伝説の漫画『浮浪雲』、佐々木蔵之介主演でNHK時代劇ドラマ化決定

ジョージ秋山原作の名作漫画『浮浪雲(はぐれぐも)』が、NHK BS時代劇として2026年にドラマ化されることが決定した。44年間にわたり連載され、時代を超えて愛され続けてきたこの作品が、令和の時代に新たな息吹を吹き込まれ、全8回の“時代劇ホームドラマ”としてよみがえる。
物語の舞台は幕末の品川宿。主人公・浮浪雲(くも)は女物の着物におでこで結んだ髪という風変わりな姿で、世間のしがらみに縛られず、まるで雲のように自由気ままに生きる男。だがその内面には、人の心を見通すような深い眼差しと、誰にも真似できない包容力がある。
しっかり者の妻・かめや、成長途中の息子・新之助、店を支える番頭・欲次郎らとの家族の日常を軸に、物語は笑いと涙を交えながら進行していく。また、清水次郎長、坂本龍馬、沖田総司といった実在の歴史人物との邂逅も描かれ、幕末の激動を背景にした濃密な人間模様が展開される。
第1回では、清水の次郎長と春秋親分の対立を背景に、雲が息子・新之助の思い人であるお玉の窮地を救うため一計を案じる。そして対立の現場に駆けつけ、華麗に喧嘩を収めてしまう。第2回では坂本龍馬と出会い、雲と龍馬が意気投合。新之助も龍馬に影響を受けて京への旅に出るなど、歴史の大きなうねりの中で、家族や仲間たちがさまざまな決断を迫られていく。
主人公・浮浪雲を演じるのは佐々木蔵之介。役への思いについて「何ものにも縛られず、ふわりと生きる。そんな雲の姿が、今の息苦しい時代に風の通り道を作ってくれるはず」とコメントした。また、妻・かめを演じる倉科カナは「翻弄されているようで、どこか夫を包み込む。そんなかめを楽しく演じたい」と意気込みを語っている。
脚本は高田亮と清水匡、演出は一色隆司、井上昌典、服部大二が担当。音楽は遠藤浩二。出演は佐々木蔵之介、倉科カナをはじめ、川原瑛都、渡部豪太、中越典子、イッセー尾形ら実力派俳優が名を連ねる。
時に笑い、時に涙し、時に生と死に向き合いながらも、ひょうひょうと自由に生きるとは何かを問いかける本作。新しい時代の視点で描かれる骨太な時代劇として、放送開始が待ち遠しい。
放送は2026年、NHK BSにて全8回を予定している。
《放送予定》2026年 (全8回)NHKBS、NHKBSP4K
《 原 作 》ジョージ秋山 『浮浪雲』
《 脚 本 》高田亮(1・2・5・8回) 清水匡(3・4・6・7回)
《 音 楽 》遠藤浩二
《出演》佐々木蔵之介、倉科カナ、川原瑛都、渡部豪太、中越典子、六平直政、佐戸井けん太、前野朋哉、入山法子、イッセー尾形 ほか
《制作統括》落合将(NHKエンタープライズ) 原克子(松竹) 磯智明(NHK)
《プロデューサー》佐野元彦(NHKエンタープライズ) 並川弥央(松竹) 勝木孝(松竹)
《 演 出 》一色隆司(1・2・3回) 井上昌典(4・5・6回) 服部大二(7・8回)