カン・ハヌル“財閥=俺様”を封印、コ・ミンシは“声ではなく手”で演じた…「隠し味はロマンス」【制作発表会まとめ】

18時00分ドラマ
写真:「당신의 맛」FACEBOOKより

2025年5月8日、ソウル・上岩洞のスタンフォードホテルにて、Genie TVオリジナルドラマ「隠し味はロマンス(原題:당신의 맛/あなたの味)」の制作発表会が開催され、主演のカン・ハヌル、コ・ミンシに加え、キム・シンロク、ユ・スビン、そして総括クリエイターであるハン・ジュンヒ監督らが登壇し、作品の魅力と舞台裏を語った。

YouTubeに制作発表会Hull動画はまだ公開されていないが、7日公開した「スペシャルバラエティ」の動画が視聴できる。発表会動画は公開され次第、こちらでお知らせする。
YouTube【「あなたの味:プレオープン FULL】見なきゃ損!

【「Netflix」で独占配信の韓国ドラマ】



「隠し味にはロマンス」は、食品会社の後継者となるために地方の小さな飲食店を買収しようとする“レシピハンター”財閥御曹司ハン・ボムウ(カン・ハヌル)と、看板もない一日一組限定のワンテーブルレストランを運営する職人気質の料理人モ・ヨンジュ(コ・ミンシ)が繰り広げる、“一触即発”の成長型ロマンスドラマ。厨房を舞台に、二人の対立と協力、そして次第に育まれていく恋の行方が描かれる。「隠し味にはロマンス」の邦題でNetflixにて独占配信される。

味覚がつなぐ、人生の再構築ロマンス
「隠し味にはロマンス」は、大企業の二代目でありながら心にぽっかりと穴の空いた男・ハン・ボムウ(カン・ハヌル)と、寡黙でこだわりの強いレストランシェフ・モ・ヨンジュ(コ・ミンシ)が出会い、ぶつかり合いながらも互いを少しずつ理解していく過程を、丁寧に描いていく物語。ふたりが出会うのは、わずか8席だけの一人客専門レストラン。ささやかな空間で、人生の味を見つけていく。

ハン・ジュンヒ監督、15年越しの構想を実現
本作の総括クリエイターであり、Netflixの「D.P.-脱走兵追跡官-」「弱いヒーロー Class 1」などで知られるハン・ジュンヒ監督は、「今作は約15年前に短編の構想として始まったもので、個人的な記憶が詰まっている」と語る。

「仕事に悩んでいた頃、一軒の飲食店で出会った店主との交流が、今作の原点になりました。当時の会話や空気感を、ドラマという形で再構築したいとずっと温めてきた企画です。」

監督は「このドラマの鍵となるのは“対話と味”。激しい感情の応酬ではなく、小さな変化と温もりが繰り返される構成になっている」とも述べ、「大きな事件がある作品ではないが、人間の機微に共感してもらえるはず」と力を込めた。

カン・ハヌル、「財閥役でも、ちゃんと人間らしく」
主演のカン・ハヌルは、財閥グループの次男という設定に初挑戦。「台本を読んだとき、典型的な“俺様”ではなく、妙に人間くさいキャラクターだと感じた」と語る。

「ボムウは、財閥であることよりも“不器用でちょっと空気の読めない男”という印象。冷たさや無関心さの奥にあるものを表現したくて、感情のバランスに悩みながら演じました。」

また、料理シーンにも挑戦したカン・ハヌルは、「現場で実際に調理するシーンでは、包丁の扱い方ひとつにも性格が出る。料理を通してキャラクターに命を吹き込むという感覚があった」と語った。

コ・ミンシ、無口な料理人役に「声よりも手で演じた」
相手役のコ・ミンシが演じるモ・ヨンジュは、腕は確かだが接客が苦手な料理人。コ・ミンシは「無表情で無口な役柄の中に、どう感情を込めるかを考えた」と振り返る。

「料理シーンでは、言葉ではなく動作で気持ちを伝える必要がある。実際に料理のトレーニングを重ねて、包丁の持ち方や立ち姿まで徹底的に作り込みました。」

Netflixバラエティ『ソジンの家』での経験も活かされているとし、「厨房の緊張感や、サービス業としての姿勢を自然に思い出せた」とコメント。さらに「食べ物が人の心を癒す瞬間を、演じながら自分でも感じることができた」と語った。

名バイプレイヤーたちが彩る、繊細な世界
物語を支えるのは、個性豊かな共演者たち。カン・ハヌルの姉役として出演するキム・シンロクは、これまでの強烈な役柄から一転、柔らかい雰囲気の人物を演じる。

「今回は強く叱るのではなく、包み込むような役柄。いつもと違うトーンで演じることを意識した。現場の雰囲気が本当に温かくて、自分も優しい人間になれた気がする。」

また、ユ・スビンが演じるのは、ボムウの親友でありレストランの“なんちゃって社長”カン・ジュン。ユ・スビンは、「僕が演じるキャラクターは、みんなの間に立って空気を和ませる存在。自由人っぽく見えるけど、実は一番人のことを見ている人」と語る。

「人生の味を見つける物語」――じんわりと沁みる余白
制作発表会の終盤、カン・ハヌルは「このドラマには、大きな起伏や爆発的な展開はない。けれど、静かに心に入り込んでくる味わいがある」と語った。

「刺激的な作品も多いけど、『隠し味はロマンス』は“また見たい”“何度でも味わいたい”と思える作品。深夜にひとりで見ながら、ふと誰かのことを思い出すようなドラマです。」

「隠し味にはロマンス」は、Genie TV、ENAにて5月12日午後10時より放送開始。また、Netflixでも同日より配信される。

ENA「당신의 맛」HP

kandoratop【作品詳細】【関連・各話のあらすじ】