「三国志外伝 愛と悲しみのスパイ」第12話:真の“燭龍”の正体は意外な人物(全17話)|ネタバレあらすじ

11月16日23時20分ドラマ
画像提供:NHK

NHKBS時代劇(BSP4K)で11月23日(日)、BSでは11月27日(木)ほかで放送する三国志ドラマ「三国志外伝 愛と悲しみのスパイ-風起隴西-」(原題:風起隴西 –Spy of Three Kingdoms-)第12話、二重スパイの正体に衝撃が走る。第12話ネタバレあらすじと見どころ、豆知識を紹介。[ステレオ2か国語放送(主:日本語吹き替え/副:中国語)| 字幕放送有り]YouTubeにて予告動画が公開中だ。
※あらすじはネタバレとなっているので、気になる方は見どころと豆知識をチェックして、あらすじは視聴後の確認用としてください。



本作は、「風起洛陽~」の原作者・馬伯庸の小説を超一流キャスト・スタッフで映像化した作品。主人公の陳恭は、蜀の間者「白帝」として敵国に潜入するが、疑惑の的となり、義兄弟の荀詡によって真実を証明すべく奔走。誰が味方で誰が裏切り者か、彼らが命がけの情報戦に挑む。➡【時代背景】【全話あらすじと見どころ】

■第12話見どころ
荀詡(じゅんく)による高堂秉(こうどうへい)の尋問がスタートする一方、政局に本格的に復帰した李厳(りげん)に、皇帝・劉禅(りゅうぜん)から密勅が下る。政局が揺れる中、魏の間諜となった陳恭が、柳瑩(りゅうえい)と共に司聞曹の中で暗躍する。陳恭が蜀漢を裏切るきっかけが語られる注目回です。

■豆知識:蜀のNo.2李厳将軍
ドラマに出て来る李厳将軍は、歴史上実在する人物で、三国志の正史『三国志』蜀志にも記されている後漢末期から三国時代にかけて蜀漢で活躍した武将であり政治家だ。

若い頃から官吏としての才覚が認められ、ドラマにも出てくる皇帝・劉禅の3代前になる劉表の時代から仕えていた。曹操が荊州侵攻後は劉璋に仕え、劉備が益州に侵攻すると、劉備に仕えた実力者。劉備が亡くなる前に、劉禅を託した人物が、諸葛亮ということは有名な話だが、彼と共に劉禅を託されたのが李厳だった。それだけ、劉備は李厳を高く評価していたのだろう。

ドラマでは、諸葛亮が魏討伐に出陣するきっかけとなった「出師の表」を上奏する場面が描かれるが、それと同時に、生前の劉備は諸葛亮が権力を独占することに不信感を抱き、劉禅も諸葛亮の言動が信じられず李厳に助けを求めるという描写もある。史実では劉禅を補佐するほど信頼を得ていた諸葛亮が、ドラマでは今後どのように描かれていくのか。その鍵を握る李厳の動向に注目したい。

■キャスト
陳恭(ちんきょう): チェン・クン 陈坤 [声:諏訪部順一]
荀詡(じゅんく): バイ・ユー 白宇 [声:森川智之]
馮膺(ふうよう):ニエ・ユエン 聂远 [声:東地宏樹]
李厳(りげん):イン・ジューション 尹铸胜 [声:岩崎ひろし]
孫令(そんれい):チャン・ユエン 常远 [声:島川直]
柳瑩(りゅうえい):アンジェラベイビー 杨颖 [声:釘宮理恵]
翟悦(てきえつ):スン・イー 孙怡 [声:宮本侑芽]
ほか



※24話版を視聴してあらすじを紹介しています。視聴後調整致します
■第12話ネタバレあらすじ
荀詡(じゅんく)の尋問
ゆっくり歩けるようになった荀詡は、牢にいる高堂秉(こうどうへい)に会いに来ていた。そして、高堂秉が翟悦のことを黄預に報告したことで、自分の従妹で陳恭の妻を亡くしたことを告げた。高堂秉は驚いたが、諜報の運命だとつぶやいた。

