韓国ドラマ「砂の上にも花は咲く」第1‐2話:チャン・ドンユン、突然姿を消した大親友の面影を残すイ・ジュミョン登場に揺れる

2023年12月27日00時25分ドラマ
写真:ENA「모래에도 꽃이 핀다」より

チャン・ドンユン主演でのどかな港町を舞台に、韓国の伝統的な格闘技シルム選手の葛藤や大親友との数奇な再会、裏で渦巻く黒い事件を描くENA新ドラマ「砂の上にも花は咲く」が12月20日より放送を開始し、日本でもNetflixで独占配信を開始した。第1−2話ではかつて神童と呼ばれながらも成績を伸ばせず30代を迎え、引退を悩み始めた主人公ベクドゥの葛藤や、小学生時代に突如姿を消した親友について語られた。気になるあらすじを見てみよう。
【「Netflix」で独占配信の韓国ドラマ】

「砂にも花は咲く」は、かつてシルム(韓国の相撲)の神童キム・ベクドゥ(チャン・ドンユン)と、子ども時代のガキ大将オ・ユギョン(イ・ジュミョン)が再会することから繰り広げられる青春成長ラブコメディだ。



■キャスト
キム・ベクドゥ役:チャン・ドンユン
オ・ユギョン役:パク・ギュビン
ミン・ヒョヌク役:ユン・ジョンソク
チュ・ミラン役:キム・ボラ
クァク・ジンス役:イ・ジェジュン
チョ・ショッキ役:イ・ジュスン

■第1話「シルムの神童キム・べクドゥ」
かつて神童と呼ばれながらも、32歳になっても壮士の座に上ることができず世間も若手に注目するようになり、引退を考えるシルムの選手ベクドゥ(チャン・ドンユン)。小学校の同窓会で会ったジンス(イ・ジェジュン)はいち早く壮士の座に就き既に引退していた。飲めもしない酒を飲んでしまったベクドゥが帰り道にうわごとのように呟いていたのは、久しく会っていない親友ドゥシク。車に轢かれかけながらも目を覚ますと自宅にいた。

ベクドゥらが暮らすコサンは漁業で成り立つ小さな港町。警察官になった同級生ソッキ(イ・ジェスン)から、酔っ払った拍子に次の試合で壮士になれなければ引退すると豪語していたことを知るベクドゥ。試合の相手はシルム実業団の後輩で世間からも注目を集める花形選手ドンソク(キム・テジョン)だった。

一方、のどかな漁村では一年もの間姿を消していたチルソン(ウォン・ヒョンジュン)が遺体で発見される事件が発生。同窓会の日、ベクドゥは彼を接客していた。ソウルの警察がわざわざ捜査に来ていたことに違和感を感じるソッキ。同じ頃、コサンにやってきたユギョン(イ・ジュミョン)も事件がおきた貯水池のほとりに立ち、不可解な行動を見せる。

酒の勢いで引退を口にしたベクドゥは、有名なシルム選手である父テベク(チェ・ムソン)や壮士になった兄たちと違って成績を出せずに本当に引退を悩んでいることをなかなか言い出せなかった。そして大会当日。ベクドゥは誰かと深刻な話をしているヨンコーチ(ホ・ドンウォン)を目撃する。

テベクや兄たちが会場で見守る一方、会場まで応援に行こうとしなかった母ジンスク(チャン・ヨンナム)はジンスの母親ヒョンジャ(ファン・ソクジョン)を通じてベクドゥが引退を賭けて試合に臨むことを知る。試合では健闘したものの、最終的に判定負けしてしまったベクドゥ。犬猿の仲ながら密かに試合を見守っていたジンスにミラン(キム・ボラ)はドゥシクのことを尋ねた。名前が出るたびに街の人が顔色を変えるドゥシクとはどんな人物で今は何をしているのか…?

思い出の場所を訪ねたベクドゥは背後から投げ飛ばされ驚くが、見上げるとそこにいたのはコサンにやって来た謎の女性ユギョンだった。同じ頃、ジンスはドゥシクが男ではなく女だったと打ち明け、ミランを驚かせていた…。



■第2話「オ・ドゥシクについて」
ドゥシクは有名な壮士の一人娘で、同級生の男子も一度はボコボコにされたことがあるほどの活発なガキ大将で、ベクドゥもシルムでは彼女に勝てなかった。

突如目の前に現れたユギョンを見て、彼女がドゥシクだと直感したベクドゥは再会を喜ぶが、ユギョンは否定する。同じ頃、ジンスは過去にドゥシクと大人の間に何か事件があったらしいと告げ、ミランにドゥシクの話をしないように口止めする。

