韓国ドラマ「朝鮮弁護士」第15話・第16話(最終回):復讐に始まり、夢で終わったリーガル史劇の結末に満足

2023年10月15日15時00分ドラマ
©2023MBC

KNTVにて日本初放送の「朝鮮弁護士」(原題)は、ウ・ドファン主演の法廷ロマンス時代劇。第15話「婚礼の約束」と第16話(最終回)「私の願いは」のあらすじと見どころを紹介、KNTV番組サイトで予告動画が公開中だ。(ネタバレ)

※10月20日(金)より毎週(月~金)後6:45~8:00に一挙放送する。

「朝鮮弁護士」(原題)は、朝鮮時代を舞台に、亡き両親の復讐を誓いながら民を助ける破天荒な弁護人カン・ハンスの恋と成長を描く法廷リベンジ・ロマンス時代劇だ。



【「朝鮮弁護士」を2倍楽しむ】では、時代背景やキャストの紹介、放送にあわせて各話のあらすじと見どころ、豆知識など紹介していく。

■キャスト押さえておくべきキャスト8名を画像付きで紹介
カン・ハンス役:ウ・ドファン
イ・ヨンジュ役:キム・ジヨン
ユ・ジソン役:チャ・ハギョン
ユ・ジュセ役:チョン・ホジン
イ・バン役:イ・テゴム
ウンス役:ハン・ソウン
 ほか

■第15話「婚礼の約束」あらすじ
妹ウンスの自死を受け止められないハンスは、酔って両親の死を思い出す。父が無念の死を遂げたとき、母を責めてしまったことを悔やみ、命を断とうとするハンスをドンチが止める。

ジソンもまたウンスを思い涙していた。一方、ヨンジュは王や大臣が総出となる婚礼の場を院相ユ・ジェセの裁きの場としようと考え、「徹底的に利用させてほしい」とジソンに改めて求婚する。するとジソンは「これからは私が公主を利用します。これは私の復讐です」と答える。

ウンスが宝箱に入れたカン律官の上訴文を見つけたドンチはハンスに読ませようとするが、酒浸りの彼は見向きもしない。ヨンジュはドンチを使ってハンスをソウォン閣に来るよう仕向ける。「会いたかった。心配だった」とハンスの胸に飛び込むヨンジュ。

ジソンに気づいたハンスは彼に殴りかかる。「何度でも殴れ。そうすれば私が生きられる。ウンスは私にとっても大事な人だった」と謝るジソン。3人はウンスの祭祀を行い、ジソンは泣き崩れる。ヨンジュは「私がハンスさんをとても好きだと、ウンスさんは分かったので安心して逝ったはず」と教え、彼の両親の位牌にもハンスのそばには自分がいると報告する。

ハンスは婚姻計画に呆れながらも協力する。まずはチョ商団のチョルスの証言が必要だが、彼は拉致されていた。ハンスはチョルスの手下チュスと共に救出に向かうが、一斉に毒矢が放たれる。駆けつけてくれたジソンがハンスたちを守って毒矢を射られてしまう。

ジェセがヨンジュに会いにソウォン閣へ。ヨンジュがハンスに渡した襟巻を差し出し「助けたいですか」と小瓶を渡す。ハンスに何かあったと船に駆け付けるヨンジュは、ハンスの無事を喜ぶものの、傷を負ったジソンを見て驚く。自分を婚礼式に出させないためにジェセが仕組んだ計画だと知ったヨンジュは、小瓶が解毒剤だと確信しハンスに渡す。ハンスがジソンに飲ませる。

ハンスはヨンジュに父の上疏文を見せる。その内容は「法を無視する勲旧派の大臣たちを一掃し、体制を一新して下さい」というもの。ヨンジュはハンスの言葉にもう一度目を通し、あることに気づく。ハンスは「その点を利用する」とジソンにも目をやる。

その夜、勲旧派の大臣たちに「カン律官の一件を公主に知られた。今回も志をひとつにしよう」とジェセからの書信が届く。

婚礼当日。ソウォン閣では婚礼の準備が進められていた。書信を受け取った大臣たちは落ち着かない。時刻が過ぎても新郎新婦が現れない。やっと新婦ヨンジュが姿を見せるが、吐血して倒れる。医師は「毒が回り意識不明」と診断。ホン氏が王の前で「この中に公主を殺そうとした者がいる」と訴える。そして大臣を指す。指された大臣たちは自分ではないと、院祖ジェセに視線を送る。

「公主を殺そうとしたのは院相とここにいる大臣たちです」と言いながらハンスが現れ、式場は裁判所と化する。大臣たちは「書信は受け取ったが、犯行に及んでいない」と証言し、「十数年前、法典を編纂する際に、院相や大臣たちに不利な条項削除のためにカン律官を排除する陰謀に加担した」と白状。さらに「時同じくして先王が急死したことで、院相が大臣たちに逆心の疑いをかけて責任転嫁し、それ以降院相の言いなりになるしかなかった」と申し開きする。

