韓国ドラマ「最悪の悪」第11-12話(最終回):大規模な麻薬取引捜査が完結!チ・チャンウクは元の生活に戻れるのか?<ネタバレ>

2023年10月27日04時00分ドラマ
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ディズニー公式動画配信サービス「Disney+ (ディズニープラス)」の「スター」にて独占配信中の「最悪の悪」。第11話と第12話(最終回)では、正体が知られながらも主人公ジュンモが捜査を成功に導き、何が正しいのか深い余韻が残るクライマックスが描かれた。早速気になるあらすじをチェックしてみよう。
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「最悪の悪」は、世の中全体が浮かれていたバブルの時代、1990年代の韓国を舞台に、江南、中国、日本の麻薬密売トライアングルを潜入捜査するために、田舎の刑事パク・ジュンモ(チ・チャンウク)がギャングに扮し、犯罪組織に潜入するというスリリングな物語だ。

■第11話あらすじ
ミング刑事(ユン・ギョンホ)は標的ギチョル(ウィ・ハジュン)が連れていたウィジョン(イム・セミ)に目をつけ、彼女の不自然さに気づいていく。そのウィジョンは麻薬取引が本格的に始まることを知ると、ギチョルやジュンモ(チ・チャンウク)にそれぞれ中止できないかと懇願するが、二人の答えはノーだった。ウィジョンの不安をよそに沖合で中国籍の船から麻薬を受け取った二人は、そのまま日本へ引き渡すため埠頭を目指すが、かつて組織から追放されたギョンジン(チェ・ソンヒョク)トラックで襲撃され瀕死の重傷を負ってしまう。麻薬は盗まれ車は爆発。あと一歩だった捜査も失敗に終わってしまう。

裏で元幹部ジュンべ(イム・ソンジェ)が糸を引いていると気づいた組織はジュンべと、持ち去られた薬物を探し出すことに。再び取引に失敗したことで、大山(イム・ソンヒョク)から1週間の猶予を与えられる。ヘリョン(BIBI)は正直に事態を打ち明けたジュンモに理解を示し、吉林省にある長春の故郷のことを語り始める。麻薬密造のアジトを突き止めたジュンモはただちに報告し、中国当局も捜査の準備を開始した。ドヒョン刑事(チ・スンヒョン)は公開捜査に切り替えるべきだと進言するが、チョ部長検事(イ・ジョンフン)は夫婦の身の安全よりも捜査の成功を優先しようとする本性を現す。

釈放されたジョンリョル(イ・シンキ)は、ギチョルが以前、部下に秘密裏に調べさせていたウィジョンに関する書類を見て、警察署に引き返す。一方、ドヒョン刑事は、ミングがウィジョンの周囲を嗅ぎ回っていると聞いて、ジュンモのふりをしてミングに接触。その一部始終を見ていたジョンリュルは疑問を抱き、麻薬捜査の情報を手に入れ、ドヒョンを誘い出す。消えた薬物、滞る取引に焦り、徐々に関係が崩れていく組織、そして夫婦関係。

ジョンリョルの罠にかかったドヒョン刑事。ジュンモも呼び出され不安がよぎる。ウィジョンはギチョルを説得しようと試みるが、ジュンべが捕まったと知らせが入りギチョルは事務所に向かってしまう。

捕らえられたドヒョンは素性を知られ、更にやって来たジュンモはドヒョンを刺し殺すように命じられ、窮地に立たされる。その頃、事務所に戻ったギチョルが見たのは、不信感を募らせていた他の部下を味方につけてふんぞり返るジュンべの姿だった…。


最悪の悪2

■第12話あらすじ
ジュンモが組織のスパイだと気づいたジョンリョルはその場でドヒョン刑事に発砲、ジュンモをも殺そうとするが駆けつけた警察に逮捕された。事務所では、地区開発に手を出し、一人抜け駆けして闇の社会から足を洗おうとしていたギチョルを責めるジュンべに銃を向けるが、他の部下からの信頼も既に失いかけていた。そんな中、踏み込んだミング刑事。ジュンベら、ギチョルに追放された部下はミング刑事と結託して機会を伺っており、失われた麻薬もミングのもとに渡っていた。

逮捕され連行されるギチョルを困惑した表情で見つめ、追跡を始めるウィジョン。逮捕を聞いたジュンモはこのままだと麻薬捜査が水の泡になると慌てて飛び出すと、ミングらを乗せた車を襲撃して、ギチョルを奪還。奪われた麻薬を取り返して、日本との取引を実行しようと動き出す。ドヒョン刑事は手術の甲斐も虚しく命を落としてしまうが、チョ部長検事は捜査を進めるために快方に向かっているとジュンモを騙し、麻薬商を次々と検挙。大量の麻薬を抱えたジュンべらは取引相手が激減していくことに頭を抱える。

事務所を訪れた中国側の組織に圧迫されたジュンべはヘリョンへの接見を要求。警察のデータに「クォン・スンホ」が存在しないと知ったミングは公開指名手配の手続きをすぐに止めるよう命令し、ジュンべに事情を問いただす。ジュンモこそがスパイだと気づいたジュンべは、ウィジョンとヘリョンに見張りをつけることを提案。