ドンソクが別のチームに引き抜かれるという噂が流れ、チーム解散の危機が近づく中、約束通りシルムを引退したベクドゥにとって、ユギョンがドゥシクなのかどうかばかりが気がかりで、ソッキに身分照会ができないか頼んで断られる始末。ドゥシクが住んでいた家に越してきたユギョンは市場でも好奇の目で見られていた。

町の集会にやってきたユギョンが気がかりなドゥシク。噂好きな住民たちの話題が、貯水池で起きた事件に及ぶと、複雑そうな表情を浮かべるユジョン。その頃、事件を気にかけていたソッキも、情報が統制されて事件が全くニュースにならないことに疑念を抱いていた。住民たちはソッキの推理を笑うが、ソウルではチルソンの遺体から絞殺の痕跡が発見されていた。

つきまとうベクドゥに辟易していたユギョンだが、ベクドゥが前日に引退したと知ると激高。その口調からベクドゥは更に彼女がドゥシクであると確信を強めていく。母親に叱られ渋々荷物を取りに行ったベクドゥはユギョンがチームの統括マネージャーに就任したと知って言葉を失う。父テベクは息子の真意を知ろうと道場に連れていくと対決を始める。すっかり意欲を失っていたベクドゥは引退は勢いだったが誰も引き止めない様子を見て、自分の評価を知ってしまったと打ち明けた。消えたヨンコーチの資料を見ていたユギョンも一部始終を目撃し、聞き慣れた方言で弱気なベクドゥに喝を入れる。

なぜユギョンが素性を隠しているのか理解できないベクドゥは、せめてドゥシクなのかそうでないのかだけでも教えてほしいと頼み込み、ユギョンも心が揺れるが、そんな時、彼女をハニーと呼ぶ男ヒョヌク(ユン・ジュンソク)が二人の前に現れる…。



■見どころ
シルムを題材にしたユニークなドラマが放送を開始した。シルムについては、「韓国相撲」と訳されることもある韓国の伝統的な格闘技で、韓国バラエティの国民的MCのひとりカン・ホドンや、総合格闘技に転向したチェ・ホンマンらが元シルム選手だが、不景気による実業団の解散や、キックボクシングや総合格闘技などの台頭で視聴率低迷によってテレビで試合が放送される機会が減ったことで、韓国内でも人気が下火になっているのが現状。

本作品を放送しているENAは「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」でいきなりの大ヒットを生み出したことで記憶に新しいが、それでもまだまだ新興のテレビ局。他の大手テレビ局との差別化をはかるべくシルムを題材にしたことは興味深い。

上述の通り、国内でも注目が薄れているシルム。更にシルムの知名度が低い日本の視聴者が観ても楽しめるのだろうか?スポーツを題材にした他のドラマ同様、視聴者を選ぶ作品であることは否めないが、主役のチャン・ドンユンやイ・ジュミョンをはじめとするフレッシュな俳優や、チェ・ムソンやチャン・ヨンナム、ファン・ソクジョンら脇を固める実力派のキャスト、素性を否定したまま生まれ故郷に戻ってきた同級生、主人公ベクドゥの葛藤や、裏で渦巻くサスペンス要素を含んだストーリーラインは、シルムを知らなくても十分楽しめる内容だ。

第1話では引退を決意したベクドゥの葛藤がメインに描かれる一方で、街を出ていった「ドゥシク」という名の親友について語られ、名前や回想シーンからドゥシクが男性であるように思わせながらも、実は女性だったという驚きの展開。そして第2話では周囲や本人が否定しているにも関わらず、街にやってきたミステリアスな女性ユギョンがドゥシクなのではないかとベクドゥが嗅ぎ回る様子が描かれ、彼女が何らかの理由で名前を変えて港町に帰ってきたのだろう、と確信が深まってきたところで、夫のような雰囲気を漂わせるヒョヌクが登場し、結局ユギョンはドゥシクなのかという謎は次週へ持ち越しとなり、視聴者の好奇心を刺激した。

二人が同一人物だとしたらなぜ、名前を変えてしまったのか。その手がかりになりそうなのが、のどかな港町で起こった怪死事件だ。被害者は八百長事件に関与していたことが明らかになっており、道場のコーチが姿を消し、表向きはマネージャーとして道場にやって来たユギョンがコーチの資料を見つめている場面からも、彼女は事件の捜査のために赴任したのではないかという推測を呼ぶ。更に突然姿を消したのも大人しか知らない複雑な事情があったことが仄めかされ、彼女が素性を明かさない裏には壮大な理由が隠されていそうだ。

初週から謎めいた展開が連続するENA新水木ドラマ「砂にも花は咲く」(全12話)は2023年12月20日から21:00から放送を開始し、日本ではNetflixを通じて独占配信中だ。

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