岡本知高が旅するオペラの中心地ナポリ「夢の聖地」予告動画-NHK

2010年07月07日09時00分暮らしと文化
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7月7日BShiで放送の「夢の聖地」にはオペラ歌手の岡本知高(33)が登場、オペラの聖地であるナポリを旅する内容の予告動画が公開されている。岡本は現在世界で3人しか存在しないソプラニスタ(男性ソプラノ歌手)であり、その岡本がかつて人工的に作られたソプラノ歌手である「カストラート」の音楽史を紐解き、その再現に挑戦する。

カストラートとはソプラノの声を維持するために去勢された男性歌手の事で、芸術を偏重する近代以前のヨーロッパに存在していた。ボーイソプラノといえばウィーン少年合唱団などが世界的に有名だが、その男性によるソプラノを維持するために変声期を無くす事を目的として男性に対して去勢を行っていた時代があった。カストラートは去勢によって男性ホルモンの分泌は抑制されるものの、成長ホルモンはそのままのために成人男性と同体型でなおかつソプラノという環境から声のトーンや持続力が独特で当時の音楽界において花形的存在であった。
しかしながら人道的見地から現在はカストラートは存在せず、当時のオペラを再現するのには女性歌手が代用されているものの、その身体的特徴からやはり完全な再現は難しいとされていた。
岡本は幻の歌声と呼ばれるカストラートの存在にかねてから注目しており、カストラート独自の歌唱技術に興味を抱いていた。ナポリにはその昔、カストラートを夢見て全国から少年たちが集ったという音楽院や、カストラートたちが歌った舞台や教会などの史跡が数多く残る。
そうした場所と共にナポリ在住で数々の歌唱法に精通するソプラノ歌手の下を訪ね、カストラートのためのアリアの超絶技巧を再現するべくレッスンを受ける。

「夢の聖地」は7日(水)よる8時から放送。番組予告動画は、NHKテレマップMOVIEで視聴出来る。


NHKテレマップMOVIE 「夢の聖地」ナポリ響け!幻の美声~声楽家・岡本知高~