最終回視聴率9%で週末1位「無人島のディーバ」第11−12話:パク・ウンビン、夢を掴み15年の時を経て“ギホ”と結ばれる

2023年12月04日08時50分ドラマ
『無人島のディーバ』 NETFLIXで独占配信中

毎回予想外の展開とパク・ウンビンの歌声が話題のtvN新土日ドラマ「無人島のディーバ」が最終回を迎えた。第11話と第12話(最終回)では一家に最大のピンチが迫る中、主人公モクハが15年の時を経てギホと結ばれ、歌手への夢を叶える姿が描かれた。気になるネタバレあらすじと見どころをチェックしてみよう。最終回の視聴率は9.0%の自己最高で有終の美を飾った(ニールセンコリア、全国調べ)。
【「Netflix」で独占配信の韓国ドラマ】

tvN新土日ドラマ「無人島のディーバ」は、15年ぶりに無人島から救助された歌手志望のソ・モクハ(パク・ウンビン)のディーバ挑戦記を描いた物語だ。
【関連・各話のあらすじ】



■キャスト
ソ・モクハ役:パク・ウンビン(中学時代:イ・レ)
ユン・ランジュ役:キム・ヒョジン
カン・ボゴル役:チェ・ジョンヒョプ
カン・ウハク役:チャ・ハギョン
イ・ソジュン役:キム・ジュホン
チョン・ギホ役:ムン・ウジン
チョン・ボンワン役:イ・スンジュン
 ほか

■第11話「お人好し VS したたか」
モクハ(パク・ウンビン)のデビュー準備が進む中、突如、飛び込んできたランジュ(キム・ヒョジン)のゴシップに会社は記者会見を開くことにする。デビューのためにボゴル(チェ・ジョンヒョプ)ら一家と離れて暮らし始めたモクハを呼び出したウハク(チャ・ハギョン)は記者としての経験を活かして、記者会見での受け答えの助言を与えた。

記者会見を終えたランジュは、記者の一言でソジュン(キム・ジュホン)との関係に再び亀裂が入る。母サンヒ(ムン・スク)がランジュを自称する理由が明らかになる。認知症による妄想ではなく、歌手を目指していた彼女は自分の芸名を娘に付けていたのだ。

失踪家族の戸籍を勝手に使っていたボゴルら一家は実刑判決を受ける可能性もあることがわかり、モクハはボゴルに自らの気持ちを伝えると、何があってもボゴルを諦めないと励ます。

ボンワン(イ・スンジュン)が仕組んだ事故で意識を失っていたデウン(キム・ミンソク)が4ヶ月ぶりに目を覚ます。一家とボンワンは検察で尋問を受けることに。過去の暴力を反省している素振りを見せるボンワン。一家が不利になっていく中、検事はボンワンの言葉の矛盾を指摘し一家の主張を尊重し始める。続いてウハクはデウンが目を覚ましたことを明かし、デウンは電話越しに、事故直前のボンワンとの会話を供述し始める。突然の雨の中、検察をあとにした一家を待っていたのは家族全員分の傘を持ったモクハだった。ハジョン(ソ・ジョンヨン)はボンワンに自分の傘を差し出して、言葉もなく家族とその場を立ち去った。

サンヒが作った曲を歌って新曲をリリースしたランジュ。ステージを見て満足そうなサンヒは、新曲がチャートを席巻しているというニュースに微笑みながら天へと旅立った。病室の開かない引き出し…母から託された鍵を思い出したランジュは、引き出しの中から日記や、日本でアルバムをリリースした際のインボイスを発見。彼女は既に株を受け取るための条件だった2000万枚をとっくに達成していたにもかかわらず、ソジュンに書類を処分されていたことを知る。

無罪が確定したことを知ったモクハは一家を訪れ、ボゴルの胸に飛び込むと、思い続けてきた大切な相手と初めてのキスを交わした。クリスマスを迎え、一家のもとにはチュンサム島で中学時代を共にした同級生たちが訪ね、モクハとの再会を果たし楽しい時間を過ごすが、その頃、ケーキを買いに出かけたサンドゥ(イ・ジュンオク)はボンワンに切りつけられ意識を失ってしまう。



■第12話「偶然 VS 必然」
病院に搬送されたサンドゥ。楽しいはずのクリスマスパーティーの空気は一転する。サンドゥを襲ったボンワンは最後まで家族を奪われることを拒み、遺書をしたためると薬を飲んで自殺を遂げた。離婚は不可能になり、サンドゥが回復しなければボゴルらは元の名字を名乗り続けなければならなくなってしまう。

かつて絶望の縁から救ってもらい、幸せな夫婦として再スタートを切った頃のことを振り返り涙で語りかけるハジョンのことばに呼応するように目を覚ましたサンドゥ。一方のボンワンは、無縁仏として誰も遺骨を受け取らず、孤独な最後を迎えた。

改名を済まし、元の名前と、今の家族の名字を名乗り始めたギホ(=ボゴル)とチェホ(=ウハク)は職場への復帰を果たす。ウク(=サンドゥ)とジェギョン(=ハジョン)も新たな名前で美容師免許を再取得するため悪戦苦闘していた。

