「捜査班長1958」第1−2話:イ・ジェフンら正義の味方4人が集結し理不尽な社会に一喝(ネタバレ)

04月21日07時30分ドラマ
『捜査班長1958』ディズニープラス スター独占配信中
© 2024MBC. All Rights reserved.

ディズニープラススター4月19日(金)より配信を開始したMBC韓国ドラマ「捜査班長 1958」(全10話)。1970年代から18年間放送された超大作ドラマの前日譚を描いた本作の第1−2話では主演のヨンハンら情熱あふれる若手刑事が戦後復興期の不安定な社会や腐敗した警察に立ち向かう様子が描かれた。

気になるあらすじと見どころをチェックしてみよう。
【「Disney Plus」で独占配信の韓国ドラマ】

「捜査班長1958」は、韓国で1971年から1989年まで18年間に渡って放送され記録的大ヒットとなった、犯罪捜査をテーマにした伝説的ドラマ「捜査班長」の前日譚(プリクエル)を描いた作品だ。



■キャスト
パク・ヨンハン役:イ・ジェフン
キム・サンスン役:イ・ドンフィ
チョ・ギョンファン役:チェ・ウソン
ソ・ホジョン役:ユン・ヒョンス
イ・ヘジュ役:ソ・ウンス
 ほか

■第1話「煌泉から来た男」あらすじ捜査班長© 2024MBC. All Rights reserved.市内で昔ながらの小さな商店を営む一人の老人(チェ・ブラム)は壁にかけられた警察署長退任式の記念写真を眺める。行きつけの餅屋に寄った彼は、若かりし頃の自分と瓜二つの孫ジュンソ(イ・ジェフン)に会いに鍾南(チョンナム)警察署を訪れると、犯人検挙のために飛び出していく孫たちの姿を見て、自分が初めて鍾南警察署にやって来た若かりし日のことを思い出していた。

1958年、京畿道の田舎にある煌泉(ファンチョン)で浮浪者に扮して牛泥棒を検挙したヨンハン(イ・ジェフン)は3年連続で牛泥棒検挙率1位を誇り、「煌泉の補盗大将」の異名を誇るやり手の警察官だった。功績が認められソウルの鍾南警察署への転属を命じられたヨンハンは醸造所を営む父や仲間に見送られ、初めて訪れる大都会ソウルでの刑事生活に期待を膨らませるが、彼が目の当たりにしたのは市民から場所代を巻き上げる暴力団と、彼らを野放しにするばかりか社会を牛耳るジョンジェ(キム・ヨンソン)やその配下である東大門派と結託して私益を肥やす腐敗した警察だった。

刑事課1班への配属初日から東大門派の会合に乱入したヨンハンはヘビを使った巧妙な作戦で、ボスであるマムシ(カン・イングォン)の無血検挙を成し遂げるが、ジョンジェと癒着しているチェ署長(オ・ヨン)に釈放を命じられ早くも警察の実態に失望してしまう。その頃、東部大虎団という別の暴力団と乱闘して検挙した2班の刑事サンスン(イ・ドンフィ)もまた、市民の安全よりも暴力団との関係を重視する上司に不満を抱いていた。持ち前の明るさと外見ですぐに下宿先でも打ち解けたヨンハンはその夜、学徒兵時代に罪のない民間人を射殺させられた悪夢に襲われる。

翌日、釈放された東大門派によって市場が報復を受けたと知り、市民からも後ろ指を指されたヨンハンはショックを受けるが、餅屋には好意的に招かれ、応援してくれる人もいることに安堵のほほえみを浮かべた。市場では東大門派が場所代を徴収するために現れ騒然とするが、米屋のギョンファン(チェ・ウソン)がたった一人で集団を蹴散らし、一部始終を見ていたヨンハンは彼の怪力に感心していた。

暴力団との癒着に否定的なユ班長(チェ・ドクムン)とヨンハン、サンスンを除く刑事らが怪しい行動を見せ始め、彼らが東大門派を通じて米軍から密輸をする現場を押さえたヨンハンとサンスンだが、一触即発の状況で仲間だと思っていたサンスンに殴られヨンハンは気を失ってしまう。

■第2話「鍾南警察署 熱血1班」あらすじ
捜査班長© 2024MBC. All Rights reserved.サンスンはヨンハンを銃撃から守るために殴って気絶させ、寝返った素振りを見せるが直後に殴られて気絶してしまう。田舎に捨てられた二人は目を覚ますと、米軍に密告する代わりにある行動に出た。不正を働きながらも平然と構える他の刑事たちに余裕の表情を見せるヨンハンら。二人は密輸品が置かれた倉庫を市民に開放し、不正してまで手に入れた利益を全て失った署長はジョンジェに対する面目を失ってしまい大激怒するも、すっかり意気投合した二人は負けじと巧みに言い返し署長らを黙らせた。

ヨンハンの一連の大胆な対応が市民の間で噂になり、警察に対する印象が変わり始める。米軍との関係がこじれたジョンジェはヨンハンを始末しようとする。大挙して押し寄せた暴力団から逃走したヨンハンは書店に逃げ込むと店主のヘジュ(ソ・ウンス)に匿ってほしいと懇願し、彼女の迫真の演技のおかげで難を逃れた。ヘビを放ったと噂の刑事がヨンハンだと知って心を開き、二人の距離が近づく。

ヘジュに片思い中の大学生ホジョン(ユン・ヒョンス)は警察官を夢見ながらも父に反対され留学の準備を続けていたが、前の夜に書店で遭遇した出来事が頭から離れず、大学で行われていた警察官の特別志願の書類をこっそり持ち帰る。

