【最終週ネタバレ】朝ドラ「あんぱん」“嵩はうちのあんぱんまんや”今田美桜が見つめ続けた優しい北村匠海

08時30分ドラマ
©NHK

のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)がたどり着いた“逆転しない正義”を体現する“あんぱんまん”は世の中の多くの人を幸せにする。そして、病気になった後も“あんぱんまん”が奇跡を起こした。最終回の二人芝居に圧巻の声。関連動画は番組公式サイトに公開されている。



朝ドラ「あんぱん」とは
「あんぱん」は『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと小松暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった二人の人生。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現し『アンパンマン』にたどり着くまでを描き、生きる喜びが全身から湧いてくるような愛と勇気の物語だ。その最終週・第26週が9月22日から放送された。

最終話は今田美桜と北村匠海の二人芝居をじっくりみせて幕

最終話、多くの朝ドラにあるように、皆で集まって大団円や走馬灯のように回想するようなシーンはなく、病室から始まり、自宅のリビング、散歩の様子など場所を移すも、ほとんどをのぶ役の今田美桜と嵩役の北村匠海の二人芝居だった。ラストシーンでは並木道をあるく二人の後ろ姿から空に向かってカメラが視点をうつすと、そこにあんぱんまんの姿が描かれるシーンで幕を閉じた。

“あんぱんまん”人気は幼児から大人まで広がり、不動の人気ものになる

絵本を出した当初は受け入れられず、ミュージカルになって子どもに人気になっても、教育評論家たちからの受けは悪い。しかし、子どもたちからの人気は大人の評論家の意見など簡単に乗り越えた。バイキンマンという悪役を描くことでどんどんと人気になってゆく。そして、テレビアニメが始まると、その人気は不動のものとなる。

最終週でも戦争を描く

朝ドラに珍しいほど、戦争を取り扱った「あんぱん」。戦地で嵩に大きな影響を与えた八木(妻夫木聡)の経験はこれまで語られなかった。しかし、それは、これまでのどの人よりも深いものだった。殺されないために相手を倒す。必死だったが、殺した相手にも家族がいたことを認識すると、八木の心も崩壊したのだ。その話を受け止めた蘭子(河合優実)。蘭子が難民キャンプの取材に向かう前に、八木は蘭子にダイヤの指輪を贈った。

橋本環奈からバトンタッチされた今田美桜は高石あかりへバトンタッチ

「おむすび」に主演した橋本環奈からバトンを渡された今田美桜は9月29日から放送開始となる「ばけばけ」の高石あかりへバトンを渡した。朝ドラのヒロインによるバトンタッチは恒例となっていて、ドラマに縁のあるプレゼントも交換しあう。橋本環奈へは「高知の特産品・鳴子」と「あんぱん」と贈ったが、高石あかりへはしじみ汁が描かれた高知県の伝統工芸品「土佐凧(だこ)」を贈り、髙石からは島根・松江市の伝統工芸品「八雲塗りの手鏡」と宍道湖産のしじみが贈られた。

【第26週(2025/9/22-9/26)ネタバレあらすじ】

のぶ(今田美桜)が撮ったミュージカルの写真を見ていた嵩(北村匠海)は、こっそり来ていた登美子(松嶋菜々子)が写った写真を見て驚く。ミュージカルを見に来たこともだが、登美子が楽しそうに優しく微笑みながら見ているのだ。実は登美子は嵩の大ファンなのだ。そんな中、のぶ、登美子、羽多子(江口のりこ)が旅行することになった。行き先は高知。久しぶりに千代子と4人で会おうという計画だ。のぶは“あんぱんまん”の絵本を沢山持ち、御免与町の子どもに配るという。そんなのぶに羽多子は「あんぱんまんはのぶと嵩の子ども」だと目を細めた。出発前夜、初めて柳井家に泊まる登美子と布団を並べて横になった嵩は登美子に本音で語る。

旅行から戻り、カメラを手に写真屋を訪れたのぶは、店主(石橋蓮司)に声をかけられる。3歳の孫があんぱんまんが大好きで毎晩、絵本を読んでとせがまれるのだ。そして「続編をどんどん書いて欲しい」と言われる。のぶは息を弾ませて帰ってきた。アンパンマンに何か足りないと感じていた嵩は、のぶの話を聞いて悪役を描き始める。

