韓国アニメ映画『あの星に君がいる』キム・テリ＆ホン・ギョンの声と映像美で愛に溢れる物語に注目【見どころ・あらすじ】

キム・テリとホン・ギョンが声優を務め、Netflixで韓国発の初となる“オリジナルアニメーション映画”として期待を集めていた『あの星に君がいる』が、2025年5月30日（金）より世界同時配信を開始した。



本作は、2051年のソウルを舞台に、宇宙飛行士と元ミュージシャンの恋を描く、壮大で切ないロマンチック・アニメーションだ。

■見どころ

韓国発の本格長編アニメーション作品としては初のNetflix独占配信であり、「二十五、二十一」をはじめ数々の作品に主演し、優秀演技賞を受賞したキム・テリと、「弱いヒーロー Class1」のホン・ギョンが声優を務めることで、話題を集めていた作品が遂に世界に向けて封切られた。繊細な映像表現で世界から高い評価を受けているハン・ジウォンの作品らしく、物語の随所に幻想的で色彩に溢れた映像効果が詰め込まれている。

2051年のソウルを舞台に、発展したホログラム技術により、街中を半透明のクラゲや鯉が泳いでいたり、全自動の車やドローンが飛び交い、高速モノレールが走っているなど、新旧の建物が混在した世界観は細部まで緻密に描かれていて、観るたびに新しい発見をくれる。

また、登場人物たちの表情も繊細に描かれ、主人公ナニョンとジェイは序盤早い段階で交際を開始し、愛に溢れた二人の描写は、中盤以降、お互いの夢を巡る葛藤や、火星の過酷な状況下での緊迫感、感動と作品にメリハリを与えている。

さらに作中で使われる数々のボーカル入り楽曲にも注目したい。物語で大きな意味を持つ”Bon Voyage”という楽曲はキム・ダニエル名義となっているが、弾き語りデモバージョンはホン・ギョンが歌唱している。また、開始12分頃から流れる”Life Goes On”という楽曲ではキム・テリとホン・ギョンが歌手としてクレジットされていて、研究やジョギングに勤しむナニョンの日常の描写にリンクしている。

物語を楽しむためにまず1回、細部まで映像を観察するためにもう1回、それ以上観ても必ず楽しめる作品だ。

◇予告

●キム・テリ＆ホン・ギョンが声を務める、Netflix初の“韓国アニメ映画『あの星に君がいる』キービジュアルと予告公開

※以下、ネタバレしているので、気になる方は視聴後の確認用にどうぞ。

■あらすじ

2026年、火星の基地が突然の災害で壊滅し、宇宙飛行士だった母ジヨンを失った科学者ナニョン（声：キム・テリ）。彼女は母と同じく宇宙飛行士として火星探査を夢見るが、遺族であることを理由になかなか認めてもらえず。

そんな中、大切にする古いレコードプレーヤーが壊れ、修理してくれる人を探しているうちに、ミュージシャンの夢を諦めた青年ジェイ（声：ホン・ギョン）と出会う。

レコードプレーヤーの修理を通じて、積極的に親しげに話しかけてくるジェイに最初は壁を作っていたナニョンも、彼の温かさに心を開いていく。

彼女のお気に入りの曲を聴いて驚くジェイ。それはかつてジェイがクラウドにアップロードしたがすぐに消した未完成の楽曲だった。ジェイが憧れの歌手だったと知り感激してついつい熱くなるナニョン。

ある日、火星での生命探知機を完成させたナニョンはインタビューを受けるが、母の話題になると動揺してしまう。その一部始終をニュースで見たジェイは彼女を励まそうと呼び出し、互いに音楽を始めたきっかけや宇宙を目指したきっかけを打ち明ける。積極的な態度のジェイに距離を置こうと冗談めくが、結局二人は口づけを交わし、交際をスタート。

認知症で妻の死を受け入れられないまま火星へ通信を送り続けようとしているナニョンの父も受け入れたジェイ。愛のある生活を送っていた二人だが、ナニョンは時々、母との記憶がフラッシュバックし、ジェイはかつてのバンド仲間に押されて再びステージに立つ。かつて自分が作った曲を、売れるためにメンバーに勝手に改変されて、音楽から遠ざかっていたジェイ。公演の帰り、ナニョンは原曲のほうが好きだとジェイを励ます。直後に火星行きが決定し大喜びするナニョン。

レコードプレーヤーを修理したジェイは彼女を驚かそうとするが、偶然彼女の母ジヨンが送った最期の映像を見て、初めて恋人の夢に危険が伴うことを知る。更に、ジェイがニュースを通じてナニョンの火星行きを知ったことで、不穏な空気が漂う。

夢を追いたいナニョンと、彼女に安全な地球に残ってほしいジェイは口論になり別れ話に発展し、ナニョンは和解する時間もなくアメリカに出発するが、ジェイは彼女の友人ローサを通じてアメリカのナニョンのもとに現れ仲直り。無事に戻ることを約束し、宇宙へ旅立っていくナニョンを見送った。

離れていてもバーチャル技術でデートを続ける二人。ジェイも音楽に向き合う決意を固め、未完成の楽曲にナニョンへの気持ちを込めて完成させた。送られた曲を聴いて一人涙するナニョン。

火星に到着したナニョンは25年前に壊滅した施の復旧を開始するが、生体反応を調査するうちに本部と通信が途絶え、竜巻が発生する中、地下洞窟に転落してしまう。酸素の大部分が失われ、生存が絶望視される中、ナニョンがジェイに遺した遺言ビデオを見るローサ。
音楽が評価され、人気バンドのギタリストとして復帰したジェイは彼女の悲劇を知らず、大舞台で歌い、大きな一歩を踏み出す。

ナニョンと通信が途絶えたというニュースが報じられ、悲しみに暮れるジェイはナニョンの父を訪ねて火星に通信を送ろうとする。一方のナニョンは酸素が失われる中、ジェイからのメッセージを受け取る。彼女は偶然母のラボに辿り着き、母の幻影に包まれて最期を覚悟するが、室内には母が栽培していたフクジュソウが咲き乱れ、酸素があったおかげで奇跡の生還を果たした。

奇跡の生還と大発見が報じられる中、帰還したナニョンは駆けつけたジェイを見て微笑む。旅立つ前には気付けなかった大切な存在が同じ星でずっとそばにいたことを痛感しジェイを抱きしめる…。

◇作品ページ

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