「ポッサム~愛と運命を盗んだ男~」(28話版)第13-15話:ユリ、“バウ”チョン・イルの正体を知る!

2023年10月25日11時00分ドラマ

テレビ東京・韓流プレミアムで地上波放送の「ポッサム~愛と運命を盗んだ男~」(全28話)はチョン・イル×ユリ(少女時代)共演の韓国時代劇。10月26日からの第13話~第15話のあらすじと見どころを紹介、YouTubeにて予告動画が公開中だ。<ネタバレ>

「ポッサム~愛と運命を盗んだ男~」は、男やもめ(チョン・イル)と後家になった王女(クォン・ユリ/少女時代)との人違いから巻き起こるロマンス時代劇。【「ポッサム」を2倍楽しむ】では、ドラマの4つの見どころやキャストの紹介、時代背景、各話のネタバレあらすじと見どころ、豆知識などまとめているので視聴の参考にどうぞ。



■キャストメインキャスト紹介
バウ役:チョン・イル
ファイン翁主スギョン役:クォン・ユリ(少女時代)
イ・デヨプ役:シン・ヒョンス
朝鮮第15代国王・光海君役:キム・テウ
イ・イチョム役:イ・ジェヨン
ほか

■第13話
密貿易の難破で大きな借金を背負うことになったバウたち。出資した書店主は借金返済の代わりにスギョンに春画を描くよう求め、スギョンにそんなことはさせられないと、バウとチュンベで何とかしようとするが失敗。これを知ったスギョンは、バウに内証で春画を描くことを決心するが…。

※【明心宝鑑(ミョンシンムポガン)】春画の表紙になったこの書は、明の時代に、孔子・孟子・老子・荘子をはじめとする先儒・先賢の言葉を編纂した善書。
※【諺文(オンモン)】ハングルのこと。当時公用文書は漢文を使い、ハングルは女子供が使う文字として諺文と呼んだ。


王は、亡き実母を宗廟に祀るために、側室だった母を皇后に位上げしなくてはならない。そのためには明の皇帝からの誥命が必要。だが下手に動くと明から莫大な朝貢や女真族との戦いへの援軍を求められる。それを回避する手立ては明の執権者である魏忠賢の説得しかない。彼とつながりがあるのはイチョムだけ。そこでスギョン拉致計画に失敗したキム・ジャジョムにこれを任せる。ジャジョムは、さっそくイチョムに会って、とっておきの秘密と引き替えに魏忠賢への口利きを頼む。その秘密とは、延興府院君であるキム・ジェナムの孫が生きていて、スギョンをポッサムしたのがその孫キム・デソク=バウだということ。ポッサムが復讐の手始めだと考えたイチョムはバウを捜させる。

※【宗廟(チョンミョ)と誥命(コミョン)】宗廟は、皇室の祖先祭祀場。誥命は、辞令、許可状。朝鮮は中国と“君臣関係”を結んでいたために、王や世子などの冊封には明の皇帝からの誥命が必要だった。実在の光海君は即位しても明からの誥命がなかなかもらえず苦労した。即位に伴い、実母である宣祖の側室・恭嬪金氏を恭聖王后と追贈し、明にも使者を送っている。

スギョンへの未練を断ち切ったかに見えるデヨプは、父イチョムに「父が望む以上の息子になる」と約束し、イチョムの計画を手伝うことに。イチョムは官婢となったバウの母と妹を探し出して拉致するよう指示する。

※【官婢(カンビ)】 国が所有する奴隷を官奴婢、または公奴婢と言い、男は“奴”で女は“婢”と使い分ける。両班が所有する奴婢は私奴婢。詳しくは【朝鮮王朝豆知識】「◆身分制度」で。

その頃、難破船から生き残ったのがコジョンだと知ったバウは彼に会い、どこかきな臭さを感じる。吏房がイチョムの部下テチュルと密会しているのを目撃したバウは、テチュルに殺されかけたコジョンを助け、コジョンは、難破船が朝鮮人参や絹だけでなく、銅と硫黄など火薬を作る材料も運んでおり、その口封じで殺されそうになったと打ち明ける。その後、官婢にさせられた妹が結婚すると知ったバウは、ささやかな婚礼の様子を遠くから見つめに行くが、そこにテチュルが現れ母と妹をさらっていく。

バウの母と妹はテチュルによってイ・イチョムの屋敷に連行され、デヨプが出迎える。これを見届けたバウは、密貿易とイチョムが関連していると考え、屋敷周辺を監視し、15日ごろに明から大事な客が来ることを突き止める。その客は魏忠賢の使いの者で、イチョムはある計画のためにその者を使って魏忠賢に協力を申し出ようと考えていた。イチョムは、キム・ジェナムの孫であるキム・デソク=バウを捕まえるために人相書きを作成させ、懸賞金を出して全国に手配する。

