【韓ドラ歴史コラム】「鬼宮」に登場する“盲庁”は実在した官庁!?設立の背景から役割まで徹底解説

ユク・ソンジェ(BTOB)とキム・ジヨン(宇宙少女ボナ)が共演し、韓国のみならず海外でも大ヒット中のSBSドラマ「鬼宮(原題:귀궁)」が話題となっている。
5月10日放送の第8話では、王妃やヨリ、カンチョリに邪気を浴びせた水鬼(キム・ジュンウォン)の背後に、盲庁のプンサン(キム・サンホ)がいたことが明らかになった。物語は後半戦に突入するが、ここでは“盲庁”について、史実とともに詳しく紹介する。
●【「Lemino」で独占配信の韓国ドラマ】
「鬼宮」は、霊媒としての運命を拒む巫女ヨリと、ヨリの初恋の相手ユン・ガプの体に閉じ込められたイムギ(蛇が龍になる前の韓国伝説の動物)のカンチョリが、王家に恨みを抱く八尺鬼(パルチョッキ)と対峙し、体と魂が複雑に絡み合う肉体争奪ファンタジーロマンス。Leminoで独占配信中だ。
「鬼宮」の“盲庁”とは
SBS「귀궁」より「鬼宮」では、盲目の占術師や巫女などシャーマンたちが集う組織・集会所として“盲庁”を描く。盲庁の庁主プンサン(キム・サンホ)は「アグジ」と呼ばれ、もともと鬼神を呼び寄せる下級の霊媒師だった。、13年前に八尺鬼を宮殿まで呼び寄せたことで、その力を背景に盲庁の地位を高め、贅沢な暮らしを送るようになった。作中では、霊的な力を持つ者たちのネットワークや社会的基盤として、物語の重要な舞台となる。
実在した「盲庁(맹청)」の歴史
“盲庁”はフィクションだけでなく、実際の朝鮮王朝時代にも存在した官庁である。
盲庁(맹청)は、視覚障害者(盲人)たちが集まり、社会的・経済的な自立を目指した官立の組織である。
■設立の背景
設立は第17代王・孝宗(ヒョジョン、在位1649〜1659)時代、1653年。壬辰倭乱(文禄・慶長の役、1592〜1598)や丙子胡乱(1636〜1637)で盲人たちの集会所が焼失した。盲人たちは孝宗に新たな集会所の設立を要請し、孝宗は、反逆者として処刑された金自点(キム・ジャジョム)の旧宅を盲人たちに与え、「盲庁」を設立させた。
■盲庁の役割
盲僧や盲人読経師、占い師などが所属した。宗教儀礼(読経や祈雨、病気平癒など)や占卜(うらない)を担い、社会的に重要な役割を果たし、盲人たちの生計を支え、相互扶助や情報共有の場としても機能した。
■存続と終焉
盲庁は朝鮮王朝の時代(1392〜1897)を通じて存続した。近代化や身分制度廃止、大韓帝国成立(1897)、そして韓国併合(1910)にともない、制度としては消滅。その後も盲人の自助組織や福祉団体へとつながっていく。
ドラマと歴史の融合が「鬼宮」の魅力

「鬼宮」に登場する“盲庁”は、実在の歴史的背景を巧みに取り入れ、ファンタジー要素と融合させた設定が特徴である。史実を知ることで、ドラマの世界観をより深く楽しめる。【「鬼宮」を2倍楽しむ】では、制作発表会レポや韓国での評判や視聴率、放送にあわせて全話あらすじと見どころや、妖怪・鬼神、時代背景・豆知識などまとめていく。
「鬼宮」はSBSにて毎週金・土曜日21:50からスタート、Leminoで23::20から最新話更新。 Prime Video の「Leminoセレクト」でも楽しめる。第9話は2025年5月16日(金)放送する予定だ。
◇日本公式サイト
◇Lemino視聴ページ
◇YouTube「귀궁」EP5予告
◇SBS「귀궁」HP