目をつけられたヨンハンを守るというユ班長を一笑し、自分ひとりしかいない1班の刑事をスカウトするように命じられたヨンハンはまずサンスンを2班から引き抜き、次に目をつけたのは市場で怪力で東大門派を蹴散らしたギョンファンだったが彼は首を縦には振らなかった。警察官になる夢を諦めようと大事にしていた保安官バッジを窓から投げ捨てようとしたホジョンだが、バッジは三度とも窓の格子に跳ね返ってホジョンのもとに戻ってきた。運命を感じたホジョンはすぐさま志願書を提出した。

腐敗したイメージのせいで警察を毛嫌いしていたギョンファンだが、ヨンハンがヘビを放った噂の英雄だと知ると尊敬の眼差しを向け始め、こうしてギョンファンとホジョンの二人が警察官になるべく試験を受けることになり、それぞれ肉体と頭脳で合格を勝ち取った。

ホジョンの合格祝いで酒を交わしたヨンハンは偶然見かけた幸せそうなカップルを見て動揺し、ヘジュの書店に足を運ぶと、勇気を出して映画デートに誘い、ヘジュもそれを受け入れた。

配属されたホジョンは早速ダイナマイトを所持していた外国人の尋問を任されるが、隙を突かれてダイナマイトに火をつけられてしまう。どうにか窓から投げ捨てて死傷者は出なかったものの、チェ署長の愛車が爆発炎上してしまう。チェ署長の無理強いで奉仕活動に参加させられた1班は映画の撮影に参加させられる。ヨンハンらはユ班長がなぜチェ署長と対立しながらも職を維持できるのかが不思議で尋ねるがお茶を濁されてしまう。

爆発事件で期待のエリート新人から一気に目の敵にされ追い出されたホジョンは一人酔いつぶれ、そんな様子をヨンハンが目撃していた。ある日、米兵の差別的な行動が発端となり乱闘騒ぎが発生。出動を命じられたヨンハンらは2班で靴磨きに成り下がっていたホジョンを通訳係として引き抜くことに。問題を起こしたのが密輸にも関わっていた男だと知った一同は巧妙に内部に入り込むと決死の乱闘の末に米兵を検挙した。ホジョンの得意技が英語でも頭脳でもなくハッタリだと見抜いたヨンハンは正式にホジョンを1班に迎え入れた。



■見どころ
イ・ジェフンらが主演を務める名作の前日譚が配信を開始した。まず押さえておきたいのが原作だ。チェ・ブラム演じるパク・ヨンハン班長を筆頭とする5人の警察官が、当時の時代的共感を得ながらも実際に起きた事件を解決していく刑事ドラマとして人気を博し、数度のキャストやスタッフの交代を経ながらなんと1971年から1989年まで18年にも渡って放送されたモンスター級長寿番組で話数は880話(+外伝作品10話)にものぼる。

日本のドラマで例えると石原裕次郎らが出演した「太陽にほえろ!」は1972年から1986年まで15年間で全770話放送されたが、石原裕次郎演じる藤堂の前日譚を描いた物語だといえばイメージしやすいかもしれない。

本作の舞台となる1958年の韓国は、第一共和国と呼ばれた時代であり、1953年の朝鮮戦争休戦以降、復興に乗り出すものの最貧国の粋から抜け出せず、更に李承晩初代大統領のもとで独裁政権が敷かれ、警察や政治の腐敗が問題視されながらも市民が自由に言論することを許されていなかった苦難の時代だ。当時10歳で社会を肌で感じ始めていた世代は2024年現在86歳を迎える後期高齢者だ。彼らにとっては最新の技術や映像で再現された当時の風景はどう映るのだろうか。

オリジナル作品が放送を開始した1971年に20歳で作品の主な視聴者層だったであろう若者も今年で73歳を迎える。そんな彼らにとって主演のチェ・ブラムが老年のヨンハン役で登場する冒頭のシーンは感慨深いものだったに違いない。更に原作では主要なキャストの多くが俳優の名前をそのまま役名にしていたため、惜しくも既にこの世を去ってしまった名優キム・サンスンやチョ・ギョンファンなど俳優を連想させノスタルジーを感じさせる。

舞台となった1950年代後半や、1971年から1989年まで原作を楽しんだ視聴者にとってはノスタルジーが詰まった作品でもあり、当時の世相や原作を知らない若い世代にとっても、目新しさを感じさせ、訴求対象の年齢が非常に幅広く、第1話ではMBC金土ドラマ史上最高となる全国視聴率10.1%(ニールセンコリア調べ)を記録し、歴代金土ドラマ初放送視聴率1位と快調な滑り出しを見せた(4/20既報)。第2話の視聴率は全国7.8%、首都圏8.1%だった。

ストーリー面で言えば、腐敗した社会情勢を反映するように理不尽でもどかしい場面も登場するものの、それをも笑い飛ばすようなコミカルな要素が至る所に散りばめられ、最後に正義が勝つように描かれているので痛快感が感じられ、安心して観ることができる。正義の味方として描かれるヨンハンが悪夢で見た過去や、ヘジュとのラブラインなど注目ポイント満載で第1−2話だけでも多くの視聴者を魅了する作品だ。

『捜査班長1958』ディズニープラス スターで4月19日(金)より独占配信開始。第3話は26日(金)21時50分に放送、その後、Disney Plusで独占配信される。
(全10話/毎週金・土曜日1話ずつ配信)

YouTube第3話予告(二音語字幕なし)

kandoratop【作品詳細】【関連・各話のあらすじ】