「あきない世傳 金と銀2」第7話:片岡千之助が登場、鈴の小紋が歌舞伎で大評判に【ネタバレあり】

5月18日(日)に放送されたNHK(BS/BSP4K)の時代劇「あきない世傳 金と銀」シーズン2・第7話では、五鈴屋江戸店が勝負をかけた新作「鈴の小紋」が、歌舞伎役者・富五郎(片岡千之助)の手によって一躍評判を呼ぶ展開となった。番組公式サイトでは予告動画も公開中だ。
「あきない世傳」は、髙田郁の時代小説のシリーズが原作。江戸中期、兄と父を亡くし大坂天満の呉服商に奉公に出た学者の娘・幸(さち)が商才を発揮し商人へと成長する物語。⇒【全話あらすじ・関連記事】
※シーズン1を視聴されていない方は、こちら「シーズン1」振り返りを参考にどうぞ。
■第7話「鈴の小紋」あらすじ
幸(小芝風花)は五鈴屋の新作「鈴の小紋」を作るため、伊勢型紙を求めて賢輔(佐久間悠)を三重・白子へ向かわせた。持ち帰った見本の型紙は彫師・梅松の作で、1枚銀2匁という破格ながら精巧で美しく、結(長澤樹)も意匠に協力していた。宝暦二年九月、結はお竹の帯結び指南にも登場し、その愛らしさで注目を集める。一方、鉄助(八嶋智人)は、惣次(加藤シゲアキ)が江戸にいることを突き止め、女名前の延長が可能になったと報告。幸は八代目に周助(泉澤祐希)を考えていたが、鉄助は「桔梗屋再建」を目指す周助ではなく、治兵衛(舘ひろし)の才を受け継ぐ賢輔を推す。
数か月後、やっと型紙が完成。幸はお才(菜葉菜)の夫・力造(池田努)に染めを頼むが断られる。落胆する幸に、力造は別の職人を紹介するが、幸は力造にこだわり続ける。
そんな折、歌舞伎役者・菊瀬栄次郎(風間杜夫)と弟子の吉二(齋藤潤)が、当代一の女形・中村富五郎(片岡千之助)を連れて五鈴屋を訪れる。稽古着を仕立てる目的で立ち寄った富五郎は、型紙に一目惚れし、最初の一反を譲ってほしいと申し出る。江戸での舞台『娘道成寺』のお披露目の時に着たいという申し出に、幸は快諾する。最初の一反を譲ってほしいと申し出る。
十二月十四日、江戸店の開店1周年を迎え、店はにぎわいを見せる。結とお竹が手がけた鼻緒30対も好評。和三郎(浅利陽介)も妻への着物を注文するため店を訪れる。
一方、大坂からの女名前延長の許可が下りる。但し、「惣次を見つけること」が条件だ。お杉(大西礼芳)から店の繁盛ぶりや結の上京を知らされた惣次は、意味深な笑みを浮かべる。
そんな中、大坂から女名前延長の許可が下りるが、条件は惣次を捜すこと。お杉(大西礼芳)から江戸店の繁盛ぶりや結まで江戸に来ていると報告を受けた惣次は、意味深な笑みを浮かべる。
正月、色の相談に来た力造は江戸の色として「江戸紫」を推す。幸は富五郎が前髪につけていた「紫帽子」を思い出し、染めの色に江戸紫を採用する。
二月二十五日、中村座での初日を控え、富五郎は坂井町でお練りを行い、大勢の人々がその美しい姿と衣装に注目。「鈴の小紋」が五鈴屋製と知れ渡り、評判は一気に広がる。舞台も大盛況、三月に売り出された「鈴の小紋」も大ヒットする。
しかし四月、江戸に麻疹が流行。町から人影が消え、五鈴屋も客足が遠のく——。
■見どころと豆知識
この回の注目は、当代一の女形・中村富五郎役で登場した片岡千之助。2000年生まれの本物の若手歌舞伎俳優で、父は片岡孝太郎、祖父は人間国宝の片岡仁左衛門という名門の出身。今回は初めて歌舞伎役者の役を演じ、「光栄ながらも難しさを感じた。小芝さんら共演者に助けられて演じ切った」とコメントしている(NHK「江戸編出演者」紹介より)。また、染め職人・力造による小紋染めの工程が、お才の解説を交えて丁寧に描かれたのも印象的。「紫帽子(むらさきぼうし)」とは、かつて前髪を剃っていた野郎歌舞伎の役者が、その部分を隠すために付けていた小さな紫布のこと。女形の象徴として「野郎帽子(やろうぼうし)」とも呼ばれる。
また今回は、力造の小紋染めの工程が、お才の説明と共に丁寧に描かれ、興味深く見られた。「江戸紫」の色に決定するに至った「紫帽子(むらさきぼうし)」とは、特に歌舞伎の女方(おんながた)が額の部分に小さな紫色の布をつけていたもの。これは野郎歌舞伎の時代に役者が前髪を剃り落としていたため、その剃った部分を隠す目的で布をつけていたのが始まり。「野郎帽子(やろうぼうし)」とも呼ばれている。
■次回(最終話)「五鈴屋の正念場」
病魔除けの鉢巻きに「鈴の小紋」の切り売りを求める客が殺到し、五鈴屋は再び繁盛する。そんな中、幸は結と共にえびす講に出かけ、そこで本両替商・枡吾屋(髙嶋政伸)と再会。結には縁談話も浮上する。だが五鈴屋には多額の上納金の通達が届き、幸は頭を抱える。相談のため訪れた両替商で、行方不明だった惣次とついに再会する——■キャスト
小芝風花(主人公・幸)松本怜生(五鈴屋六代目店主・智蔵)
泉澤祐希(桔梗屋番頭・周助)※S2より
朝倉あき(五鈴屋元ご寮さん・菊栄)※S2より
いしのようこ(五鈴屋女衆・お竹)
内藤理沙(五鈴屋女衆・お梅)
八嶋智人(五鈴屋本店番頭・鉄助)
舘ひろし(治兵衛・元五鈴屋番頭)
【本放送】2025年4月6日(日)~5月25日(日)
18:45~19:28(毎週(日)43分×全8回)
【再放送】2025年4月10日(金)~30日(金)19:30~20:13
【原作】 髙田郁
【脚本】 山本むつみ
◇NHK「あきない世傳 金と銀2」HP
【2025年春ドラマ】【全話あらすじ】