するとハンスが父の上疏文を王に差し出す。そこには人事への口利きを禁じ、功臣の特恵を制限するなどの法案を作ろうとしたことが示してあった。それを知った院相が父をえん罪ではめ、死に至らしめたと訴え、大臣たちの死についても、ジェセが自分のやり方に逆らう者を始末したのだと陳述する。

ジェセは陰謀だと怒り、「もし事実なら上疏文の最後の記名者である大王大妃も同罪だ」と言い出す。実は、大臣たちが受けとった書状を大王大妃も受け取っており、覚悟を決めていた。大王大妃は「それが王室の存続と朝廷の平和ためだと信じた」とカン律官排除に同意し記名したことを認める。だが「また同じ手で我が孫を殺害しようとした院相を許せない」と憤怒する。

書状は偽造されたものだと訴えるジェセにハンスは「院相とジソンの筆致がそっくりだ」と証言し、「院相が罪を認めないならジソンが書いたと判断する」と言う。実はジソンが父の筆致を真似て書いたのだった。「息子を利用して追い込むのか」と言う院相に、「あなたの常とう手段でしょう。息子に全てを押し付けますか」と引導を渡すハンス。



■見どころ、感想
冒頭からハンスの号泣にもらい泣きさせられ、ジソンの決断に胸が締め付けられる展開となった。ジソンのあまりにも清廉潔白ぶりは、清々しさを通り越して哀れだ。ハンスとヨンジュは院相への復讐で頭がいっぱい。ジソンの心痛を理解するのはやはりウンスだけ、「あなたは父上と別人。一緒に罪を背負わないで…」ウンスの言葉が思い出される。ウンスの祭祀の後、立ち上がれないほど泣き崩れるジソンの姿がそれを物語っていた。

ところで、心配なのはヨンジュの容態が心配だ。てっきり医者を巻き込んだ計画だと覆ったのだが…。

■第16話(最終回)「私の願いは」
朝鮮弁護士©2023MBC院相ユ・ジェセの弱点を掴んだハンスは「あなたの息子ユ・ジソンはとても素晴らしい人物。そんな息子を育てた父親の愛が偽者のはずがない」告げる。さすがのジェセも息子を犠牲にはできず、上疏文に処分を書き込んだことは認める。だが「あくまでも臣下たちとカン律官の扱いを協議しただけで、公主殺害は認めることができない。公主は演技をしているだけ」と言い張り、法に則って公主の病状を確かめる権利を主張する。

だがヨンジュは本当に危篤状態だった。ジェセは最後まで陰謀だと主張するも、逮捕される。

ホン氏はハンスに「これを見て覚悟を決めたのかもしれない」と白い襟巻を見せる。狡猾なジェセを欺くには誰かが犠牲になるしかないと、ヨンジュは心を決めたのだった。ヨンジュの手を握り謝るハンス。

ハンスは3柱並んだ位牌に外知部として復讐を終わらせることを誓い王の元へ。ヨンジュが院相を倒すために自ら服毒したことを打ち明ける。そのことでジェセを罰すると、公主の不名誉が歴史に刻まれてしまう。王は「他にも死に値する罪を多く犯している」というが、「その命を私が救います。院相の刑罰を私に決めさせてください」と願い出る。

カン律官は律学博士に格上げされ、唯一の遺族ハンスは科挙の受験資格が復活され、及第したのちには希望の官職につくことが許されることに。王はハンスに感謝と謝罪を口にし、善政を敷くことを約束する。

そのころ獄中のジェセは面会に来たジソンを責める。ジソンは「父上を愛し、尊敬していたから」と答える。ジソンは「下級両班から成功した父上を尊敬していたが、権力と豊かさを享受する今の父上のようにはなりたくなかった。自らの力で民を導ける人間になりたかった」と、夢を語る。

ジェセも初めからこうではなかった。王の逝去で何もかも変わる世の中で、頼りにできるのは権力だけと思い知り、権力を手にして世の中を思いのままにすることが、命より重要な使命だと信じたのだった。誰よりも権力争いを怖れていたのはジェセ自身だった。「恐怖からもっと権力が欲しくなり、息子には権力争いとは縁のない穏やかな人生を与えたかった」と伝えた。ジソンは「私が受け継ぎたかったのは権力でなく、自負心でした。父上は過ちを起こしました」と言い残して立ち去った。

朝廷で院相ユ・ジェセへ下す判決を協議する。大王大妃やチョ・チョルジュの証言もあり極刑を課すには十分だ。意見を求められたハンスは、極刑に値すると認めながらも国の功臣であることを理由に、命を助ける刑を提言する。王はハンスの提言通りにジェセを官職はく奪、流刑3千里に処す。

実はハンスは、院相ユ・ジェセの存在をなくすことで勲旧派は没落し、士林派が権力を独占することを危惧し、王と士林派をけん制するためにあえてジェセを生かそうとしたのだ。ハンスはこれを王に説明し、「王が自らの力で善政を敷き、朝鮮が太平の世を迎えるとき、私は復讐を成し遂げることになります」と話していたのだった。