※【魏忠賢(ぎちゅうけん)】16世紀~17世紀にかけて実在した明の宦官。貧農の家庭に生まれ、荒れた生活を送っていたが、自ら去勢して宦官に。まったくの無学にもかかわらず持ち前の起用さとゴマすりで宦官のトップに。暴威と人心をうまく操り事実上の執権者になるが、後に弾劾されて自死する。

数日帰ってこないバウを心配するスギョンだが、春画の方は相変わらず要求通りには描けない。そこでかつて聞いた宮女たちの噂話を文章に認める。チュンベはその文章にスギョンの絵を挿し絵にして、小説『ウンヨンジョン』として売り出すことを考えつく。チュンベとチョ尚宮が語り部として宣伝し小説は人気に。これを知ったバウは激怒するが、スギョンの気持ちを汲んで写本を手伝う。

※【小説『雲英伝(ウンヨンジョン)』】朝鮮後期に創作された作家不詳の悲恋小説。「赤い袖先」4話/27話版にも出てくる。小説の登場人物として名前が出た安平大君は第4代王・世宗の3男。ドラマ「不滅の恋人」でユン・シユンが演じたイ・フィのモデルとなった実在の王子。詳しくは「不滅の恋人」の時代背景で紹介。

■見どころ
春画を見つけたときの驚きぶり、「勉強のために」を口実に興味津々で春画をじっくり見る様子、突然部屋に入ってきたバウから春画を隠す姿…。今回はスギョンのコミカル演技もたっぷりみられる。さあ、人妻とはいえ、初夜の前に夫を亡くしたスギョンに春画を描くことは出来るのか?

スギョンを大事に思うが故、小説を描くことを止めたバウ。言い過ぎたと反省したバウの気遣いにスギョンも胸キュン。



■第14話
キム・デソク=バウを捕まえるために懸賞金付きの人相書きが全国に張り出される。そんなバウは、イチョムが魏忠賢の使いの者に託した書信(手紙)を横取りすることに成功する。それは「女真族との戦いを回避しようとするイ・ホン=光海君を排除して朝鮮を正すので、協力してほしい」という謀反の予告で、「成功の暁には女真族との戦いに朝鮮の兵1万名と兵糧米10万石の提供する」とまで認めてあった。

※【光海君の中立政策】明と女真族(後金)との中立政策については朝鮮第15代王・光海君参照。

小説の人気はうなぎのぼり。とうとう王宮にまで噂が届く。一方で王はキム・ジャジョムをはじめ西人派の臣下たちを昇進させる。キム・ジャジョムはさっそく、巷で人気の小説が王族と宮女の恋物語と報告する。王は巷の風紀を取り締まるべき義禁府の捕盗大将でであるイチャンの長男イ・ウォニョプ(チュ・ヨンギュ)を叱責する。そしてこれを禁書として全て没収、焼却の上、作者を見つけ処罰することを命じる。

実はその小説はイチャンの妻お毎度くしていた。そのことを聞いたデヨプは小説を見てその筆致から作者がスギョンだとすぐに気づき、バウたちの居所を探す。

奪った書信の内容を知ったバウは、王に訴えることも考えたが、指名手配がかかっている身では王に謁見するのは不可能。そこで書信を持ってイチョムの屋敷に侵入し、書信と引き替えに母と妹を釈放するよう取引を持ち掛け、取引の場所と日時を決めるが…。

バウは、スギョンたちに漢陽に用があると言って、イチョムとの約束の場所へ向かおうとするが、そこにデヨプが兵を引き連れてやってくる。そして禁書の作者としてバウを逮捕。スギョンは、自分が作者だと必死に訴えるが、デヨプは聞き入れずにバウを連行していく。

自分のためにバウが逮捕され、死に至るかもしれないと知ったスギョンは、もどかしい気持ちを一人で泣いて紛らわせたいと嘘をついて、デヨプに会いに役所へ出向く。そこで偶然バウとデヨプの会話を聞き、バウが延興府院君の孫キム・デソプで、母と妹は官婢にさせられ、バウは生きるために自分の身分と名前を捨てて生きてきたことを知る。そして、復讐心を捨ててバウとして生きてきたバウが、イ・イチョムたちによってキム・デソプに戻されてしまったことも。

放心状態で帰路につくスギョンは、バウの「一度死んだ身」「一番信じられないのは王」という言葉や、一度はスギョンを殺そうとし、別れを告げたのが、このためだったと気づく。バウが自分を命がけで守ろうとしている。危険を承知で牢に繋がれたバウに会いに行くスギョンは涙で謝り、笑顔で安心させようとするバウだが、スギョンの手がバウの頬に触れると…。

■見どころ
母と妹が自分のために拉致されたことに心を痛めるバウが、自分の帰りを寝ずに待っていてくれたスギョンに慰められ、翌朝はすっかり元気に。すでにバウのスギョンへの恋心がはっきりしたが、今話ではスギョンが何かとバウを気遣う。

スギョンのバウへの想いが噴き出す、危険を承知で牢に繋がれたバウに会いに行くシーンは涙腺崩壊必至。一方、スギョンを助けるために、バウを逮捕したデヨプ。バウの名を呼ぶスギョンの悲痛な叫びと「今の暮らしは幸せです」という言葉を、彼はどんな表情で聞き、何というのか?



