豊作だった24年の韓ドラを押しのけて「恋人」ナムグン・ミンが「2024年を輝かせたスター」5位になった理由を考察

01月01日23時13分ドラマ
©2023MBC

2024年12月20日、韓国ギャラップが2024年を輝かせたタレントのランキングを発表した。
「2024年を輝かせたタレント」TOP10発表



■韓国ギャラップ調査の概要

TOP10に名前を連ねたのは、tvN「ジョンニョン:スター誕生」のキム・テリをはじめ、2024年話題になった作品と主演俳優が選ばれる、納得の順位だった。8位には、長年にわたって韓国芸能界で貢献したキム・スミさんが同年10月25日に逝去されランクインしたのもなるほどと理解した。

しかし、2023年の同じ調査で1位になったMBC「恋人~あの日聞いた花の咲く音~」(以下「恋人」)のナムグン・ミンが、2024年でも5位と上位ランクインしている。もちろん、本作の作り込まれたストーリーや迫力のある映像、俳優陣の熱演、特にナムグン・ミンのツンデレやキレのあるアクション、心を打つ数々の愛の言葉などなど、日本でも今も人気だ。

それでも2024年豊作だった韓国ドラマの中で、これほどナムグン・ミンと「恋人」が韓国のファンの心を掴んで離さないのか、韓国視聴者の声から考察した。



■「恋人」のストーリーと見どころ

物語は、清(後金)による朝鮮侵攻“丙子の乱”の兵火の最中とその後に繰り広げられる恋人たちの物語と、苦しみの中で希望を見出す人々の物語を描く本格ヒューマン時代劇。

紆余曲折はありながらもジャンヒョン(ナムグン・ミン)の恋心はギルチェ(アン・ウンジン)に届き、互いに愛し合うことになった。しかし、いくつもの行き違いや誤解があって、ギルチェは別の男性と結婚した。戦争は終わったがその後、清国は朝鮮の民を捕虜として清に連行した。その中に、両班であるギルチェが罠にはめられて連行されてしまう。

清でギルチェは艱難辛苦を経験しながらもジャンヒョンのおかげで朝鮮に帰国することができた。ところが、朝鮮では清国から帰国した女性を「還郷女(ファニャンニョ)」とよんで、敵国で辱めを受けた穢れた女として冷遇した。夫までが彼女にそうした目を向け、ギルチェは自ら家を出た。

恋人©2023MBC
その後、ジャンヒョンが清国から帰国。ギルチェは幸せを装ってジャンヒョンと再会した。しかし、ジャンヒョンは彼女の事情を知り、「抱きしめてあげなきゃ、辛かっただろうに…」と優しく慰めた。第17話のラストだ。



■韓国国内の反響と評価

このシーンは、ジャンヒョンとギルチェの感動的でロマンチックなシーンに、全視聴者が泣いたと言っても過言ではないだろう名シーンだ。日韓両国では「他人によりかかれないギルチェの人生全てを受け止めるジャンヒョン」「家族と見ていたから我慢していたけど、最後のこのシーンは我慢の限界で、大泣きしてしまった」「このドラマには名台詞が多いがこれがぶっちぎり1位だ」といった感動のコメントが散見された。

しかし、韓国では「制作サイドとそれを具現したナムグン・ミンへの感謝」のコメントで溢れた。


「還郷女という国の辛い歴史を、100年越しにこうして慰労してくれるドラマを作ってくれて、ありがとう」
「ジャンヒョンの言葉が、ギルチェだけでなくて自分も慰められた。また、その時代を生きた人たちにも伝わってほしい」
「これまで多くのドラマや映画で慰められてきたが、ここまで深く感情を揺さぶられて視聴者だけでなく過去の人々まで含めて慰労してくれるドラマは初めてだ」
「ドラマではなく、歴史的認識を修正しようとドキュメンタリーをドラマ化したようだ。このセリフは、過去の人々も、現代を生きる人々も慰められる」


こうした“辛い歴史に対して”言及させたことこそが、ただの感動作品で終わらせない、心に生涯残したい作品として韓国の視聴者の心に深く刻まれ、今年も上位にランクインしたのではないだろうか。


■視聴方法と楽しみ方

【「恋人」を2倍楽しむ】コーナーでは、全話あらすじと見どころや、キャストなどの紹介以外にも、時代背景・戦争が起きた経緯、還郷女についてなどドラマを深く知るための情報をまとめている。未視聴の方はもちろん、既に視聴された方もコーナーを参考に、再視聴されてはどうだろう?「恋人」はU-NEXTにて独占先行配信中だ。



【U-NEXTで独占配信の韓国ドラマ】

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