それから2年の月日がたち、愛すべき悪役のバイキンマンは子どもたちに人気のキャラクターになっていた。そんなある日、蘭子(河合優実)が嵩にバイキンマンが生まれた理由を尋ねると、一方的な考えではなく、双方の意見は拮抗していて正しい世界だという。聞いていた八木(妻夫木聡)は押し黙った。八木は以前、蘭子から戦争のことを取材したいと言われていたが、拒否していた。しかし、嵩の話を聞いて、蘭子の取材に応じる。実は一度目の招集で、中国で、敵に味方がどんどんとやられていき、自分も生きてられないかと思い、銃を撃ちまくったという。そして、さらに銃剣で刺し殺したと。その兵隊の荷物に妻子の写真があったと語ると、八木は声を殺して泣き出した。そして蘭子も八木と一緒に泣いてしまった。

そして嵩は、次々とキャラクターを生み出していく。カレーパンマン、しょくぱんまん、おむすびまんなどなど、手が追いつかないほどだ。

ある日、アンパンマンをテレビアニメ化したいとテレビプロデューサーの武山(前原滉)が訪ねてくる。だが嵩は、アンパンマンを傷つけられたくないと言って断ってしまう。諦めきれない武山は一週間後にまたやってくる。不在だった嵩にのぶが彼の熱意を伝える。その熱意に本当をみたのぶは嵩を説得する。嵩はようやく引き受けることにした。

嵩は主題歌の歌詞も担当し、書き上げた歌詞をのぶに見せると、のぶの目に涙がうかぶ。しかし、武山は歌詞の一部について修正して欲しいという。“たとえ命が終わるとしても”という言葉が幼児を対象とすると強すぎるというのだ。のぶは「ここが一番大切なところ」と訴えるが、嵩は“みんなを喜ばせる”ために、歌詞をかえるという。そして、それ以外も徹底的に納得するまでやりとげるといい、長い制作期間を経てゆく。

2年がかりで完成したテレビアニメ「それいけ!アンパンマン」が放送され、のぶと嵩をはじめ、それぞれが思いを巡らせる。こうしてアンパンマンとやないたかしの名は日本中に広まることとなる。嵩は人気漫画家となり、スケジュールの調整をするのぶ。健太郎(高橋文哉)とメイコ(原菜乃華)の念願のカレー屋を開業していた。

難民キャンプの取材に向かおうとする蘭子に、八木は指輪を贈った。そして、帰国してから考えて欲しいという。

そんなある日、のぶは嵩の仕事を助けるように、お茶の弟子である中川星子(古川琴音)にお願いする。「どうして私が?」と思う星子に、あんぱんまんのことを誰も見向きもしなかったころから大事にしてくれたからだという。そして、のぶは病院に向かう。嵩はのぶが体調が悪いことに気がついていなかった。のぶは手術をすれば大丈夫と嵩に笑いかける。

のぶの病室のドアを開けた嵩は、にっこり笑うのぶの姿に胸がいっぱいになる。その後退院したのぶは、嵩に自分がいなくても大丈夫かと尋ね、今年の桜は見られないかもしれないとつぶやく。そんなことないと打ち消すように話す嵩は、たまらずのぶを抱き寄せる。のぶは嵩に「一番好きな歌を歌って」と“あんぱんまんの主題歌”をねだる。のぶが歌って欲しかったのは嵩の思いが一番込められた、“修正前”のほうの歌詞だった。

その後、奇跡が起きたかのように余命幾ばくもないと宣言されていたのぶは5年の間、健康を取り戻す。ライフワークとなっていた“あんぱんまん”の読み聞かせも続け、幸せな日々を過ごす。そして、二人はのんびりと散歩を楽しむ。のぶは最高の笑顔で嵩に「嵩は、うちのアンパンマンや」とつぶやいた。

■スタッフ他


脚本:中園ミホ
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り: 林田理沙アナウンサー
出演:今田美桜,北村匠海,江口のりこ,河合優実,原菜乃華,高橋文哉,前原滉,妻夫木聡,松嶋菜々子,石橋蓮司,阿部サダヲ,大森元貴,古川琴音,瀧内公美,志田彩良, 他

 <総合>(月~土)午前8時~8時15分/午後0時45分~1時[再]
 <BSプレミアム>(月~土)午前7時30分~7時45分/午後11時00分~11時30分[再]
   (土)午前9時45分~11時[1週間分]

NHK朝ドラ「あんぱん」番組公式サイト
NHK朝ドラ「あんぱん」番組公式Twitter @asadora_nhk

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