■第15話
牢格子を挟んで再会を果たしたバウとスギョンは互いの気持ちを確かめる。帰り際にイ・デヨプに出くわしたスギョンは、バウから預かった書信(手紙)をチュンベに託して和尚の元へ届けてほしいと頼み、デヨプと話をする。バウの身分や彼の母親たちを人質にしていることまでスギョンが知っていると確かめたデヨプは、「バウを諦める」と言えば彼を助けるというが、スギョンは「嘘の約束を求めるのですか?」とそれを断る。

それでもデヨプは、バウのために偽の号牌を手配したり重罪人用の笠(蒙頭)で顔を隠させたりして、彼が漢陽(ハニャン)に連行する罪人と知られないようにする。スギョンのためには書店主への口封じの念押しも忘れない。家に帰ったスギョンは和尚が来ていたことに驚く。チュンベと入れ違いになったのだ。書信はイチョムが魏忠賢に託そうとした謀反の証拠で、それさえあればバウに代わって和尚がイチョルと交渉できるが、それもかなわない。

デヨプは、父が謀反を計画したことや証拠の書信をバウに横取りされたことを兄ウォンヨプから聞く。イチョムは、スギョン亡き後、心を入れ替えたというデヨプの言葉を信じ、家門のために働くことを改めて約束させる。

※謀反と反正:謀反は、臣下が、君主にそむいて兵をおこすことだが、反正は悪い政治を正すという意味を持っている。

バウとの約束の日、イチョムは彼の母親と妹を連れて指定の場所に向かうが、牢にいるバウが現れるはずはない。事情を知らないイチョムは書信が王・光海君に渡った可能性を心配するが、母親たちを救うためにその可能性は低く、何らかの事情があったのでは、とごまかすデヨプ。そして王に揺さぶりをかけて西人を攻撃することを提案。そこで書店主が管理していた禁書の顧客名簿から大北を省き、西人の名前だけを残した偽の名簿を用意する。

別室でデヨプと向き合うバウは、自分が牢にいることをイチョムに黙っていてくれたことの礼を言うが、書信の在り処は教えない。デヨプはバウたちを助ける計画があるから、愚かな真似をするなと言い、2人は敵同士ながらお互いを信じて協力し合うことに。

イチョムの長男ウォンヨプは偽の顧客名簿を王に差し出し、重臣たちは禁書を読んだ者たちの厳罰を訴える。イチョムら大北の専横を押さえるために西人を復権させようとしていた王は、とりあえず鞠庁で確認するまで待てという。困った王は罪人たちを義禁府に移して殺害するよう内禁衛将ジュンヨンに命じる。デヨプもまたスギョンを守るために書店主を殺害するようバウに指示する。

※鞠庁(クッチョン)と推鞠(チュグッ):鞠庁は王命により一時的に設置される裁判機関。罪の軽重により親鞫・庭鞫・推鞫・三省推鞫があり、手続きや尋問内容は鞠庁日記として保管されている。推菊は、罪人を調べること、推問。

その夜、ためらうバウの前に刺客が現れ書店主は殺害され、バウは危機一髪のところでデヨプに救われる。刺客が王の指示だと確信したイチョムは、改めて禁書を読んだ者を捕らえるよう王に申し出る。王は鞠庁の準備を急がせる。キム・ジャジョムは禁書の犯人がバウだったことを知る。

■見どころ
スギョンから完全拒否されても彼女を守ろうとするデヨプ。今回はそんなデヨプが孤軍奮闘大活躍だ。バウが禁書の絵を描いた犯人として牢にいることを知っているのはデヨプだけ。父を再びだますことになるが、大丈夫なのか?未練がましくはあるものの、バウの母親たちにこっそり握り飯を渡して、バウに逢いたければ軽挙妄動を控えるよう忠告したりと相変わらず優しい。スギョンたちを助けるためにテチュルと至近距離で剣を交えたときには、覆面からのぞく目で正体がバレそうになるが、果たしてデヨプはテチュルの疑いをどのように躱すのか?

バウの母親と妹はなかなか面白いキャラクターだ。お腹が空きすぎて眠れない妹は差し入れの握り飯にかぶり付き、敵からの恵みは水も受けないと強気の母親が少々怖くもある。

テレビ東京「ポッサム」番組サイト
 2023年10月10日スタート 月~金8:15-9:11
YouTube予告動画

【作品詳細】【「ポッサム‐運命を盗む」を2倍楽しむ】

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