ソジュンが嘘をついていたことを知ったランジュは訴訟を進めようとする。矢先にモクハのデビューアルバムの収録曲の変更を提案されて大激怒。曲を交換させられそうになったモクハとモレ(ペ・ガンヒ)も大激怒してぶつかり合うが、次第に同調するばかりか、互いの曲を聞いて、交換を願い始める。殴り込みに来たランジュに書類の真相を伝え、失敗した際は全責任や株を放棄すると宣言したソジュン。

モクハに想いを寄せながらも、15年間モクハを信じて探し続けてきたギホには敵わないと気づいたチェホ(=ウハク)は自分の気持ちを正直に伝えるように助言。美容室も営業を再開し、ギホは再会できたことが偶然ではなかったことを打ち明けようとするが、モクハは既にそれが必然だったことに気づいていた。

レコーディングが終わり、新人歌手としてデビューを果たしたモクハ。交換した新曲は初登場では77位と振るわなかったが、奇しくも憧れのランジュと出会いを果たしたイベントへのオファーが入る。これまで嫌味ばかり言ってきたヨングァン(シン・ジュヒョプ)も自分が諦めた道を果敢に進むモクハをサポートするため、彼女のチームに異動を願い出た。イベント当日、モクハがしたように風船を配り、ステージを盛り上げるランジュはソジュンの判断が的確だったことを認め始める。最初は地域の小さなステージで歌い始めたモクハは後にスタジアムでのコンサートを敢行、そしてギホがカメラワークを担当し、中学時代からの夢が実を結んだ

数々の賞を受賞するほどの人気を博したモクハは、今でも想い続けたギホや、温かいその家族と共に幸せに暮らしている…。



■見どころ
無人島での15年間のサバイバル生活を生き抜いた主人公のサクセスストーリーを描いた話題作が最終回を迎えた。タイトルにもなっている通り、歌手として成功することが物語の軸にはなっているものの、その多くは行方不明のギホの正体に関する謎解きや、執拗に逃げた妻子を追い回すボンワンのサスペンスホラー的な要素、ランジュとソジュンの愛憎や葛藤、モクハとギホのロマンス、温かい家族関係を描いたヒューマンドラマ的な要素など、実に多岐にわたる要素が込められたクロスオーバー的な作品だった。

この作品の最大の特徴は、多数の伏線を含み、毎回意表を突くどんでん返しを繰り返したトリッキーな脚本のおかげだろう。兄弟のどちらがギホなのかをはじめ、様々な伏線から視聴者に推理を捺せたかと思えば、次の回ではその推理をひっくり返す事実が描かれ、視聴者をいい意味で振り回した脚本は回を重ねるごとに視聴者を作品世界の虜にした。

自分の利益のためにランジュを騙したように描かれたソジュン、モクハに意地悪な態度を取る先輩マネージャーのヨングァン、傲慢な態度のモレなど、登場時点では最悪の印象だった登場人物が、最終回までに全員が好感を持てるキャラクターに変わり、これだけ多彩な要素を含みながらも、登場人物の心理的描写に偏りがあまりないことも評価されるべきポイントだ。

スターとして成功したモクハとギホの関係がどうなってしまうのかも、どう描かれるのか心配していたポイントだったが、クライマックスの一家の朝食シーンひとつで、二人の住む世界は変わらず関係も良好なことが感じ取れ、視聴者を安心させる秀逸な描かれ方だった。

最初はモクハに対して一歩引いた態度だったボゴルがギホだと判明してからの、彼の行動や言動に秘められた想いは視聴者の心を揺さぶり、最終週では遂に想いを通じ合わせた二人の姿は胸キュン必至。ボゴル役のちぇ・ジョンヒョプの人気は一気に上昇するに違いない。なお、彼は1月スタートのTBS系火曜ドラマ「Eye Love You」(アイ ラブ ユー)で二階堂ふみの相手役を務める。民放GP帯連続ドラマでヒロインの相手役に韓国の俳優が起用されるのはこれが初めて。チェ・ジョンヒョプの日本での活躍にも注目したい。⇒11/23navicon既報

秀逸な脚本と共にパク・ウンビンの優れた歌唱力も毎回のように話題になった。本作で多くのOSTを担当したパク・ウンビンは最終回でも素晴らしいステージで魅せてくれた。

4日ニールセンコリアによると、初回3.2%でスタートした視聴率は最終回で全国平均で90.%(首都圏9.8%)で自己最高であり週末ドラマのトップで有終の美を飾った。なお、前回トップだった同時間帯のKBS2「高麗契丹戦争」は前回の8.4%から1ポイント落した7.9%(首都圏7.1%)で、JTBC「サムダルリへようこそ」は前回より微増の5.3%(首都圏5.6%)だった。

2023年のNetflix作品は、どこか殺伐としたシリアスな世界観を持つ作品が多いが、そんな中でも本作は従来のラブコメの中でもクオリティの高い最高にハートフルな作品だ。


「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」では自分らしく生きることを素敵に見せてくれたパク・ウンビンが、現実に疲れたあなたに贈る、超現実のドラマ「無人島のディーバ」は第7話はtvNにて18日に放送、その後Netflixにて独占配信される。

■スタッフ
監督:オ・チュンファン
脚本:パク・ヘリョン
原題:무인도의 디바(無人島のディーバ)

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