知の巨人・五百旗頭真氏が遺した「日本外交への遺言」5月4日NHKスペシャル

19時09分政治・経済

日本が世界の中でどのように生きていくべきか、2023年に急逝した政治学者・五百旗頭真(いおきべ まこと)氏の思想と実践をもとに、日本外交の舞台裏に迫るNHKスペシャル「未完のバトン」第2回が、5月4日に放送される。



NHKスペシャルの大型シリーズ「未完のバトン」は、日本が直面する課題に挑んだ人物たちの苦闘と理想を描くドキュメンタリー企画。その第2回となる「秩序なき世界 日本外交への“遺言”」が、5月4日(日)21時からNHK総合・NHKプラスで放送される。

今回の主役は、2023年3月に急逝した政治学者・五百旗頭真氏。冷戦後の国際秩序に対し、日米同盟を軸としながらアジア諸国との信頼関係を構築する必要性を一貫して訴え続けてきた知の巨人だ。25年にわたって歴代政権の政策形成にも関わり、政治と外交に深く携わってきた。

nhk番組では、五百旗頭氏が総理大臣や政府高官と交わしてきた非公開の記録や、福田康夫元首相をはじめとする政府関係者への証言を通じて、激動する国際情勢と日本外交の内実に迫る。日中関係が悪化の一途をたどる中で、かつて両国が確認し合った「戦略的互恵関係」という合意。その背景には、五百旗頭氏ら日中の民間有識者による5年にわたる非公式対話の積み重ねがあったことも明らかにされる。

加えて、アメリカと中国の対立、ロシアによる軍事的な圧力など、世界が大きく揺らぐ今、日本はどのように進むべきかを問う。番組は五百旗頭氏の軌跡をたどりながら、外交の現場で交わされた知られざる対話と決断に光を当て、混迷の時代に必要な知恵と覚悟を探る内容となっている。

取材・制作を担当したディレクターの宮川徹志は、「研究者という立場を超えて、時の総理に提言を続けた知識人の姿に、公的使命を果たそうとする気概を感じた」とコメント。文明の行方までを視野に語った五百旗頭氏の言葉は、今なお強い示唆を与える。

【番組情報】
NHKスペシャル 未完のバトン 第2回「秩序なき世界 日本外交への“遺言”」
放送日時:5月4日(日)21:00~21:49
放送局:NHK総合、NHKプラス(見逃し配信)

---NHK+(プラス)---
NHK総合とEテレの番組についてネット配信を行うサービス
NHKの視聴契約を行っている方は、登録するだけで視聴可
NHK+(プラス)