小芝風花「天使の耳~交通警察の夜」第2話、盲目美少女がユーミンの曲と『通りゃんせ』で裏工作…次の事故はあおり運転(原作と違い)

04月10日08時30分ドラマ
画像:NHKより

9日(火)放送された小芝風花主演のNHK「天使の耳~交通警察の夜」第2話では、交差点で起きた衝突事故の後半と、新たなあおり運転による事故を描いた。この回のネタバレあらすじと、原作と相違点など紹介する。第3話の予告動画は番組サイトで、第2話はNHK+で16日(火) 22:44 まで見逃し配信している。
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「天使の耳~交通警察の夜」は、東野圭吾の1995年の短編小説『天使の耳』を小芝風花主演でドラマ化した作品。交通警察で扱う日常起こりうる交通事故を全6篇で描いている原作からドラマは全4話で放送する。第2話の原作は『天使の耳』編後半と、新たな事故『危険な若葉』編前半。なお、全体を通した原作との相違点や見どころは第1話ネタバレあらすじで紹介している。

『天使の耳』編は、交通課の新人、陣内瞬(まどか・小芝風花)がベテラン刑事、金沢(安田顕)と担当した深夜の交差点での衝突事。第1話の前半は、事故は目撃者はおらず、一方の運転手・友野和雄(草川拓弥/超特急は青信号での直進を主張。もう一台の運転手は搬送先の病院で死亡。しかし同乗していた妹の奈穂が青信号だったと訴える。奈穂は目が不自由だが特別優れた聴力を持っており、事故当時ラジオから流れていたユーミンの「リフレインが叫んでる」から青信号だったと主張するという展開だった。

■第2話(天使の耳・後半)ネタバレ


斎藤多華子課長(檀れい)の提案により、上層部の前で実験をして奈穂の証言を立証することに。広い会議室で居並ぶ警察上層部の面々が前方の奈穂を見つめる。「リフレインが叫んでる」の歌が流れ、進行係が「パソコン、上履き、財布、香水、大谷翔平、電卓…」と女子高生なら知っているだろう単語を脈略なく延々と読み上げていく。途中で署長が咳払いを一つした。

次に、読み上げた単語の中から一つを選び、奈穂はその単語がどの歌詞のときに読み上げられたかを答える。奈穂は10問を全正答。ところが、署長が「私が途中で咳ばらいをしたのを覚えているかな」と質問。緊張が走る中、奈穂は「“後悔しなくなれ”…の“し”です」と答えた。「素晴らしい。奇跡の耳だ」署長の言葉と全員の拍手で奈穂の証言は立証された。

改めて友野の聞き取りが行われた。観念した友野は目撃者は彼の知人で、嘘の証言を頼んだと自白。そして信号は赤だと認識していたが、助手席の瑠美子(足立梨花)が機嫌を悪くしてすぐ降りると暴れ、彼女を抑えることに気を取られてそのまま直進したと自供し、逮捕された。

瞬はこれを奈穂に報告し、奈穂は涙を流して喜び、感謝した。

その後、瞬は事故現場で瑠美子と遭遇した。現場に花を手向けに来たのだという。瑠美子は嘘をついていたことを認め、奈穂を称賛した。その後の会話で、瑠美子も信号機近くのデジタル時計に気づき「ぶつかって顔を上げたときに、ちょうど00:00と零が並んだのを見た途端に、零時1分に変わったように思う。顔を上げるのが10秒くらいかかるから事故が零時〇分48秒ならつじつまが合う」と言って立ち去った。瞬は凍り付いた。実はデジタル時計は41秒遅れていて、それを計算したうえでの00:00:48だったのだ。瑠美子ははそれを知らない。

帰署した瞬は金沢にこれを話し、計算をし直した。瑠美子が見た本当の時刻は00:01:41、実際に事故が起きたのは00:01:30となり、奈穂の証言と40秒以上くい違う。もし、00:01:30が本当の時刻なら双方の信号が「赤」になる4秒間に当たる。

