【最終回ネタバレ】「剣樹抄〜光圀公と俺〜」第8話、火ノ介(加藤シゲアキ)、最期に人の心を取り戻し涙

9月21日に放送されたNHK BSプレミアム4K/BSで放送中の時代劇「剣樹抄~光圀公と俺~」最終回となる第8話「ふたり」では、光圀(山本耕史)の覚悟と信念、了助(黒川想矢)の成長と葛藤、そして極楽組との最終決戦が描かれた。この回の見どころとあらすじを紹介する、YouTubeにてPR動画が公開中だ。
※あらすじは、ネタバレしているので気になる方は、見どころだけをチェックして、あらすじは視聴後の確認用としてください。
ドラマ「剣樹抄~光圀公と俺~」は、明暦の大火という実際の歴史事件を背景に、後に黄門様と呼ばれる徳川光圀が子どもたちで組織する諜報団「拾人衆」とともに謎を解いていくミステリー × 時代劇の融合作品。原作は冲方丁の原作で、NHK BSプレミアム「BS時代劇」で2021年に放送された。⇒【関連記事・全話あらすじ】
■第8話「ふたり」あらすじ(ネタバレ)
光圀は義仙(舘ひろし)から、極楽組の首謀者が家光公に使えていた忍び刀の極大師(本田博太郎)だと聞く。了助は光圀と向き合い、今は火ノ介をやっつけるためなら何でもすると言い、光圀は「頼む」と頭を下げる。妻の泰姫(松本穂香)から励まされた光圀は、自分の力を正しくつかって前に進む決意を強くする。
極大師らが老中・松平信綱(升毅)の暗殺を企てる中、光圀は計画を止めるべく信綱のもとを訪れる。そこで光圀は暗殺の危険を訴え、自重を促すが、信綱は心遣いを感謝するも、「改革者は恐れずに前に進むべき」と逆に励ます。信綱は悪を恐れて立ち止まるのではなく、改革のために進み続ける覚悟を持っており、その言葉は光圀に強い決意を新たにさせる。
一方その頃、拾人衆は極大師の似顔絵を持って捜すが見つからない。そんな中、了助は氷ノ介(加藤シゲアキ/NEWS)に囚われてしまう。極大師の思惑に利用され、命を奪われかねない状況だったが、拾人衆の仲間・亀一(川口和空)がその優れた聴覚で手がかりを掴み、光圀は了助を救うために動き出す。
やがて光圀と氷ノ介の因縁の対決が始まり、そこには「光圀様は誰よりも良い人間になろうとしていた」という了助の言葉や、氷ノ介が父・吽慶(石坂浩二)に抱いていた複雑な想いが絡んでいた。氷ノ介は了助を殺すよう命じられていたものの、かつて父から与えられた言葉や、了助に託された「花」の象徴を思い出し、どうしても彼を手にかけることができなかった。
しかし、火ノ介は了助を殺したと光圀を徴発。光圀がピンチになったとき、義仙に救われた了助が現れ、光圀を助けた。しかし、その時銃声が響き、火ノ介の胸が赤く染まった。極大師の仕業だった。極大師は光圀に「徳川への忠義のために、氷ノ介たちを利用した」という。それを認めない光圀の信念の前に計画は崩れ去り、「いずれまた」と言い残して姿を消す。
苦しむ氷ノ介に「優しい子だ。九郎(火ノ介)は…」と吽慶の最期の言葉を光圀が教える。火ノ介は最後には涙を流し、人としての心を取り戻す。彼は「自分は地獄へ行く」と呟くが、光圀も「いずれ地獄でまた…」と言葉を返し、氷ノ介を見送る。その最期は、敵としての終わりではなく、赦しと救いに満ちたものとなった。
事件の後、信綱は城の体裁のためではなく、民の暮らしを守るために橋を架けると宣言し、為政者としての信念を示す。光圀は了助と共に生きる道を選び、もし自分が道を誤ったら棒で打ってくれと語りかける。だが了助は笑って「打たないよ。間違えない人間なんて、極楽の仏さまだから」と応じ、無垢な笑顔で光圀を支える。こうして二人は互いに補い合いながら、これからの未来へと歩み出していく。
最後に義仙は「剣樹地獄は消えた」と告げ、再び諸国漫遊の旅にでる。こうして罪や苦しみをめぐる物語はひとつの決着を迎える。最終回は、ただ敵を倒す勧善懲悪の物語ではなく、人を赦すこと、再生の可能性を信じることを描き出し、光圀と了助の絆の強さを鮮やかに浮かび上がらせる結末となった。
■最終回見どころ
この回、みどころは人の心を取り戻した火ノ介と光圀の最期の会話。悪人ではあったが彼もまた時代の被害者。そんなに火ノ介を加藤シゲアキが熱演。彼の涙に泣かされた。
また、光圀と信綱との対話も印象に残った。「太平の世」にはかつてとは違う「新しい政の形」が必要だと考えていた信綱。これに同意する光圀も「これからは戦で国を治める時代ではない」と答え、「いつか日本国の史書を編纂しようと考えている」と打ち明けた。その言葉に信綱も「戦のない世には学問こそが武器になる」と共感した。
実在した光圀も世子時代の明暦3年(1657)に史局(のちの彰考館)を開設して、国史の編纂事業に着手した。また、橋が架かると聞いた泰姫が光圀に「諸国漫遊ができるかも」と話すが、実際の光圀がドラマ「水戸黄門」のように、勧善懲悪の諸国漫遊の旅に出たという記録は一切ない。
なお、10月19日からは、英雄・勝海舟の両親を描いた斬新なホームドラマ時代劇「小吉の女房」のパート2を再放送する。
■放送情報
プレミアム4K/NHK BS:毎週日曜 18:45~19:28再放送(プレミアム4K):毎週金曜 19:30~20:13
【原作】冲方丁『剣樹抄』
【出演】山本耕史 松本穂香 黒川想矢 福田転球 内村遥 山本裕子 金恒那 川口和空 藤原颯音 黒澤諒
三宅弘城 北乃きい 山口馬木也 坪倉由幸(我が家) 西村まさ彦 本田博太郎/加藤シゲアキ(NEWS)/舘ひろし/石坂浩二 ほか
(各回ゲスト)八嶋智人 美村里江 駿河太郎 中嶋朋子 升毅
◇NHK「剣樹抄〜光圀公と俺〜」HP
◇YouTube「剣樹抄~光圀公と俺~」PR動画
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