「あきない世傳 金と銀2」第5話:宙に浮かぶ反物…女主人・小芝風花が挑む五鈴屋江戸店開店【ネタバレあり】

5月4日(日)放送のNHK(BS/BSP4K)時代劇「あきない世傳 金と銀」シーズン2・第5話では描かれた。番組ホームページにて予告動画も公開中だ。
「あきない世傳」は、髙田郁の時代小説のシリーズが原作。江戸中期、兄と父を亡くし大坂天満の呉服商に奉公に出た学者の娘・幸(さち)が商才を発揮し商人へと成長する物語。⇒【全話あらすじ・関連記事】
※シーズン1を視聴されていない方は、こちら「シーズン1」振り返りを参考にどうぞ。
■キャスト
小芝風花(主人公・幸)
松本怜生(五鈴屋六代目店主・智蔵)
泉澤祐希(桔梗屋番頭・周助)※S2より
朝倉あき(五鈴屋元ご寮さん・菊栄)※S2より
いしのようこ(五鈴屋女衆・お竹)
内藤理沙(五鈴屋女衆・お梅)
八嶋智人(五鈴屋本店番頭・鉄助)
舘ひろし(治兵衛・元五鈴屋番頭)
■第5話「いざ!討ち入り」
幸は鉄助、お竹とともに江戸・浅草田原町に到着し、いよいよ五鈴屋江戸店の準備を開始。出迎えたのは佐七(葵揚)と賢吉(佐久間悠)。店は小ぶりながら、智蔵(松本怜生)と夢見た理想の形だった。
まず、佐七と賢吉の世話になった近江屋荘八(村田雄浩)に挨拶し、信頼と協力を得る。さらに、店舗を譲ってくれた白雲屋万兵衛(小倉久寛)とお園(三谷悦代)にも誠意を持って対応し、木綿反物の引き継ぎを託される。幸は“正直な商い”で報いることを誓う。
鉄助が大坂へ戻る直前、賢吉の提案で開店日は赤穂義士討ち入りの日・12月14日に決定。鉄助はかつて店を出た惣次(加藤シゲアキ)が再び五鈴屋を継ぎたいと申し出てくる可能性を危ぶむが、幸は「そのときはそのとき」と静かに受け止める。
開店準備が進む中、幸はお竹と共に古着商の店先を見学し、江戸流の現金売りに着目。浅草寺を訪れた際、賢吉の「反物を吊して見せる」という発想から、幸は新しい展示方法を思いつく。
指物町の職人・和三郎(浅利陽介)に相談し、衣桁の制作を依頼。高さ違いの見本も用意され、幸はこれを「撞木(しゅもく)」と命名する。
その後、五鈴屋の文様入り手ぬぐいが完成し、江戸中の寺社の手水場に奉納される。400以上の寺社に掲げられた手ぬぐいは、評判を呼び、江戸中に五鈴屋の名が広がっていく。これにより、惣次も手ぬぐいを通して幸の存在に気づく。
開店を目前に控え、店の備えも万全に整い、大坂からは新しい暖簾も到着。幸は佐七を支配人に任命して「佐助」と改名、賢吉も手代から「賢輔」に昇進。お竹は小頭役に抜擢される。固辞するお竹だったが、仲間たちの熱意に心を動かされ、帯結び講習会の開催を提案。幸はこれを誰でも参加できる無料の講習会として展開する。
迎えた12月14日、五鈴屋の暖簾と撞木による「浮かぶ反物ディスプレイ」が話題を呼び、大勢の客が詰めかける。子ども用反物の半分売りや、毎月14日の帯結び講習会など、女主人の新風が江戸に響き渡る。
その賑わいを、惣次が遠くから静かに見守る。「智蔵はどうした…?」とつぶやいたその時、姿を消していたお杉(大西礼芳)が現れ、物語は新たな局面を迎える──。
■見どころと次回の展開
第5話では、ついに五鈴屋江戸店が開店し、主人公・幸が新たな商いの地で一歩を踏み出す姿が丁寧に描かれた。商いの信念を貫きながらも、江戸ならではの工夫を凝らす柔軟な発想力は見どころの一つ。特に「撞木」を使った反物の見せ方や、講習会の開催といった施策に、幸の人柄と商才がにじみ出ている。終盤には惣次とお杉の動向が明かされ、物語はさらなる展開を予感させる。まさに“江戸編”の本格始動回といえる内容だった。
次回・第6話「ありの目とみさごの目」は5月11日放送。開店当初は賑わった江戸店だが、ひと月後には売上げが低迷。幸(小芝風花)は江戸での商いに悩み、歌舞伎役者・菊瀬栄次郎(風間杜夫)を訪ねる。栄次郎は、弟子の吉二(齋藤潤)に動きやすい木綿の稽古着を新調してみるかと難題を持ち掛ける。後日、幸はある工夫を施した稽古着を納め、栄次郎を唸らせる。すると、吉二の稽古着が役者仲間の間で評判を呼ぶ。そんな時、賢輔(佐久間悠)が街で惣次(加藤シゲアキ)を見かける。
【本放送】2025年4月6日(日)~5月25日(日)
18:45~19:28(毎週(日)43分×全8回)
【再放送】2025年4月10日(金)~30日(金)19:30~20:13
【原作】 髙田郁
【脚本】 山本むつみ
◇NHK「あきない世傳 金と銀2」HP
【2025年春ドラマ】【全話あらすじ】