NHK「舟を編む」社長(堤真一)を説得して『大渡海』紙とデジタルのセット販売決定【第7話ネタバレ】

07時00分ドラマ
画像:NHK「舟を編む」より

NHKの連続ドラマ「舟を編む〜私、辞書つくります〜」(毎週火曜よる10時)。7月29日放送の第7話では、紙の辞書を守ろうと奮闘する編集部員たちと、それを支える人々の思いが丁寧に描かれた。NHK+で見逃し配信も開始。

辞書『大渡海』の「デジタル1本化」を推し進める新社長・五十嵐(堤真一)に対し、馬締(野田洋次郎)らが取締役会で行う説得プレゼンがついに決行。さらに、業界で“難攻不落”とされる人気ブックデザイナー・ハルガスミ(柄本時生)に装丁を依頼するミッションも展開され、SNS戦略や人のつながりが鍵となる、熱い展開が繰り広げられた。



「舟を編む 〜私、辞書つくります〜」は、2012年に本屋大賞を受賞した『舟を編む』を原作とし、2013年には松田龍平主演で映画化、2016年にはテレビアニメ化もされた人気作品。原作や映画では、辞書編集に情熱を注ぐ馬締光也(まじめ・みつや)が主人公だったが、本ドラマでは、ファッション誌から辞書編集部に異動してきた新入社員・岸辺みどりの視点から物語が描かれる。⇒【キャスト紹介はこちら】【全話あらすじと見どころ】

■第7話あらすじ(※ネタバレあり)


辞書編集部では、『大渡海』のデジタル1本化を強引に推し進めようとする新社長の五十嵐(堤真一)を説得するためのプレゼンに向けて3本立ての対策を練る。
①紙辞書の意義と利点
②フォロワー目標1万人
③ハルガスミツバサに装丁依頼

紙辞書の意義と利点については、次の4つでまとめることに。
・記憶の定着(学習効果)
・所有権、閲覧権(購入したら一生もの)
・紙の一卵性(全体像が把握できる)
・セレンディピティ

『玄武書房 辞書編集部』のSNSは、自らの過去のトラウマを乗り越えてみどり(池田エライザ)が担当。周囲は「ストーカーが出るのでは」と心配するが、みどりは「紙の辞書の魅力」を言葉と熱意で広めていく。そんなある日、アニメの「ヲタムちゃん」が『辞書編集部』のSNSをフォローしてくれる。

そして、ハルガスミツバサは、「中身が白紙でも売れる」と評判の超人気ブックデザイナー。業界でも“難攻不落”とされている。宣伝部の西岡(向井理)が接触を試みるも、多忙とある悩みを抱えており、連絡が取れない。ところが、「ヲタムちゃん」経由で「がすみん」もフォローしてくれる。そしてこの「がすみん」こそがハルガスミツバサだと判明。DMで接触に成功。

みどりは、辞書用の最高の紙づくりのために製紙会社「あけぼの製紙」の宮本(矢本悠馬)とも話し合いを進める。宮本は誰にも気に留められない「シールの剥離紙」の開発に情熱を注いできた過去をみどりに語る。シールマニアのみどりから「あけぼの製紙の剥離紙をたくさん使っていました」と言われ、宮本はこれまでの努力が無駄ではなかった歓喜する。

みどりは元上司でファッション誌編集長の渡瀬凛子(伊藤歩)と再会し、雑誌のデジタル化におけるメリットとデメリットについて語り合う中で、渡瀬の「歳を重ねたからこそ、その先が見える」という言葉にみどりは感動する。

いよいよ紙辞書廃止に待ったをかける一大プレゼンが取締役会で開かれる。馬締(野田洋次郎)と西岡は「紙とデジタルの辞書セット販売」を提案し説得を試みるが、社長・五十嵐(堤真一)の反論は手厳しい。それでも「作り続ければ、紙の辞書は世界で最後の中型紙辞書になり、いずれ必ず価値が出る」「冬の守り神=玄武の名のとおり、いずれ春が来る」と信じて、社名に込めた想いで社長の心を揺さぶる。しかしまだGOは出ない。

その時、みどりから西岡に「ハルガスミさん、決まりました」のメッセージが届いた。これが社長の背中を押して、紙とデジタルの2本立てのGOが出た。

■第7話見どころ
第7話は、紙辞書を守るために一丸となる編集部員たちと、それぞれの立場から「続ける意味」を問い直す姿が丁寧に描かれた回となっている。

実は、『玄武書房』の社名が当時10歳だった秋田の少年が命名した。少年は「雪深い田舎で本のおかげで冬を越せた」と語っていたと西岡が調べていた。そして少年が五十嵐社長の可能性が高い。もしそうなら社長は本気で会社の立て直しを願っている。馬締の「冬の守り神=玄武の名のとおり、いずれ春が来る」という言葉には、そうした思いがあった。

また、ハルガスミは、“白紙でも売れる”という称賛に苦しんでいた。本への愛ゆえの葛藤だった。みどりは「『大渡海』をバカにしないでください」と辞書への自信と熱意を語り、ハルガスミを説得したのだった。


■次回(第8話)予告


次回、第8話では『大渡海』の編集がいよいよ大詰めに。みどりは馬締に案内され、用例採集カードが眠る資料室で“言葉の重み”を実感する。辞書用紙の開発にも挑み、月日は2年――いよいよ刊行間近というタイミングで、みどりが“ある重大な問題”に気づいてしまう。

さらに、映画版『舟を編む』で馬締を演じた松田龍平がゲスト出演。
【「舟を編む」ドラマ版と映画版の“馬締”が対面?】

【放送】2025年6月17日(火)スタート<全10話>
 総合:毎週火曜22:00~22:45
 再放送(総合)毎週木曜24:35〜25:20 (※金曜0:35~1:20)
【原作】三浦しをん 『舟を編む』
【脚本】蛭田直美
【音楽】Face 2 fake
【演出】塚本連平 麻生学 ほか
【出演】池田エライザ 野田洋次郎 矢本悠馬 美村里江 渡辺真起子 前田旺志郎/岩松了 柴田恭兵 ほか

NHK「舟を編む 〜私、辞書つくります〜」HP

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