NHK海外ドラマ「アストリッドとラファエル4」第4話“不死の男”ネタバレと第5話“盤上の殺意”予告
2月4日(日)に放送されたNHK総合でフランス発の大人気ミステリー「アストリッドとラファエル4 文書係の事件録」(全8話)の第4話“不死の男(Immortel)”のネタバレあらすじと見どころを紹介しよう。第5話“盤上の殺意(Le sacrifice du fou)”は2月11日に放送される。NHKプラスで見逃し配信、番組サイトで予告動画が公開されている。
「アストリッドとラファエル4 文書係の事件録」は、犯罪資料局の文書係として働く頭脳派のアストリッドと、猪突猛進型の警視ラファエルの女性コンビが難事件の解決に挑むフランス発のミステリードラマ。
2月4日に放送された第4話では、致命傷の他6か所も刺され、凶器は離れた所に捨てられていたにも関わらず、本人の指紋と血痕しか出てこない不可解な事件が起こった。状況証拠からは自殺としか思えないのだが、ゾンビになって動いたのでないかぎり、死後に凶器を捨てるなどありえない。さらに、被害者が家族に伝えていた勤務先がウソだったことが判明。さらに砂場に隠されていたデータの入っていないUSBカードが発見される。いったい殺害された人物とは何者なのか?
謎が謎を呼ぶ不可解な殺人事件に、アストリッドはいち早く被害者に双子の兄弟がいたのではないかと推理、しかし、被害者の出生記録にはそのような記録はない。ところが、被害者には驚くべき秘密があった。実は彼は大富豪の天才生物学者で、自身の希少遺伝性疾患を克服するために、20年前に遺伝子操作をした自身のクローンを世に生み出し、その人物に殺害されたのだ。
ミステリー仕立てで始まった難解な殺人事件は、実は父と子の愛情のすれ違いから起こった悲しい物語だった。被害者は生まれてきた自分のクローンである息子に愛情を抱き、息子の成長を守るために二重生活を送っていたのだ。しかし、不完全なクローン技術により、息子は健康体でいることができず…さらに予想外の出来事が起こり殺害事件に発展してしまった。
希少遺伝子疾患を克服するためにクローン技術を使うというアイデアをアストリッドは「論理的」と肯定するが、ラファエルは猛反対。実験台として生まれてくる子供たちの未来を考えてのことだ。とはいえ、アストリッドも論理的な部分を認めているだけで、実験台にされた赤ん坊を心配し涙をみせた。
そんな中、突然自宅を訪ねてくる異母弟のニルスに手を焼いていたアストリッドは、ニルスが鉛筆に噛み痕をつけるクセがあることを知り、それが亡くなった父と同じ癖だったことから、ニルスに家族としての絆を感じる。ニルスが何度もアストリッドの家に来たがるのは、この場所がニルスにとって居心地のよい場所だということ、ニルスと自分が静けさを好むことも理解し、姉弟としての共通点にもきがついたようだ。
友情や愛情とはまた違った、理屈ではない肉親とのつながりの心地よさを感じたアストリッドは、やっとニルスを受け入れ、大好きな父のことを弟に話し始めた。
次回、2月11日に放送される第五話では、ニルスがアストリッドの家に泊まりに来ることに。ラファエルが泊まりに来た時も、なんだかだと寝むることができなかったアストリッド、今度はどんなお泊り会になるのか楽しみ。
■前回:第4話「不死の男(Immortel)」ネタバレあらすじ
早朝、閑静な新興住宅地の公園のベンチで、医療機器の販売会社に勤めるフィリップ・マルシャンが刺殺された状態で発見される。心臓を含む6か所が刺され、現場から離れたスーパーのゴミ箱からは凶器らしき包丁が見つかった。
昨晩は雨が降っており、フィリップは雨が止んだ午前2時ごろに殺害されたと思われた。アストリッドの指摘で、公園の砂場にUSBメモリーが隠れされているのに気づくが、メモリーの中には何もデータが入っていなかった。被害者に犯罪歴はなく、妻・エレーヌと一人息子・サシャと暮らす家族思いで善良な一般市民と思われたが、家族に伝えられていた勤務先に問い合わせると、そんな社員はいないという。
初めの刺し傷が致命傷だったため、他殺と思われたが、凶器の刃物から採取した指紋とDNAは被害者本人のものだった。フルニエはこれらの状況から、フィリップの自殺と推測する。既に死んでいたはずの被害者がスーパーに凶器を捨てられるはずがないとラファエルは呆れる。
ノラが被害者の銀行口座を調べると、大富豪の実業家・イザーク・ラクデムがフィリップの口座に大金を振り込んでいたことが判明する。ラファエルは事情を聴くため、イサークが経営する会社「イタークス」を訪ねる。常務取締役のモレッティは、多忙なイサークに会える人物はごく限られた人間しかいないと面会を拒絶、しかしラファエルからフィリップの写真を見せられたモレッティは、彼がイザーク・ラクデムだと証言する。
モレッティは、イサークが匿名の天才生物学者で、病も老いも死をも科学が制御できるとする、最先端の研究を進めていたと話す。どうやらフィリップは、仕事とプライベートを完全に分け、家族にさえ自分の本名を知らせずに生活していたようだった。
アストリッドは過去の判例から、被害者本人のものではなく、双子の兄弟のものだと推測。フルニエに凶器からでたDNAを調べてもらうと、たしかにフィリップとよく似た別人のDNAが検出された。アストリッドはフィリップの兄妹を探すため、出産時の病院のカルテを見つけるが、そこに双子の情報は記載されていなかった。
