新星・ポール・キルシェ主演の映画『Winter bo』クリストフ・オノレ監督の半自伝的な最新作!

2023年11月30日17時00分映画

愛する者の死に直面したとき、その苦しみをどう乗り越えていけばいいのか?どんな絶望の底にも差し込む希望の陽に、優しく心身を温められる感動作『Winter bo』は2023年12月8日(金)よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開となる。本編冒頭映像がYouTubeチャンネルにて公開された。

「カイエ・デュ・シネマ」に映画評を寄稿し、その後映画監督となり、舞台の演出なども手掛ける多才なクリストフ・オノレは、自身のセクシャリティやパーソナリティを強い信念のもと真正面から表現し、観る者に勇気を与え続けている。



本作はオノレの少年時代を描いた自伝的な物語。愛する者の死に直面したとき、その苦しみをどう乗り越えていけばいいのか――どんな絶望の底にも差し込む希望の陽に、優しく心身を温められる感動作だ。

主人公リュカ役を演じた新星ポール・キルシェは、“新たなスター誕生”とメディアからも絶賛され、第70回サン・セバスティアン国際映画祭主演俳優賞を受賞した。名匠クシシュトフ・キェシロフスキ監督の『トリコロール/赤の愛』で鮮烈な輝きを放ったイレーヌ・ジャコブを母に持つ。リュカの母親役には『トリコロール/青の愛』『真実』などの名優ジュリエット・ビノシュ。息子を支える母親を熱演した。

今回初解禁となる本編映像は、寮に住む平凡な17歳の高校生だったリュカが、父を亡くす二週間前を振り返り、語り始める。恋人とは言わないまでも、肉体関係もある仲の良い男友達とのいつも通りの毎日。ある日、仕事が忙しく会うのが久しぶりだった父が、車で学校へ送ってくれたが、車内での他愛のない話しを振り返ると、そこには人生への後悔を語る父と、それを聞きどこか辛い気持ちになるリュカがいた。家族を亡くす痛みと、心の再生を描いた本作の、予兆を感じさせる静かなオープニングシーンだ。

そんな作品をいち早く鑑賞した著名人たちからコメントも多数到着している。Amazon originalで実写ドラマ化され話題となった『モアザンワーズ/More Than Words』の作者である漫画家の絵津鼓は「自分とまったく同じ感情を誰かと分かち合えることはないという孤独に凍え、ふと共にある音楽はさりげない人生のよすがだと実感し、心が暖まる」と心の再生に胸を熱くしたことをコメントしている。『蛇にピアス』で芥川賞を受賞した小説家の金原ひとみは「行き場のない、彷徨う魂と共に、パリを徘徊した」、ゲイを公言する歌人の鈴掛真は「まっさらなキャンバスを塗りつぶしては彩りまた塗りつぶしを繰り返した少年時代を、この映画が思い出させてくれた」、映画・音楽パーソナリティの奥浜レイラは「同じ経験をしたわけでもない。けれど、ここにある痛みを確実に知っている。古傷を誰かと見せ合ったような親密さに、包まれるようなあたたかさを感じた」と、共に自身の記憶と重ねたコメントを寄せる。「世界一受けたい授業」や「Nスタ」などのテレビ番組にも出演した精神科医で医療刑務所でも働く藤野智哉は「自分ならどうするか考えながら見て欲しい物語」と、希望についての物語であることをコメントした。さらに映画ライターのよしひろまさみちは「絶望と希望の間にいたリュカ世代の監督に思いを馳せる」と、本作がクリストフ・オノレ監督の自伝的な物語である点に注目している。

■あらすじ
のある夜、17歳のリュカは寄宿舎からアルプスの麓にある家に連れ戻される。父親が事故で急死したのだ。大きな悲しみと喪失感を抱えるリュカ。葬儀の後、はじめて訪れたパリで、兄の同居人で年上のアーティスト、リリオと出会う。優しいリリオにリュカは心惹かれるが、彼にはリュカに知られたくない秘密があった。そして、パリでの刺激的な日々が、リュカの心に新たな嵐を巻き起こす――。

監督・脚本:クリストフ・オノレ『美しい人』『愛のあしあと』 音楽:半野喜弘『娼年』『窮鼠はチーズの夢を見る』
出演:ポール・キルシェ、ジュリエット・ビノシュ『トリコロール/青の愛』『真実』、ヴァンサン・ラコスト『アマンダと僕』、エルヴァン・ケポア・ファレ
配給:セテラ・インターナショナル 協力:Uni France/French Film Season in Japan 2023
【原題:Le lycéen/2022年/フランス/仏語/2.39:1 /5.1ch/122分/日本語字幕:横井和子】

映画『Winter bo』公式サイト
映画『Winter bo』予告動画 YouTube