Netflix韓ドラ「京城クリーチャー」第10話(最終回):悲しい運命に引き裂かれたパク・ソジュンと怪物として復活を果たすハン・ソヒ
激動の時代を生きた二人と未知なる怪物の誕生を描いた「京城クリーチャー」。最終回となる第10話では、再び舞台を病院に移し、再会を果たしたパク・ソジュンとハン・ソヒや、日本の思惑の前に散っていく儚い命が描かれた。気になるあらすじと最終考察、そしてシーズン2への伏線となりそうなポイントを確認してみよう。
●【「Netflix」で独占配信の韓国ドラマ】
「京城クリーチャー」は1945年の春、京城 (ソウルの旧称) にある謎めいた甕城 (おうじょう) 病院を舞台に、人間の貪欲さによって生まれた怪物(クリーチャー)と対峙し、生き残るための戦いに身を投じる実業家とトドゥクンの姿を描く。【「京城クリーチャー」を2倍楽しむ】では各話のネタバレあらすじと見どころ、キャスト、制作発表会レポートなどまとめて紹介。
■キャスト
チャン・テサン役:パク・ソジュン
ユン・チェオク役:ハン・ソヒ
前田ユキコ役:スヒョン
ナウォル夫人役:キム・ヘスク
ユン・ジュンウォン役:チョ・ハンチョル
クォン・ジュンテク役:ウィ・ハジュン
詳しいキャストやそれぞれの役柄についての詳細はこちらも参照→
Netflix韓ドラ「京城クリーチャー」押さえておくべきキャスト・登場人物を写真付きでまとめて紹介
■第10話「Tear」あらすじ
Netflixシリーズ「京城クリーチャー」独占配信中戻ってきたボモ(アン・ジホ)の情報のお陰で、チェオク(ハン・ソヒ)の居場所を知ったテサン(パク・ソジュン)は、ジュンテク(ウィ・ハジュン)らから手に入れた爆弾で騒ぎを起こし、その隙に病院へ侵入。監視フロアまで侵入したソンシム(カン・マルグム)に対し、チェオクを人質に取る加藤中佐。その頃、逃げ出したジュンウォン(チョ・ハンチョル)もテサンと合流。テサンは病院を処理する間にチェオクを救出して海外に脱出するよう促すが、ジュンウォンは自分が残ると言い、テサンに娘を託した。ソンシムの暴走は止められず、実験室の廃棄を余儀なくされた加藤中佐(チェ・ヨンジュン)は残された納人(ナジン)や血清を持って逃げ出す途中で捕らわれていた明子(ジウ)に目をつけた。
研究室にダイナマイトを設置したジュンウォンは妻を想って歌を口ずさみ、やってきたソンシムを恋しそうに見つめると、二人共に爆発に巻き込まれた…。テサンに救出され、父が自ら犠牲を選んだと知って嗚咽するチェオク。
病院での爆発火災は市内でも噂の的になった。消火活動が続けられる中、ソンシムの姿は見つけられず。彼女は爆発では死なず屋上に到達していた。幸本(ウ・ジヒョン)の導きで病院を脱出することに成功した二人だが、凶悪殺人犯として指名手配されているチェオクは警察の目をかいくぐって海外へ出なければならなかった。
ボモが運んだ逃亡資金を受け取った二人だが、目の前には由紀子(スヒョン)が立ちはだかった。圧倒的不利な状況で殺されそうになる二人をギリギリのところで救ったのは病院から抜け出したソンシムだった。更に襲われそうになったテサンを庇ってソンシムの触手に体を貫かれたチェオクは、テサンが想いを寄せている相手だと告げソンシムを止めるとそのままテサンに微笑み息を引き取った。その場で泣き崩れるテサン。
火が消し止められた京城。病院では加藤中佐が明子の腹から同じように怪物化の兆しを見せる赤ん坊を取り上げていた。石川(キム・ドヒョン)の告別式に参席していた由紀子のもとを訪れたジュンテクはテサンからの手紙を渡す。斎場には事件の犠牲になった人々からの献花が並べられ、仕掛けられたダイナマイトが炸裂した。
反乱作戦が成功したことで、愛国の英雄と讃えられるもどこかぽっかりと開いた穴が塞がらないテサン。そしてその年の8月、玉音放送と共に朝鮮は奪われていたものを奪い返した。病院を閉鎖し、日本への帰国を報告し飲み物を勧める加藤中佐に対して、爆破事件で大やけどを負って生き延びた由紀子は言葉を返さなかった。