金沢は、奈穂の気になった行動からある仮説を瞬に話した。
事故直後、奈穂はスマホで時報を聞きながら、青信号を知らせる盲人用の「通りゃんせ」のメロディの始まる正確な時刻をあらかじめ記憶する。次に翌日の同時刻に妹と一緒に事故現場に来て、妹にスマホのタイマーでメロディの始まる時刻と信号の変わるサイクルを計らせる。後は奈穂が「リフレインを叫んでいる」を聞き込んだうえで青信号になる事故発生時を設定する。本当は曲のもっと後の方で事故は起きていたが、奇跡の耳を持つ奈穂ならできるトリックだ。

「彼女の奇跡の耳は真実を訴えるためではなく、警察を手玉に取るために使われたのでしょうか」と、苦悩の表情の瞬。金沢は「世話になった兄が信号無視をしたと知られたくなかったのだろう。兄の名誉を守るために事故直後から裏工作を始めたのだろう」と呟く。どうしたらいいのかという瞬に「何もしない手もあるよね。人の命を奪っても法に裁かれない人もいる。友野は罪を認め、奈穂の兄は亡くなっている。あの子の嘘ぐらい気づかないふりをしてもいいんじゃない」と告げた。

※原作との相違:実験で単語を読み上げるのが原作では婦人警官だが、ドラマでは男性警官に変わっており、ドラマ版では「大谷翔平」という単語が入っている。また奈穂が「空き缶のポイ捨て」被害に遭ったカップルに、告白ともとれる「大切なものを守りたいなら、自分で何とかするしかないですよね」の言葉や、課長(檀れい)の武勇伝動画はドラマオリジナル。



■第2話(危険な若葉・前半)ネタバレ


瞬はあらたな事故現場に金沢と駆けつける。ぶつけられた塗膜片や別の車のブレーキ痕などから事故車はあおり運転のすえ当て逃げされた疑惑が浮上する。被害者・福原映子(泉里香)の妹・真智子(中村ゆりか)から事情を訊くと、映子は免許を取ったばかりだが慎重で、怖がりなので理由なくスピードを出すことはしないというのだ。映子の意識が戻るが、事故当時のことを覚えていないという。

後日、真智子から呼び出された瞬と金沢は、姉妹が暮らすマンションへ。そこで真智子が姉の映子が1週間ほど前から、車のブレーキにボールを挟んであったり、車のフロン後ガラスにレンガが投げ込まれたり、危険な目に遭っていたというのだ。記憶が戻りかけた映子は、事故の原因が、金沢の見たて通りに後続車からのあおり運転だと話した。その後は思い出せないという映子に代わって真智子が、「3日前に遺体が発見された事件の犯人を、姉が見たために命を狙われている」と訴えた。映子が橋の近くに車を止めてずれたコンタクトレンズを直しているときに、怪しい人を見たというのだ。その時はマネキンなどを不法投棄したと思ったが、あとでニュースで事件を知って人間じゃないかと思ったという。男の顔は覚えていないが、体格が良くて、腕に白いリストバンドをしていたという。おそらく映子の顔を見られたとも。

金沢はこのことを親しい事件担当刑事の耳に入れる。その後、また真智子から連絡があった。駆け付けると、昨夜また映子が神社の石段から突き落とされたと訴えた。犯人はグリーンのスニーカーを履いていた体格のいい男で、おそらくあおり運転した男だという。

※『危険な若葉』の原作との相違は、次回まとめて紹介する。

NHK総合 2024年4月2日スタート。毎週火曜22時放送「天使の耳〜交通警察の夜」。出演:小芝風花,安田顕,檀れい,飯沼愛,溝口琢矢,吉住,植木祥平,星野真里,泉里香,中村ゆりか,前川泰之,石田ニコル,中島ひろ子,山下容莉枝,東貴博,ほか。番組公式X(Twitter)アカウントは「@nhk_dramas」。

NHK「天使の耳〜交通警察の夜」番組公式サイト

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