NHK「燕は戻ってこない」第2話自由になりたかったら結婚と出産!?代理母を決めた理由…原作との違いと第3話予告、一挙再放送も

05月12日20時00分ドラマ
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5月7日放送のNHKドラマ10「燕は戻ってこない」第2話のネタバレあらすじとみどころを紹介しよう。5月14日(火)22時よりNHK総合で第3話が放送される。NHK番組公式サイトでは、第1話と第2話のプレイバック動画などが公開、NHK+で見逃し配信されている。

また、NHK総合にて第1話〜第3話一挙再放送も決定した。2024年5月18日(土)24:40~26:55(19日(日) 午前0:40~2:55)



桐野夏生の同名小説が原作の「燕は戻ってこない」は、“命は誰のものか”という重要なテーマを扱った、鮮烈なエンターテイメント作品。

5月7日放送の第2話では、夫の遺伝子を残すために“代理母”を受け入れた悠子の葛藤と、“自由”を手に入れるために、リキが“サロゲートマザー”になることを決意するまでが描かれた。

気軽に帰省することができない貧困の中にいるリキとその家族。他人に干渉される田舎町で育ったリキは、生涯独身だった叔母から、「金がなくては話にならない。自由になりたかったら結婚すること」だと言われてきた。誰にも干渉されない自由を手に入れるため上京したはずのリキだったが、結局「金」が原因で望みは叶っていない。

「結婚=自由」。まだ若かったリキにはその真意が理解できなかったが、「女」でいることが「妻」や「母」より冷遇されることに気づいた今のリキには、それがどういう意味か痛いほどわかる。そんなリキが「300万の報酬」と「快適な生活」を提示されたら、揺れ動かないわけがない。

自分の人生を“完璧”にするために“代理母”を求める基
執拗なまでにリキに嫌がらせをする隣人・平岡
テルの稼ぎを搾り取るヒモのようなソム太
リキとの不倫を“遊び”と割り切る日高
“妊娠”の責任から逃げ出した元カレ
ラブホテルに行ったことを仲間に公表した同級生

リキが出会ってきた男たちは、自分の欲望を叶えるために女を利用する。「女は簡単に自由を奪われる」リキがそう思ってしまうのは、そういった「男」たちがいたからなのだ。

自由は手に入れたかったが、これまでリキの中に「結婚」という選択がなかったのもうなづける。お金を得るために“風俗”ではなく、“卵子提供”を選んだリキは、どこかで「男」と一線をひいているように感じる。男に依存しない“代理母”なら、世間の一員として自由になれると信じたのだろう。

「代理母候補」として草桶夫婦と顔合わせに行ったリキの、どこか幼さを感じさせる怯えた表情も印象的だった。まだ何者でもない彼女が、ありったけの勇気をふり絞って出した決断なのだ。これからリキがどんなふうに「自由」を手に入れるために動くのか、最後まで見守りたくなった。



■原作との相違点と今後の展開
第2話に、これから重要な役どころとなっていく悠子の親友で春画家のりり子が登場した。小説の中では、りり子が創り出す作品と、彼女を取り巻く世界は、リキを変える重要な役割を担っている。

りり子と悠子の関係はほぼ原作どおり、中村優子演じるりり子も、まるで作品から抜け出してきたかのよう。

“セックス”を男女のキテレツな行為として描くりり子だが、“恋愛”にも本当のセックスにもまったく興味がない。結婚せずとも金に困らず、誰からの干渉もうけずに当たり前のように「自由」を謳歌しているりり子。陰と陽のようなリキとりり子の関係にも注目してほしい。

■主要キャスト
大石理紀(リキ)役: 石橋静河
草桶基役:稲垣吾郎
基の妻・悠子役:内田有紀
基の母・千味子役:黒木瞳
リキの隣人・平岡役:酒向芳
リキの同僚・河辺照代(テル)役:伊藤万理華
生殖医療エージェント・青沼薫役: 朴璐美
悠子の親友・寺尾りり子役:中村優子
リキの叔母・佳子役:富田靖子
リキの元上司・日高役:戸次重幸
ほか

