俳優・吉永小百合と見つめ、考える。「ビキニ事件」の“真相”と被ばく者たちの70年

07月12日19時46分社会
画像提供:NHK

7月17日(水)のNHKクローズアップ現代は、俳優・吉永小百合をスタジオに招いて、今年で70年となる「ビキニ事件」の"真相"に迫るとともに被ばく者たちのこれまでを見つめ、考える。NHKプラスで見逃し配信する予定だ。



1954年に「死の灰」とよばれる放射性物質が太平洋にまき散らされたアメリカがマーシャル諸島のビキニ環礁で実施した水爆実験により、日本の漁船「第五福竜丸」が被ばくしたことで知られる、いわゆる”ビキニ事件”。しかし、事件に関する問題は政治的に“解決済み”とされ、第五福竜丸以外の漁船の被ばくや、多くの乗組員たちの健康被害は見過ごされることとなった。事件から今年で70年。被ばくを“なかったこと”にはできないと、元乗組員たちは人生の最晩年に差し掛かった今も、国などを相手に声を上げ、法廷での闘いを続けている。



画像提供:NHK上左から:被爆した漁船「第七大丸の乗組員/ビキニ水爆実験で「死の灰」を目撃した同船の元乗組員
下左から:米国立公文書館で見つかったビキニ水爆事件の被災者に関する機密文書/1954年3月1日アメリカによるブラボー水爆実験のきのこ雲


「友だちも惨めな思いをして亡くなった。もう怒りに変わってくるんですよ」


「国が隠してしもうて一切なかったことにしましょうと。それが情けない」




番組では、元乗組員たちの知られざる苦闘や、事件の“真相”に迫ろうとする科学者たちを取材。そして、30年以上にわたり「原爆の詩」を朗読するなど、戦争や核、平和への思いを発信し続けている俳優・吉永小百合さんと桑子キャスターが対談。核の脅威が再び高まる現代、「ビキニ事件」について問い続けることの意味を語る。



画像提供:NHK画像提供:NHK

俳優 吉永小百合さんコメント


ビキニ環礁での被ばくを知ったのは1954年のラジオのニュースでした。当時、久保山愛吉さん(ビキニ環礁で被ばくし半年後に死去)の容態をいつもラジオ放送で聞き無事を祈っていました。広島・長崎に加えて「ビキニ事件」を伝え続けることが大切だと思います。戦争や被ばくを知らない世代にどのように語り掛け、平和への思いを伝えられるか真剣に考えなければと思います。



クローズアップ現代「“隠された”被ばく者 ビキニ事件 70 年 救済巡る闘い」


【放送予定】 7月17日(水)午後7時30分~7時57分


【配信】 NHKプラスにて7月24日(水)まで見逃し配信


【番組 HP】 https://www.nhk.jp/p/gendai/