NHK大河「べらぼう」鱗形屋(片岡愛之助)が和解の印に粋なプレゼント 第19話ネタバレ第20話予告

NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜総合20時~、BS、BSP4K18時~)5月18日(日)放送の第19話「鱗(うろこ)の置き土産」で鱗形屋(片岡愛之助)の粋な贈り物に蔦重(横浜流星)も涙。5月25日(日)放送の第20話「寝惚けて候」に大田南畝役で桐谷健太が登場。予告動画は番組公式ホームページで公開中。
大河ドラマ64作目となる「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は貸本屋から身を興し、書籍の編集・出版業を開始し、のちに江戸のメディア王として時代の寵児となった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の人生を描く。
5月18日放送の第19話では、店じまいを決意した鱗形屋が、蔦重が細見を買い取ってくれていたことを知り和解。恋川春町(岡山天音)獲得のためにネタを考える2人の姿に、かつて青本作りに情熱を注いだあの時の姿を彷彿とさせた。
最後は蔦重に鱗形屋が『塩売文太物語』の木版をプレゼント。これは蔦重が初めての本で、幼なじみの花魁・瀬川へ贈った思い入れのある作品だ。涙をポロポロ流し「これ以上ねえ、お宝をありがとうございます!」と頭を下げる蔦重に、本屋冥利に尽きる鱗形屋も思わず嬉し泣き。これにネットでは「粋なやり取り!」「2人の友情に泣ける」と注目を集めた。
そして5月25日(日)放送の第20話では、蔦重が大田南畝との出会いをきっかけに“狂歌”の魅力にひかれていく。一方、将軍継承を巡り一橋家と薩摩藩の駆け引きが繰り広げられるので、サスペンスさながらの腹の探り合いは見逃せない。大田南畝役で桐谷健太が登場し、蔦重に新たな企みのきっかけ作りが描かれるので、2人のやり取りにも注目したい。
■江戸で花開く庶民文化“狂歌”
第19話で登場する“狂歌”だが、これは短歌の中でも、皮肉や洒落を利かせて社会をおちょくったもののこと。その中には有名な元歌などもあり、偉い人や位の高い人の作品を、反体制というほどではないにせよ、ユーモアたっぷりに皮肉ることで、幾分、胸がすくようなところもあったのではないだろうか。
作者は読み人知らずや、ペンネームを使ったものが多く、宿屋飯盛(やどやのいいもり)、鹿都部真顔(しかつべのまがお)や銭屋金埒(ぜにやのきんらち)など名前だけでもユニークのものばかり。その中でも三大狂歌師として有名だったのが橘洲、大田南畝(おおたなんぽ)、朱楽管江(あけらかんこう)。その中で南畝の歌を見ると、狂歌が何かよくわかる。
いかほどの選択なればかぐ山でほすてふ持統天皇(大田南畝)
これは、持統天皇が詠んだ「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山」にかけたもの。「香具山に白い衣が干してあるところを見ると、夏がきたのだなぁ」と詠んだ持統天皇に対し、「いったいどれほどたくさんの洗濯物の量なのだろう。わざわざ山の山頂まで行って、衣類を干すという持統天皇の持ってきたのは」と突っ込んでいる。こんな具合で誰もが知る有名な歌をパロディーにすることで楽しんだ庶民文化、狂歌。ドラマでは、これまで細見、錦絵、青本と世に送り込んできた蔦重が、狂歌と出会い、どんな仕掛けを繰り出すか楽しみに待ちたい。
■第19話ネタバレ
後継者問題に揺れる江戸城で、知保の方が毒をあおる事件が起こる。残された手紙には、将軍・家治(眞島秀和)が亡き御台にそっくりな側室を迎えたことで、自分は徳川に不要な者となったので、西の丸の側に行きたいという、悲痛な思いが綴られていた。知保の方は医師の手当を受け、なんとか命はとりとめたが、田沼意次(渡辺謙)はある疑念を抱き、大奥の調査を乗り出すことにする。
一方、市中の地本問屋の鱗形屋は経営が難しくなり店を畳むことになる。これを受け、鱗形屋のお抱え作家である恋川春町は、鶴屋(風間俊介)で執筆活動を続けることになったが、双方のやり取りがうまくいかない。鶴屋は「金々先生をもう一度書いてみては?」と提案するが、春町は“誰も書いたことがないもの”を書きたいと主張。古典的な作風を守りたい春町と、流行りを求める鶴屋の間にはいつしか溝が生まれていた。
その頃、鱗形屋は、蔦重が須原屋(里見浩太朗)を通じて細見を買い取っていたことを知り、蔦重のもとを訪ねて来た。そして春町を鶴屋から引き抜けないかと協力を求めて来る。「春町が書きたいと思えるネタ、それを一緒に考えてくれ」と思いもよらない提案に、ためらう蔦重だが、悩んだ末にこの申し出を受けることにする。それから2人は鶴屋たちにばれないように、春町を動かす作戦を決行する。蔦重、鱗形屋だけでなく、喜三二(尾美としのり)、りつ(安達祐実)たちも加わり、徹夜で草双紙を読み漁り、誰もやってないアイディア、誰も思いつかない筋書きを試行錯誤した。
そんな中、歌麿(染谷将太)の「絵から考えるっていうのはどうです?」という一言がきっかけとなり、蔦重は「百年先の江戸」という構想を思いつく。“誰も書いたことがない江戸の未来”に魅力を感じた春町は、蔦重から「俺が見たいのは、春町が描く未来の江戸なんでさ。誰でもいいわけじゃない。あんたが描く奇天烈で洒落た江戸が見たい!」と直球で口説かれ、ついに決心を固めた。春町は鱗形屋に謝罪に赴き「耕書堂で書きます」と頭を下げると、鱗形屋は一瞬怒る素振りを見せるが、心の中では喜んでいた。
一件落着したことで、鱗形屋は蔦重と再び対面した。そして焼け残った一枚の古い板木を手渡した。それは蔦重が初めて買った赤本『塩売文太物語』の板だった。一目でこれが何かわかった蔦重は感激のあまり涙を流し、わけを聞いた鱗形屋も「ウチの本を読んだガキが、本屋になってるんだぜ。こんな嬉しい話しあるかよ!」と嬉し涙を流した。その後、文人・大田南畝による青本番付『菊寿草』で『見徳一炊夢』が“上々吉”と高評価をつけ、蔦重と喜三二は喜びに沸いた。
■第20話あらすじ
大田南畝(桐谷健太)作の『菊寿草』で、『見徳一炊夢』や耕書堂が高く評価された蔦重は、須原屋と南畝の家を訪ね、そこで近頃人気が出ている“狂歌”を知り、南畝から「狂歌の会」に誘われる。一方、意次は、家治が次期将軍に一橋家の豊千代を、御台所には種姫を迎える意向を治済(生田斗真)に伝え、将軍後継問題が終わると思われたが・・・。
NHK大河ドラマ「べらぼう」は2025年1月5日(日)から総合20時より、BSプレミアム、BS4K午後6時より放送。脚本:森下佳子、出演:横浜流星、染谷将太、宮沢氷魚、片岡愛之助、高橋克実、生田斗真、冨永愛、中村隼人、伊藤淳史、安達祐実、水野美紀、風間俊介、尾美としのり、里見浩太朗、渡辺謙ほか。番組公式Xアカウントは「@berabou_nhk」。第20話予告動画は番組公式サイトにて公開中。
◇大河ドラマ「べらぼう~蔦屋栄華乃夢噺」番組公式サイト
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