NHK「未解決事件 File.04」 逃亡犯へ~遺族からの言葉~
11月1日(土)22時から放送の「未解決事件 File.04」逃亡犯へ~遺族からの言葉~では、これまでのドキュメンタリー形式を一新し、被害者の家族や友人をスタジオに招き、それぞれの思いを見つめる内容となっている。
遺された人々の「声」を通して、事件の記憶と向き合う特集が放送される。
ゲストには、葬祭業に携わり多くの遺族の思いに触れてきた壇蜜、ジャーナリストの江川紹子、元警察庁長官の金髙雅仁が出演。
番組では、1999年に名古屋市西区で起きた主婦殺害事件の遺族である高羽悟さん、そして2022年の「別府ひき逃げ殺人事件」で亡くなった大学生の友人・弘樹さん(仮名)に取材し、スタジオで率直な心境を聞いた。
「犯人に枕を高くして眠らせたくない」―高羽悟さんの決意
高羽さんは26年間、事件が起きた部屋を借り続け、当時の血痕を保管して風化を防ぐ活動を続けている。
「どんな顔をしているのかわからない犯人に、いつまでも枕を高くして熟睡できないようにしないといけないと思う。どういう理由で自分の家族が殺されたかを知りたい。間違えていてもいい、情報があったら誰かが通報しているだろうと思わず、一報いただければと思う」と訴える。
「彼の人生の分も生きていきたい」―弘樹さん(仮名)の覚悟
「別府ひき逃げ殺人事件」で亡くなった友人を悼む弘樹さんは、「事故で割れたバイクのエンブレムを持ち、亡くなった彼のことを思い出したり、その時のことを振り返りながら、自分だけは絶対に忘れてはいけない。彼のことも忘れたくない。彼の人生の分も僕が背負っていくつもりで二人三脚で自分の人生を生きたい」と語る。
記憶を風化させないために―小関代里子さんの願い
VTRには、2009年の「熊谷ひき逃げ事件」で小4の息子を亡くした母・小関代里子さんも登場。小関さんはこれまで10万台以上の車両情報を記録し、警察に情報提供を続けてきた。「犯人にも大切な家族がいるなら、真実を話し、自首してほしい」と訴える。
番組では視聴者からの情報提供も受付
番組では、放送中に表示されるQRコードから視聴者による情報提供を受け付ける。
時効の壁、記憶の風化、捜査の限界。
それでも「真実を知りたい」と声を上げ続ける遺族や被害者たちの言葉に焦点を当て、事件の背景や情報提供の意義を掘り下げる。
出演者コメント
壇蜜 コメント
「未解決を放送する理由は、忘れてほしくない、風化させたくないという多くの人の思いがあると思います。もちろん被害に遭われた方々の思いが一番強い。
忘れられるというのは、解決しないということ。見ている一人ひとりが“忘れない”ということが、解決のチャンスを逃さない一番の方法だと思います。
この番組を通じて、“忘れてはいけない出来事”を再認識する時間になってほしいです。」
江川紹子 コメント
「未解決事件は許されない。でも、それが起きてしまうことを前提に、どうすればいいのかを考えないといけないと思います。
事件ゼロを目指す一方で、起きてしまった未解決事件にどう向き合うのか。
“ひとごとではない”という認識を持つことが大事なのではないでしょうか。」
未解決事件 File.04「逃亡犯へ~遺族からの言葉~」
放送:11月1日(土)22:00~22:54[NHK総合]
配信:NHK ONE(同時配信・見逃し配信は11月8日まで)
◇番組公式サイト