■第2話 ネタバレあらすじ
生殖医療エージェント「プランテ」でサロゲートマザーを打診されたリキは、他の女性の卵子と夫の精子から生まれた子を、妻は自分の子供と思えるものなのか?と尋ねると、エージェントの青沼は「子作りという“一大プロジェクト”を、夫と共に最初から“プロデュース”するのだから当然」と答える。

さらに、この仕事がいかに責任感の問われる大切な仕事で、受託者に大きな利益を産むものだということを説く。「母体の環境を整える事こそ、最優先事項、安らげる住まいで、美味しい物を食べて過ごして貰わないと…報酬は“最低300万”」妊娠中の生活費はもちろん、出産後は感謝の謝礼も見込めるはずという。

隣人・平岡からの嫌がらせを警察に相談するも「実害」がないということで何の対応もとってもらえない。アパートに戻っても平岡に気づかれるのを恐れて息をひそめる。「女は簡単に自由を奪われる…」母から余命いくばくもない叔母・桂子を見舞うよう連絡を受けても、金欠のリキにはどうすることもできない。母も飛行機代を用立てるのは厳しいという。

そんな中、桂子の訃報が届く。「“お金”がなければ話にならん。リキはまだ間に合う。私のようにはならないでほしい」と自由になるための結婚を勧めた叔母。人に干渉されない東京に出て、自由になれると思っていたリキだったが、結局“お金”のせいで毎日が不自由だ。同じく金欠のテルは、元カレのソム太と寄りを戻して、風俗で稼いだ金を貢ぐ。プランテのエッグドナーもソム太との純愛のために辞めたという。リキは裏切られた気持ちになるが、テルに身体を売らずに卵子を売ることを決めたのはリキ自身だと言われてしまう。

一方、悠は大学時代からの親友・寺尾りりこから「代理母など絶対に許すな」と心配される。しかし、悠子は「基の遺伝子」が残せないのが、自分の子宮の問題だと罪悪感を感じていた。

優秀なバレリーナである両親の“血統”を証明する為、これまで頑張ってきた基は、「自分にも遺伝子の証明となる分身」が欲しいと切望していた。母を納得させ、愛する悠子と別れないためにも「代理母」という選択肢は欠かせないのだ。基は“血統”を継ぐ後継者が得られた未来を夢想する。

叔母の葬式にも出られなかったリキは、ついに「代理母」になる決意を固め、「プランテ」に連絡をいれる。そして、草桶夫婦との面談に…。リキは、ハンカチを握りしめる悠子の憤りを感じ、「この人も(叔母のように)“間に合えなかった”人なんだ」と思う。



■第3話 あらすじ
リキは基と悠子夫婦とついに顔を合わせる。代理出産は単なるビジネスと自分に言い聞かせるが、悠子の思いも激しく揺れていることを知り混乱していく。一方の基はリキと初めて会い、自分の選択に間違いはないと確信する。自らの遺伝子を受け継ぐ子が生まれることへの期待を高まる。リキは、身体が買われることへの抵抗から、女性向け風俗のセラピスト、ダイキ(森崎ウィン)と会う。

ドラマ10「燕は戻ってこない」(全10話)は2024年4月30日放送開始。NHK総合 毎週火曜 22:00~22:45、BSP4K毎週火曜 18:15~19:00。再放送はNHK総合 毎週金曜 0:35~1:20 ※木曜深夜に放送される。原作:桐野夏生『燕は戻ってこない』(集英社)/音楽:Evan Call/出演:石橋静河、稲垣吾郎、 森崎ウィン、 伊藤万理華、 朴璐美、富田靖子、戸次重幸、内田有紀、黒木瞳、 酒向芳、中村優子、あめくみちこ、吹越満、いとうせいこう ほか


NHKドラマ10「燕は戻ってこない」nhk公式サイト

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