものに久々に出会ってしまったという思い。それ以上に荒井組として映画の中に⾶び込みたいという思い。そして(柄本)佑くんと(さとう)ほなみさんと⼀緒にその時間を過ごしたいという思いの⽅が勝って。思い切って⾶び込んだんですけど、とにかく楽しかったですね」と充実した表情。そして「僕も⾯⽩いなと思いました」と続けた柄本は、「詳しくはネタバレになっちゃうんで、あまり⾔えないんですけど、(脚本を読んで)荒井さんが“いよいよそこにいくのか“と思って、本当にワクワクしたんです。そんな作品に参加できて⾮常に光栄です」と晴れやかな表情を⾒せた。

今回の役をオーディションで得たというさとうも「オーディションの時にいただいた脚本は⼆つのシーンだけだったんですけど、そこを読んだだけでもすごく印象深いシーンで。そこだけで『花腐し』のすべてというわけではないけど、⼤事なところがかなり詰まっているところでした。その時点で⼼をつかまれた感じはありましたね」と述懐。

花綾野と柄本は、これまで何度か共演経験があるものの、しっかりと共演したのは今回が初になるという。「ここまでしっかりとご⼀緒するのははじめてだったんで。本読みの段階で、(柄本の)セリフの初速の速さというか。迷わずポンと出てくる感じにけっこう圧倒されて『まずいな』という感じがあったんです」と正直な思いを吐露した綾野。その後、撮影を⼀緒に進めるうちに「それはほなみさんもそうなんですけど、何回も⼀緒にやっているような⾃然な関係になれたのはとても⼤きかったですね」といい、「(柄本は)声が芳醇(ほうじゅん)で、とてもうっとりました」としみじみ付け加えた。

しかし⼀⽅の柄本も、実は綾野に対しての焦りがあったと告⽩する。「僕も本読みの時に、荒井さんのセリフと、綾野さんの親和性の⾼さにビックリしたんです。本読みが終わった時に『ヤバい︕』と思ったんですよ。荒井さんのセリフにフィットしている綾野さんの声にけっこう焦った記憶がありますね」と明かしつつも、「でもお芝居が始まると、なんだか初めてとは思えないくらいすんなりとやり取りが始まった感じでしたね」と振り返る。そしてそこにたたみかけるように綾野が「実はこれも今⽇発覚したんですけど、⼆⼈とも 2003 年デビューで(芸能⽣活)20 年だったという。すごいですよね」と付け加え、⼆⼈で笑い合った。

本作のタイトルに引⽤された万葉集の和歌<花腐し>とは、きれいに咲いた卯⽊(うつぎ)の花をも腐らせてしまう、じっとりと降りしきる⾬を表現しているが、劇中ではそのタイトル通り⾬のシーンが印象的に登場する。

そのシーンを振り返った綾野が「ずぶぬれでしたね。やはり映像に映るためには(⼤量の)⾬が必要なので、ずぶぬれでした」と笑ってみせると、柄本も「わりと⾬のシーンって、カメラの⼿前の⼈物だけに⾬を降らせていたりするんで、よく⾒ると奥の⽅は晴れているとか、奥の⽅は地⾯がぬれてないなと感じることもあるんですけど、本作はそういうあら探しをしても⾒つからないです」と太⿎判。さらに綾野が「50 メートル先まで⾬を降らせてたんで、感動しちゃいましたね」としみじみ語ると、柄本も「しかもモノクロなので、普段の1.5 倍くらい降らさないと画⾯に映らない。だから画⾯に⾒えているよりもわれわれはもっと降っていますよね。でもああいうのっていいですよね。⾬を降らせる側も楽しいでしょうし」とコメント。綾野も「まさに職⼈技ですね」としみじみ付け加えた。

そんな舞台あいさつもいよいよ終盤。最後のコメントを求められた荒井監督が「もし観て良いと思ったら宣伝してください、そうすると、もう 1 本撮れるかもしれないんで」と呼びかけると、さとうも「本当にお伝えできることは感謝ということですね。とにかく観て楽しんでください」とコメント。

映画さらに柄本が「決して皆さまがガッカリするような出来ではございません。大満⾜していだける出来だと確信しておりますので……。皆さんは共犯者ですからね。われわれと一緒に『花腐し』を盛り上げてくれたら幸いです」と続けると、最後に綾野が「大切に、かつ大胆に、この作品を脚⾊しながら、映像化しました。そして今⽇、今から皆さんに観ていただくというのがこの映画の始まりだと思いますし、皆さんが観ていただく中で感じられた感情こそが、この映画を本当の完成に導くと思っています。ぜひ楽しんでいただけたら。またお会いしましょう︕」とこれから映画を観る観客に向けてメッセージを送った

「花腐し」予告編(11月10日(金)全国公開)

出演:綾野 剛 柄本 佑 さとうほなみ
吉岡睦雄、川瀬陽太、MINAMO、Nia、マキタスポーツ、⼭崎ハコ、⾚座美代⼦/奥⽥瑛⼆
監督:荒井晴彦 原作:松浦寿輝『花腐し』(講談社⽂庫) 脚本:荒井晴彦 中野太

製作:東映ビデオ、バップ、アークエンタテインメント 制作プロダクション:アークエンタテインメント 配給:東映ビデオ
2023年/⽇本/137分/5.1ch/ビスタ/モノクロ・カラー/デジタル R18+ ©2023「花腐し」製作委員会

公式HP
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