フィリップの妻・エリーヌは夫が秘密主義なこと、何かを隠していると感じ、浮気を疑っていたが、深く追求したことはなかったと語り、フィリップに兄弟がいるという話はきいたことがない、昨夜はフィリップが外出したことにも気づかなかったという。息子のサシャは昨夜は恋人のカミーユの家にいたと話し、同じく父には兄弟などいないと断言する。
フィリップのPCからメールを調べていたノラは、すべてが暗号化されているため苦戦。アストリッドは、メールの形状からヴィジュネル暗号が使われていることに気づき、砂場で見つけた空のUSBメモリーが暗号の鍵だと気づく。USBの中身でなく、外側に貼られたシリアルナンバーが重要だったのだ。
フィリップとモレッティの間で交わされた暗号メールには“アンティゴネー”という極秘計画について書かれていた。“アンティゴネー”は不妊症の夫婦に生まれた子供の名前で、「イタークス」が体外受精に協力し、遺伝子疾患をもつ夫婦の胚のDNAに移植前に手を加え、誕生したゲノム編集ベビーだった。
モレッティは遺伝子操作によって遺伝性疾患を根絶するための実験だったこと告白、この実験の成功によって多くの人を救えるはずと豪語。アストリッドは論理的なモレッティの考えを肯定するが、ラファエルに「命は数学じゃない」と反論する。アンティゴネーの両親は娘が実験台にされたことにショックを受けていた。アストリッドも幼いアンティゴネーに感傷的になる。
フィリップ自身も希少遺伝性疾患「ミュラー運動失調症」を患っていたことが判明する。短命であるはずの遺伝疾患をもち、25歳で発病し余命宣告をうけていたフィリップだったが、50歳までは健康に生きてきた。そのご、フィリップは余命宣告を受けた後に、アンリエット・ラックスという女性を伴い中国へ渡航し、健康になって戻ってきたことがわかる。
アンリエットはフィリップから多額の謝礼を受け取り、代理母出産をしていた。フィリップは遺伝子操作した自分のクローンを作り、遺伝疾患を克服したのだ。自分の病を克服するために中国でクローンを作ったのではないかと推理を語るラファエルに、モレッティはイサークがフィリップとして二重生活を送るようになったのは、生まれてきたサシャに心を奪われ中国から連れ帰り、息子として大事に育てるためだったと明かす。そして、イサークは完全な人間ではなく、今末期のがんを患っているとも。
サシャの恋人で緩和ケア看護師のカミーユは、1年前に末期がんを宣告されたサシャが治療を拒み緩和ケア科に来たときに出逢ったと打ち明ける。フィリップを殺害した凶器についていた血液と指紋はサシャのものだった。サシャが入院する病院を訪れたラファエルは、ついに事件の真相を聞く。
サシャは自分が不治の病になったあと、父から自分が遺伝子操作された子供だと知ったという。カミーユの勧めで親子鑑定してみると、結果は鑑定不可、どちらも同一人物のDNAと判定されたのだ。自分が父の遺伝子疾患を治すために作られた子供だと知ったサシャは絶望、サシャへの残酷な仕打ちに怒りを覚えたカミーユは刃物を手にフィリップを呼び出し罵倒。心配して様子を見にいったサシャはカミーユが刃物を奪われそうになったのを見て割って入り、父を刺し殺してしまったのだサシャは自分の行いを悔いていた。相手はこれまで敬愛していた父なのだから…。
■次回:第5話「盤上の殺意(Le sacrifice du fou)」あらすじ
世界中のプレイヤーが参加するチェスの大会で、優勝候補のミカエル・コロレヴァが対局中に突然死亡する。コロレヴァは毒殺されたことが判明し、毒は被害者が使った駒に付いていた。被害者のポケットから試合用とは別の赤いチェスの駒が見つかる。さらに別のプレイヤーが殺され、その体から再び赤い駒が見つかる。資料を調べていたアストリッドは2年前の類似事件を見つける。一方、アストリッドは異母弟ニルスを週に1回、家に招いて泊めることになり、いよいよその日がやってくる。
■キャスト
アストリッド・ニールセン(サラ・モーテンセン:貫地谷しほり)
ラファエル・コスト(ローラ・ドベール:林真里花)
二コラ・ペラン(ブノワ・ミシェル:川田紳司)
ノラ・モンスール(ソフィア・ヤムナ:種﨑敦美)
アンリ・フルニエ(ウスキ・キアル:佐々木睦)
カール・バシェール(ジャン・ルイ・ギャルソン:藤真秀)
ニルス(アンディ・ジュディオ:下地紫野)
テオ(ティミ・ジョイ・マルボ:宮瀬尚也)
ウィリアム・トマ(ジャン・ブノワ・スイル:粟野志門)
テツオ・タナカ(ケンゴ・サイトウ:中川慶一)
アンヌ・ラングレ(ヴァレリ・カプリスキー:山像かおり)
原題:Astrid et Raphaëlle
制作:2023年 フランス
© FRANCE TÉLÉVISIONS - JLA PRODUCTIONS - Be-FILMS - RTBF (Télévision belge) – 2023
【放送予定】NHK総合 2024年1月14日(日)23時より 全8話
[ステレオ2か国語(主:日本語吹き替え/副:英語)| 字幕放送有り]
(放送日時は変更になる場合があり)
NHK「アストリッドとラファエル4 文書係の事件録」番組サイト
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