水中に放り込まれるチェオク、そしてソンシム。母の姿でチェオクに触れると彼女は自身の身体に寄生していた納人(ナジン)を解き放ち、水底に沈んでいった。口から納人(ナジン)を取り込んだチェオクが目を覚ます…。
それから時が経ち、現代。発展を遂げたソウルの街を見つめる若者ホジェ。彼の姿は80年前に怒涛の時代を生きたテサンそっくりだった…。
■見どころ
1945年、祖国解放直前の京城(ソウル)を舞台にした怪物誕生スリラーが遂に完結。最終回となる第10話では日本が人体実験から生み出した怪物がいよいよ制御不可能となり病院内を恐怖のどん底に突き落とす中、時代に翻弄された主人公の悲恋が悲しい結末を迎えた。
ソンシムに迫られ、娘チェオクを人質に取り、破壊される研究所から納人(ナジン)を持ち出そうと血眼になる加藤中佐や、ソンシムのみならずその娘で、テサンと恋仲にあるチェオクにまで執拗な執念を見せた由紀子など、あくまでも日本人の悪役は生き残るも改心する素振りもなく、最後まで悪人として描かれた。しかし、由紀子とソンシムの関係については結局最後まで詳しく語られることはなく、重要な要素ではなかったのか疑問が残る。
ソンシムに至っても、病院から飛び出し娘チェオクのピンチを救うまでは筋が通っているものの、娘を殺めてしまい、悲しむテサンの傍らで攻撃を止め悲しむ素振りにはやや違和感を感じてしまう。クライマックスではシーズン2への伏線を彷彿とさせる水中のシーンで、納人(ナジン)を死んだ娘チェオクに譲り渡して水底に沈んでいったことから娘を救うために命を落としたと推測できるが、その空白の時間が現時点では不自然に感じられ、ぜひ次シーズンではこのあたりの時系列についても描いてほしいポイントだ。
■シーズン2へ続く伏線考察
ロマンス・反日・クリーチャーの3つの構成要素のうち、最終的には、731部隊をはじめとした旧日本軍の非人道的な行いへの非難を、チェオクの死や、人間性を保ったクリーチャーで強調したような趣旨の作品となっていた。しかし、クライマックスでは独立後に韓国が辿ってきた歴史が走馬灯のように流れ、テサンそっくりのホジェという人物が登場するところで幕を閉じ、シーズン2との関連性を予感させた。最終話を振り返ってみると、上述した通り、加藤中佐と由紀子が生き残っていることや、由紀子とソンシムの関係が明かされていないこと、加藤中佐が明子から赤ん坊を取り上げたこと、死んだはずのチェオクが水中で復活したことなどから、まだまだ描かれるべき部分は多い。
加藤中佐が由紀子に意味深な言葉とともに水を差し出すシーンでも、最後にグラスに焦点が当てられていたことから、加藤中佐は納人(ナジン)を由紀子に勧めたと見て間違いなさそうだ。テサンが愛する人を失ったわりには、直後の場面では思ったよりけろっとした表情で微笑んでいる姿を見て、復活したチェオクがテサンと再会を果たし、約束通り新時代を幸せに暮らせたのかどうかも気になるところ。
現段階では怪物化することによる寿命の変化については触れられておらず、ホジェが登場した現代を舞台に、納人(ナジン)を取り込んだチェオクらが再び登場するのか、それとも京城時代の1945年と現代のソウルが並行して描かれるのか、シーズン1で消化されていない要素がシーズン2でしっかりと回収されることに期待しながら続報を待ちたい。
Netflixシリーズ「京城クリーチャー」パート2は2024年1月5日より独占配信を開始した。
■作品情報
原題:경성크리처「Gyeongseong Creature (英題)」
監督:チョン・ドンユン
脚本:カン・ウンギョン
製作: Story & Pictures Media
共同製作: Studio Dragon、kakao ENTERTAINMENT
配信: Netflix
【作品詳細】【「京城クリーチャー」を2倍楽しむ】