イ・ビョンホン×チェ・ミンシク主演「悪魔を見た」が上映不可能に!?その訳を動画ニュースが解説。
イ・ビョンホンとチェ・ミンシクが主演するこの夏期待の新作、キム・ジウン監督の「悪魔を見た」が、事実上韓国での封切りが不可能になるかもしれない!これは、日本の映倫に当たる審査会から、厳しい「制限上映可」という判定が下されたため。本件について、韓国YTNが動画ニュースで詳しく解説している。
映画「悪魔を見た」は、連続殺人鬼に婚約者を殺された男が、一人復讐を誓い、生まれながらに悪魔の遺伝子を持つ殺人鬼と戦うというスリラー。復讐を誓う男をイ・ビョンホンが、悪魔の遺伝子を持つ生まれつきの連続殺人鬼にチェ・ミンシクが扮することで、早くからこの夏一番の期待作となっていた作品だ。メガホンを取ったのは、毎作品ごとに新しいジャンルに挑戦するキム・ジウン監督。キム監督初のスリラーに挑戦した作品としても注目を浴びていた。
二人のビッグスターを主演に配し、制作コスト70億ウォンをかけて制作した「悪魔を見た」は、典型的な商業映画として大きな営業収益を見込んでいたはず。このような商業映画が、制限上映等級を受けたことは、韓国では事実上初めてのことで、今後創作の自由が奪われるのではないかという論争が起きている。
動画ニュースでは、「悪魔を見た」は、“目には目を、歯には歯を”という聖書フレーズに当てはまるような残酷な復讐をテーマにしていると紹介したうえで、キム・ジウン監督にインタビューしている。
[インタビュー:キム・ジウン,監督]
内面の感情をもっと率直に本能的に表現しようと、激しく極限の表現で演出しました。
監督が感情の極限を見せようとしたこの映画は、死体毀損シーンなどが審議の過程で問題になった。
制作会社サイドは青少年観覧禁止等級を申し込んだが、映像物等級委員会はそれ以上水準の高い制限上映等級を下した。
この等級を受けた映画は「制限上映館」でしか上映および広報活動をすることができないのだが、韓国にはこういった種類の映画館がない。つまり、「悪魔を見た」の上映は不可能ということになる。このような事態は、韓国では初めてのことで、映画制作社サイドは、問題になった場面を削除して等級再審議を申し込んだ。
大規模商業映画が制限上映等級を受けたことで、旧態依然とした等級のあり方についての論争がまたもや頭を持ち上げることになりそうだ。
今回、問題視されているのは、基準が明確ではなく曖昧な映像物等級委員会の審議規定にある。昨年の映画「作戦」は株価操作を模倣することができるという理由で、「青少年観覧不可」の判定を受け再審議を経て、15歳観覧可を受けており、2006年カンヌ映画祭招請作「ショッボス」は制限上映等級を受けて、法廷攻防のあげく封切りすることができた。
韓国の映画監督によれば、韓国で年間に審議する映画の本数は500編とのこと。明確な審査基準を設けないまま、審査を繰り返すということを繰り返していけば、これらの審議もスムーズに進まなくなりそうだ。
YtN「絶えない映画等級論議、何故?」