映画『パドレ・プロジェクト』公開日決定、ポスター&予告編・シーン写真7点を解禁
お笑い芸人「ぶらっくさむらい」として知られる武内剛(たけうち・ごう)の初監督作品、生き別れの父親を探す旅を記録したセルフ・ドキュメンタリー映画『パドレ・プロジェクト/父の影を追って』が2024年8月31日(土)より新宿K’s Cinema ほかにて全国ロードショーが決定した。あわせてポスター&予告編・シーン写真7点を解禁した。
また、マシンガンズ滝沢、枡野浩一、矢野デイビッドら、各界著名人からの全力応援コメントも寄せられた。
『パドレ・プロジェクト/父の影を追って』は、コロナ禍の真っ只中、生き別れた父を探しにイタリアへ…“ハーフ”として日本で育った監督が自らの旅を記録した、ルーツを巡るドキュメンタリー。
本作の監督、武内は日本人とカメルーン人のハーフで日本で育った。2歳の頃、両親が別れ、母親が一人で武内を育てたため、父親の記憶は全くない。母親の思い出話から、クリエイティブな父親像が浮かび上がり、その影響で武内はお笑い芸人・ぶらっくさむらいとして活動していた。しかし、2020年にCOVID-19のパンデミックが発生し、父親に会えないかもしれないという思いからイタリアへ渡り、父親探しの旅を始めた。
旅の途中、武内は自ら映画の監督・プロデューサーとなり、この経験を映画に記録することにした。渡航のハードルや母親から得られる情報の少なさに苦しみつつも、40年前の父親の写真だけを手掛かりにイタリアで父親を捜索した。異国の地で自身のルーツに向き合いながら懸命に探し続け、ついに父親の手掛かりを掴んだ。
解禁された予告編は、武内が「パドレは“父親”って意味よ」と友人に教わるシーンから始まり、イタリアのテレビ番組にビデオレターを送る場面が続く。武内はカメラに向かって「僕の名前はタケウチゴウ。父親を探しています」と語りかける。この<父親探し>の旅は、自分のルーツに向き合うためのものでもあり、老人ホームの母親に旅の目的を告げる場面が感動的だ。しかし、イタリアでの捜索は困難を極め、「父親を探していることは秘密にしろ」「どうしてここに入った?」と緊迫する場面もある。予告編のラストには、武内が涙するシーンも映し出され、結末のわからない旅の行方を見守りたくなる映像となっている。
同時に公開されたポスターには、映画のタイトルが刻まれたTシャツを着た武内が、父親の写真と「この人を知っていますか?」とイタリア語で書かれた紙を持っている姿が描かれている。「一度でいいから、会いたい。」というコピーからは、父親への切実な思いが伝わるビジュアルだ。
武内は「“パドレ・プロジェクト”は物心ついた頃から心の片隅にあった」と語っている。お笑い芸人として日本人には見えない外見を武器にしていたが、出自について笑われることには悩んでいた。父の夢を継ぎ、同じような境遇の人々に届けるためにこの映画を制作した。資金集めはクラウドファンディングで成功し、2022年には目標金額を上回る支援を受けた。2023年にはニューアーク国際映画祭でワールドプレミアを果たし、デトロイト・トリニティ国際映画祭やボルティモア国際黒人映画祭などでも多くの賞を受賞した。
日本では座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルで初上映され、メディアで大きな話題となった。2024年には唐津ライジングサン国際映画祭でゴールデンサン賞を受賞し、同年8月31日より新宿K’s Cinemaを皮切りに全国公開される。
武内剛(たけうち・ごう)監督コメント
“パドレ・プロジェクト”は物心ついた頃から心の片隅にありました。 僕の褐色の肌は、未だ見ぬ父の存在を嫌でも思い出させました。反抗期を迎えると、女手一つで育ててくれた母に背を向け、日本を憎むようになりました。「映画監督を目指していた」「DJ をしていた」――母がボケる前に教えてくれた父の断片的な情報を辿るように、エンタメの世界に飛び込んだ 僕は、ついに結末のわからない旅に出る決意をしました。誰もが少なからず自分の家族について、悩みや問題を抱えているのではないでしょうか。親子の関係とは何かを捜索している人、心に蓋をしたままの何かを抱えている人、また、画一性を求められる社会の中で生きづらさを感じている人へ、この映画が人生を動かす勇気を与えられることを願っています。
応援コメント
滝沢秀一/マシンガンズ
主人公の Go は周りの人に深く愛されている。それはきっと「Go が出会う人全てを愛しているからだ」と、映画を見ている途中で気づいた。これは単純な父親探しの映画ではない。1 人で生きている全ての人に、みんなと生きる素晴らしさを教えるドキュメンタリーだ。1 人で意地を張っている。すべての人に見て欲しい。Goは世界中の人を信じている。
枡野浩一/歌人
生年月日も現在の顔もわからない父親を海外で探す困難さ。作品を半分ぐらい見た段階で涙が出て困った。古い知り合いであるはずの武内剛の人柄や歴史を改めて知り、より大好きになる映画だった。私の生き別れの息子(23)が偶然見るくらい、あちこちで公開されて欲しい!
矢野デイビッド/ミュージシャン・俳優
ミックスの人にとって、親が別々の人生を歩むことを選ぶ場合、埋められない物理的な距離を経験することが多い。距離が離れていても、親は絶対的な存在として、心に命に遺伝子に刻み込まれている。自分の父がこの世を去った 3 ヶ月後に、この映画と出会った。父が亡くなる前に、この映画に会いたかった。大人としてではなく、子供として父との最後の時間を過ごしたかった。ハッピーエンドが約束されていない旅に挑んだGoはそれだけで立派だと思う。人生は1度きりなんだから。
受賞歴
ニューアーク国際映画祭 2023 ドキュメンタリー部門 ノミネート
デトロイト・トリニティ国際映画祭 2023 最優秀国際映画賞 受賞
ボルティモア国際黒人映画祭 2023オスカー・ミショー賞、最優秀長編国際映画賞 受賞
唐津ライジングサン国際映画祭 2023 ゴールデンサン賞 受賞
座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル 2024 コンペティション部門入賞
◇予告編 YouTubeりんbb