ヨンジュの命は助かったが障害が残るかもしれない。大王大妃は自ら犯した罪でヨンジュに最悪の選択をさせたことを後悔し、ヨンジュを殺すことで可愛い孫娘を生かすことにした。ヨンジュは王室の庇護なしで一庶民として暮らすことになる。だがこれこそがヨンジュが願っていた夢だった。

公主が死に、大王大妃が仏門に入って生涯を懺悔すれば、王室には恥辱も過ちも残さずに済む。大王大妃はこれが唯一王室と王を守る方法だと説明し、善政を敷くために王はこれを受け入れる。

ハンスはヨンジュのためにチョ商団を頼って朝鮮中から薬剤を集めていた。ところがホン氏から「公主の死」を告げられる。取り乱したハンスは公主の葬列を追いかけ護衛に取り押さえられる。そして「これからする私の全ての行動は、先生のためだということを思い出してほしい」といったヨンジュの言葉を思い出す。

流刑地では、ジェセが亡き大臣たちの霊に苦しめられていた。そんなジェセに王は「私があなたを生かしたのは、私がどんな王になり、朝鮮がどんな素晴らしい国になるかを見せるためだ」という文を送る。ジェセは最愛息子のことも分からなくなっていた。父と粗末な食事をいただくジソンは涙を流し、今の朝鮮が名君のお陰でこれまでで一番暮らしやすく安泰だと伝える。ジェセは「私はずっとそんな世の中を夢見ていた」と喜ぶ。

科挙に首席合格したハンスは王に挨拶し、故郷の清山の県監職を望む。そんなハンスに王は良家の子女を紹介し家まで送るよう命じる。だがハンスは送り途中に逃げ出す。ハンスは3年もの間ヨンジュを探し続けていた。チョ・チョルスも商団の力をフルに使ってヨンジュ捜しを手伝っていた。

懐妊することが難しいと宣告されたヨンジュは男装して暮らしていた。とある酒房でハンスが自分を探し続けていると知り、ハンスの様子を見守る。良家の子女がハンスに襟巻の贈り物をする。「心の思い人とおなじく、替わることはありません」と女性の申し出を断るハンスの首元には、古ぼけた白い襟巻があった。

赴任地に着いたハンスはこれまでの悪しき慣習を全て排除し、民たちの暮らしやすい村づくりを始める。そんなある日ハンスはジソンから腕利きの外知部を紹介される。興味を示さないハンスだったが、道に捨てられた悩み募集のチラシを見つけ、見覚えのある文面と末尾の「イ・ソウォン」という記名をみてヨンジュだと確信する。ソウォンはヨンジュが巷で使っていた偽名だった。

利山に駆け付け男装姿のヨンジュを見つけたハンスは「生きていたのに、なぜ…会いたかった」と抱きしめる。「私もです」と答えるヨンジュ。そんな2人を王とジソンが微笑ましく見守る。

場所を変え、女人姿に戻ったヨンジュに見惚れながらも、矢継ぎ早に文句と質問をするハンスを口づけで黙らせるヨンジュ。そして「あなたの重荷になりたくなかった」と話し、「俺にはお前しかいない。お前が俺の夢で人生だ。俺のそばにいろ」と答えるハンスだった。

王はヨンジュとハンス、ジソンと共に、編纂を終えた大国経典を先王の墓前に捧げる。ヨンジュは父王の悲願の法典が完成したことを報告し、王は法が民を助ける存在になるここを願うのだった。1485年(成宗16年)経国大典の最終編纂が終わった。



■見どころ、感想
ジソンの名前は「善い志を持てと父ジェセが命名したものだった。“志善”どおりに育ったジソン。最初から最後まで救いのない可哀そうな役回りで、最後には正気をなくした父から名前も忘れられてしまった。そんな彼の救いは復職し、願いだった民のための政治の一端を担っていること。
王は、独自性はあるが独裁者にならない王を目指し、ハンスも故郷に錦を飾り最愛のヨンジュと再会できた。

大国経典の編纂を王から任されたハンスとジソンの大人げない喧嘩、それに呆れる王とのやり取りが微笑ましく、朝鮮の平和と安泰が見て取れる。

また、ソン氏は相変わらずソウォン閣を切り盛りし困っている民を助けていた。一方、ドンチは一人ぼっちのハンスのそばを離れられないとソン氏への未練たらたら。ソン氏からヨンジュが生きていることを教えられ、身なりを整えてソン氏の元に戻ってきた。

復讐に始まった物語だが復讐では終わらず、みんなの夢を叶える形で幕を閉じ、何ともすがすがしい結末となった。

ところで、『経国大典』の編纂完成で終わった本作。筆者はドラマ第1話から、ソン・ゴニが演じた王イ・ヒュルを第9第王・成宗と推測したが、エンディングの「1485年(成宗16年)に『大国経典』編纂完成」の字幕でそれが正しいと確認できた。
時代背景はいつか。王様と公主は実在した?
“経国大典”全6巻(六典)を詳しく紹介

■放送日
<本放送>8月19日(土)スタート
毎週(土)後8:00~10:30 ※2話連続
再放送日 毎週(金)前11:30~後2:00 ※2話連続

KNTV「朝鮮弁護士」(原題)番組サイト

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