田中圭、“プレッシャーは大きかったが、楽しい作品になった” 三谷幸喜「おい、太宰」完成報告会レポート
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6月18日、三谷幸喜が脚本と監督を務めるWOWOWドラマWの最新作「おい、太宰」の完成報告会が開催され、脚本・監督を務めた三谷幸喜をはじめ、田中圭、小池栄子、宮澤エマが登壇した。
「おい、太宰」は、三谷が長年挑戦してきた“ワンシーンワンカット”の撮影手法によるドラマシリーズの第3弾。シリーズ第3弾となる本作は、太宰治を敬愛する男が時代を超えて奮闘するタイムスリップコメディ。昨年秋、海辺を舞台に撮影された。物語は、平凡な会社員・小室健作が、妻とともに訪れた披露宴の帰り道、太宰治が心中未遂を起こした海辺に迷い込む場面から始まる。暗い洞窟の先に現れたのは、なんと太宰治と瓜二つの男だった。
主演は三谷作品初参加となる田中圭。共演には、小池栄子、宮澤エマ、梶原善、さらに太宰役を青森出身の松山ケンイチが演じる。約100分間、カメラを止めずに撮影された緊張感あふれる本作。個性派キャスト陣が、三谷作品らしい一癖も二癖もあるキャラクターに挑んだ。
完成報告会で三谷監督は「WOWOWのワンシーンワンカットドラマもこれで第3弾。ようやくやりたいことができたという手応えがあります」と語り、田中は「このシリーズが好きで、携わることができて本当にしあわせ」と思いを語った。
シリーズは2011年の『short cut』、2013年の『大空港2013』に続き、今回が12年ぶり。撮影監督・山本英夫氏の「海がいいのでは」という発案からスタートした今回の企画。舞台となった浜辺は、現代と過去の景色があまり変わらないことから、タイムスリップ設定にも適していたが、海の撮影は想像以上に困難だったという。
三谷作品初主演の田中は、プライベートでもジムで三谷と会うことがあり、「もし次回作があれば参加したい」と願い出ていたという。
太宰の恋人・トミ子役の小池は、「少女らしさを意識して声を高めに演じた」とコメント。三谷も「19歳に見えましたよ」と笑顔で応じた。
撮影は6日間で6テイク。本番は毎日1回きりで、前日の天候や光の変化によって臨機応変に芝居を変える必要があった。三谷は「皆さんの力が集結した作品」と語り、小池も「芝居の原点を思い出させてくれた」としみじみ語った。
美代子役の宮澤は「予定になかった“海にどんどん入る”シーンが当日指示されて驚いた」と笑いながら振り返った。三谷は「ずぶ濡れになると面白くなる俳優を集めた。宮澤さんには水に入ってもらった」と明かした。
「タイムスリップするならどの時代へ?」との質問に、宮澤は「戦後間もない1950年代に祖父母の若い頃に会いたい」と回答。小池は「小学生時代が人生のピークだった」、田中は「ジュラ紀・白亜紀で恐竜を見たい」と語った。三谷は「父に会いたい」としつつ、「歴史上の人物にも会いたい。北条政子とか」と語り、小池が「ごあいさつくらいなら」と返し、笑いを誘った。
最後のメッセージでは、宮澤が「この作品がワンカットで撮られていることを忘れてしまうほど自然で驚いた。ようやく普通の格好ができたので、そこも見てください」とコメント。
小池は「カットがないからこそ伝わる熱がある。後頭部しか映らないこともあるが、それが想像力をかき立てる。ぜひ味わってほしい」と呼びかけた。
田中は「ワンカットであることを忘れるほどのめり込んでしまう。プレッシャーは大きかったが、楽しい作品になった」と語った。
三谷は「ワンカットであることに気付かれないことが成功。田中さんは出ずっぱりで本当に大変だったけど、こんなに長く田中圭を観られる作品はない」と締めくくった。
放送・配信情報
タイトル:ドラマW 三谷幸喜「おい、太宰」
放送・配信:2025年6月29日(日)午後10:00~(WOWOWプライム/WOWOWオンデマンド)
脚本・監督:三谷幸喜
主演:田中圭
共演:小池栄子、宮澤エマ、梶原善、松山ケンイチ ほか
“歴史を変える”ノンストップ・タイムスリップコメディの結末は?三谷幸喜が描く奇跡のワンカットを、ぜひその目で体感しよう。
◇ドラマW三谷幸喜「おい、太宰」番組特設サイト