SNSで話題!NHK「ひとりでしにたい」最終回に浮かぶ“ひとり”の新しいかたち

NHK土曜ドラマ「ひとりでしにたい」の最終回が8月2日に放送され、39歳独身女性・山口鳴海の“自分らしい終活”が描かれた。
鳴海(綾瀬はるか)は「ひとりで生きてひとりで死にたい」という強い意思を持ちつつも、家族や同僚との複雑な関係に揺れ動く姿をリアルに表現した。NHKオンデマンドで全話配信中。
最終回で鳴海と年下同僚・那須田(佐野勇斗)の関係が進展。那須田は交際ではなく“投資”という独特な言い回しで鳴海への好意を示し、鳴海も戸惑いながらその提案を受け入れた。一方、家族の実家売却問題も終活の現実を象徴する出来事として描かれ、社会問題への視点も提示された(最終回ネタバレあらすじ)。
SNSでは、那須田が鳴海を擁護する場面に多くの共感が集まった。視聴者は「彼の真面目さと優しさが伝わる」、「家族に一喝するシーンはスカッとした」と絶賛した。一方で「恋愛描写が理屈っぽい」「ラストが物足りない」といった批判もあり、最終回の抽象的な結末に賛否が分かれた。
それでも多くの視聴者は、「ひとりでしにたい」の本当の意味を「孤独死ではなく、自分らしく生き切ること」と解釈し、「誰かと過ごす不安も、一人でいる不安もあるが、それでも自分の足で立つ」とのメッセージに心を打たれたという声が多い。
ドラマは重い終活テーマを鋭いユーモアと繊細な心理描写で掘り下げ、自己決定の意思で人生を選ぶ強さを見せた。視聴者たちは人生の正解はなく、だからこそ自分らしく生きることの重要性を改めて感じた。
主演の綾瀬はるかの演技も高く評価され、彼女は強がりと本音、孤独と温もりの間で揺れる鳴海の心情を見事に表現した。最終回の別れには終止符が打たれたものの、「完全な孤独を望んでいるわけではない」揺れも感じさせ、続編への期待も高まっている。
「ひとりでしにたい」は、“よりよく生きて、よりよく死ぬための準備”という普遍的かつ永遠のテーマに真正面から向き合う、前代未聞の社会派「終活」コメディ。原作はカレー沢薫の漫画で、大森美香が脚本を担当。終活や孤独をテーマにしながらも、人間味豊かなコミカルなやり取りで幅広く共感を呼んだ意欲作となった。
※各話あらすじと見どころは【全話あらすじ(ネタバレあり)】で一覧。
NNHK土曜10時ドラマ「ひとりでしにたい」は総合テレビにて2025年6月21日(土)~8月2日(土)まで〈全6回〉放送。【原作】カレー沢薫『ひとりでしにたい』/ 【脚本】大森美香/【出演】 綾瀬はるか 佐野勇斗 山口紗弥加 小関裕太 恒松祐里 満島真之介 國村隼 松坂慶子 他。
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◇NHK「ひとりでしにたい」HP