ヘリョンと会ったジュンモはギチョルに代わって日本との取引を行うことを告げ、取引場所を教えてもらうが、これはジュンモの指示だった。取引現場を押さえようとするジュンモだが、正体に気づいたミングはヘリョンに接近し、ジュンモの正体を伝えてヘリョンの怒りを煽ろうとする。一度は激高してジュンモを試そうと電話をかけたヘリョンは、韓国と中国どちらにいるべきかと質問を投げかけるが、ジュンモは彼女の安全を考えて香港にいるべきだと答えた。答えを聞いたヘリョンは愛してしまったジュンモを守るためにミングを殺害。警察に包囲されるが、長年彼女に仕えてきたカンサン(パク・ジフン)が身代わりになって逃走する。

ジュンべらが日本との取引を終え、大金を手にする。警察が船舶を確認。金を取り返すために港に潜伏していたジュンモは一人で解決しに行くと言い、ギチョルに手錠をかけると、ジュンべら3人と対峙。警察が駆けつけ遂に正体を明かした。逮捕劇を目の当たりにし、動揺するギチョルはジュンモが後部座席に手錠の鍵を置いていったことに気づき逃走。

こうして韓国・中国・日本ではそれぞれが麻薬組織を検挙することに成功。ニュースを聞いていたヘリョンはジュンモに裏切られたと知りながらも涙を流し、地区開発が白紙になり未来への希望の潰えたギチョル。ドヒョン刑事が亡くなっていたことを知ったジュンモ。元通りの生活に戻れるかというウィジョンの不安は的中し、二人が帰宅するとギチョルが待ち構えていた。

互いに銃を向け、一触即発の状態で、ウィジョンの本当の気持ちや、自分を逃した理由を尋ねるギチョル。自らの頭を撃ち抜こうとしたギチョルの胸を撃ち抜き、ギチョルは息を引き取る。こうして捜査に関わったジュンモ、ウィジョンは昇進。ジュンモを労うチョ部長検事を無視してドヒョンの遺影に敬礼し立ち去るジュンモ。ギチョルの墓を訪れ煙草に火をつけると、ウィジョンとの結婚指輪と共に墓前に添えその場を立ち去った…。



■見どころ
スリリングな展開で毎話、視聴者の注目を奪った作品が遂に幕を閉じた。ラストスパートとなる第11話ではようやく取引が実現し、三国間の大規模な麻薬取引が一斉検挙されるかと思いきや、予想もしていなかった横槍が入り、取引が失敗。更にジュンモの正体が明るみになっていき緊迫感が深まっていった。

最終話ではドヒョンという信頼の置ける先輩を目の前で撃たれ、死んだことも隠されたまま捜査を続行させられたジュンモが、どうにか最後まで捜査を完遂する様子が描かれた。と、ここまで書くと最後に正義が勝つ勧善懲悪ドラマのように感じられるが、汚職レベルでジュンべらと結託しギチョルを陥れようとするミング刑事や、捜査の成功のみに固執してジュンモに嘘をつき続けたチョ部長検事の人でなし感が色濃く描かれ、特に終盤は疑問に感じる行動や、解釈が難しいシーンが続き、どちらかと言うとどんよりとした気分になってしまうはずだ。

正体を知って一度は怒りに駆られたヘリョンに香港行きを勧めた理由や、最後の逮捕劇でギチョルが逃げられるようにしたこと、ドヒョン刑事が最後に遺した「警察であるということを忘れるな」と忠告された点は、捜査の過程で彼らに情が湧いてしまったという解釈で間違いなさそうだ。

自宅で待ち伏せしていたギチョルが、愛していたウィジョンと、信頼していたジュンモに裏切られたことに絶望し自ら頭を撃ち抜こうとした際にジュンモが胸に発砲して死に至らしめたシーンは少し難解だが、SNSなどを見ると、自殺を大罪とするキリスト教の敬虔な信者だったギチョルが、最後に大罪を犯さないようジュンモの最大限の配慮だった、という意見がしっくり来る。

捜査は成功し、ジュンモは当初捜査参加の条件として提示していた特例昇進を果たしたものの、4人しかいない式典で満足そうな笑顔を浮かべているのは実際危険な目に遭っていない部長検事ひとりというアイロニックさが漂う。ジュンモが部長検事の労いと握手を無視して殉職したドヒョンの遺影に敬礼するシーンを除いては、部長検事へ罰が下るような描写がなくモヤモヤさせられる。

そして、ラストシーンでは墓前にウィジョンとの結婚指輪を置いて立ち去るシーンとチ・チャンウクが見せた表情が、この物語が決してハッピーエンドでないことを物語っている。男女の愛情や師弟愛、友愛などいろいろな愛情や信頼関係が描かれた中で本作タイトルにもなっている「最悪の悪」とは何を指しているのか。

ギチョルやヘリョンらはやっている事は悪でも人としての筋道や仁義は通っていたのに対し、正義であるはずのミングや部長検事には、その点が欠落していたように思える。仁義を貫く悪と、人としての尊重を欠いた正義…最悪の悪は何なのか、様々な解釈のしかたはありそうだが、深い余韻を残す作品であることに間違いない。

「最悪の悪」は、2023年9月27日よりDisney Plus(ディズニープラス スター)にて全12話独占配信中。

■スタッフ
監督:ハン・ドンウク
脚本:チャン・ミンソク
原題:최악의 악

■キャスト
パク・ジュンモ役:チ・チャンウク
チョン・キチョル役:ウィ・ハジュン
ユ・ウィジョン役:イム・セミ
 ほか

公式サイト
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