「瑞草洞<ソチョドン>」、法廷よりも昼食が主役?“モッパン系”法廷ドラマ登場

法廷ドラマといえば、派手な逆転劇や証人の突然の登場、「異議あり!」と叫ぶ弁護士たちの熱い駆け引き…そんなイメージを思い浮かべる人は多いだろう。だが、tvNの新ドラマ「瑞草洞<ソチョドン>」は、これまでの“法廷モノ”とはまったく違うアプローチをとっている。本作はU-NEXTで見放題、独占配信中だ。
※「モッパンドラマ」(=食べる+ドラマ)
●【「U-NEXT」で独占配信の韓国ドラマはこちら】
「瑞草洞<ソチョドン>」は、毎日ソチョドンの法曹タウンに出勤する「会社員」アソシエイト弁護士たちの愉快で熱い青春群像劇。

しかし、法廷よりも、ランチのシーンがやたらと印象に残る。たとえば豆腐料理を前に「まだ味が染みてないから待って」と言い出す人物がいる。食べることに真剣なペ・ムンジョン(リュ・ヘヨン)は、一口ごとに丁寧にタレをかけ、周囲を待たせても妥協しない。文句を言っていた仲間たちも、結局はその味に納得するのだ。
そんな食事シーンを通して描かれるのは、事件の勝敗よりも“日々をどう生きるか”に焦点を当てた等身大の弁護士たちの姿だ。主人公のアン・ジュヒョン(イ・ジョンソク)は、弁護士9年目の中堅。派手なヒーローではなく、朝の満員電車に揺られて出勤し、煩雑な仕事にうんざりしながらもこなす、ごく普通の社会人としての顔を持っている。

彼は案件に深入りしすぎず、かといって機械的でもない距離感で仕事を進める。視覚障害を持つ被告人に対し「暴力をふるうわけがない」と決めつけず、事実を冷静に積み上げ、依頼人の立場を法的にどう有利に描けるかを考える。熱血でも冷淡でもない、“プロフェッショナルとしての中立”が彼の信条だ。
そんなジュヒョンの前に現れるのが、感情に突き動かされて行動するカン・ヒジ(ムン・ガヨン)。自分の案件でなくても「助けたい」と手を差し伸べるヒジと、距離を保って仕事をこなすジュヒョン。この対照的な二人の出会いが、ドラマのもう一つの軸となる。

「瑞草洞」には、以前紹介した【3つの見どころ】でも記したが、病院での日常とバンド活動、仲間との食事を通して人間関係を描いた「賢い医師生活」を彷彿とさせる空気がある。実際に登場する事件も、極端なサスペンスではなく、生活に密着した民事訴訟が中心。そこに弁護士たちの友情や恋愛、仕事に対する向き合い方が丁寧に描かれる。
タイトルにもなっている「瑞草洞」は、ソウルの司法機関が集まるエリア。その周辺で日々奮闘する法律事務所の人々の姿は、弁護士を題材にしていながらも、“誰かの物語”ではなく“自分たちの日常”のように感じられる。
現代では、「法は必ずしも弱者の味方ではない」という現実に、多くの人が気づいている。だからこそ、正義を貫くヒーローよりも、仕事と昼食の間で揺れる普通の職業人の物語が、今の視聴者の心を打つのかもしれない。
「勝つこと」より「今日何を食べるか」を大切にする弁護士たち。ドラマ「瑞草洞<ソチョドン>」は、そんな何気ない選択の中にこそ、“本当のドラマ”があることを静かに教えてくれる。
【「瑞草洞」を2倍楽しむ】では制作発表会の様子や関連動画、放送にあわせて各話のあらすじと見どころ、評判などを紹介する。
「瑞草洞<ソチョドン>」はtvNで毎週土日21:20から放送、U-NEXTにて23:20から見放題、日本初・独占配信される。
◇tvN drama公式X
◇tvN「서초동」HP