その頃、陳恭は馮膺(ふうよう)から西曹掾(にしそうえん)に就くことを打診されていた。陳恭は自分には荷が重いと断ったが、馮膺は、燭龍の責を負い、自分が退陣した後、司聞曹を任せられるのは陳恭だと言って、西曹掾の札を渡した。そして、燭龍排除後には、こちらから仕掛けるべきだと次の一手を考えていた。

一方、牢屋では、荀詡が高堂秉から、暗号解読用の木片は孫令から盗み、協力者はおらず、単独行動をしていたと語った。そして、魏との連絡には、司聞曹の軍機伝達経路を使い、赤帝という架空の密偵をでっちあげ、そこから魏に情報を送っていたことを明かした。しかし、谷正の存在をどこで知ったのかを聞くと、高堂秉は黙り込み、自分を赦免してくれたら話すと交換条件を出してきたので、荀詡はその場から立ち去った。

真の“燭龍”の正体
魏では、郭淮(かくわい)が、甥の郭剛(かくごう)に天水に戻り、学問に励むよう命じていた。間諜と知らず陳恭を取り逃がしたことに責任を感じる郭剛はふてくされたが、郭淮は、青萍計画はまだ続いていて、真の目的は連弩の設計図ではなく、魏の間者を司聞曹の上層部に送り込むことだと話した。燭龍が司聞曹に入り、曹掾の座に就けば、蜀の軍事機密を入手できるという。さらに、高堂秉が捕まった今、真の燭龍が任務を遂行していると語るのだった。

陳恭は紫煙閣に行き、柳瑩を指名した。柳瑩の前で、陳恭は笛の先端を机に投げた。柳瑩はその先端を自分の持っている笛にさすとぴったりはまり、「神亀は命長し、時機を待つな」と合言葉を言うと、陳恭は「騰蛇(とうだ)は飛翔し、天地のごとく輝く」と返した。柳瑩は笛を置き、「待っていました。まさかあなたが本物の燭龍だとは」と言った。

北伐、再び
蜀では、皇帝・劉禅(りゅうぜん)から魏は呉に、蜀漢を侵略する意思はないのに、なぜ北伐を進めるか問われた諸葛亮は、先帝の意思を継ぎ、王業を成すなら、魏が疲弊している今がチャンスだと説明した。李厳は反対したが、結局劉禅は北伐を許すことになる。

その頃、紫煙閣では、柳瑩と陳恭が話していた。李厳のお気に入りとなった柳瑩、そして司聞曹の中で昇格した陳恭。2人の間者は今や蜀の中枢に入り込んだと言っても過言ではない。陳恭は、高堂秉が捕まったことにより、馮膺は失脚するだろうが、司聞曹を完全に掌握するまで油断は禁物だと釘を刺した。陳恭は、柳瑩に「李厳は楊儀と引き換えに馮膺を残す。馮膺が死なねば、青萍計画はついえる。極端なやり方だが準備を整えろ」と命じた。

馮膺、裏切りの過去
一方、魏では、郭淮(わいかく)が甥の郭剛に“燭龍”の正体について説明していた。高堂秉が捕らえられた今、新たな燭龍が立つ。それが、陳恭だった。蜀の司聞曹の中で、高堂秉を捕らえれば、さらに位が上がることを見越し、郭淮は陳恭を送り込んだと説明する。郭淮は、3年前に蜀の間者として潜入し、侍衛長に昇格した陳恭の正体を見破っていた。陳恭が情報を盗んだ時、現場を押さえたのだ。

郭剛がどうやって陳恭を手駒にしたのか訊くと、郭淮は、陳恭に馮膺との取引を見せ、陳恭の父は馮膺に殺されたようなものだと説明したという。それも、郭淮は10年前、馮膺と取引し、夏侯淵(かこうとん)と劉備の10万の兵が激突した際、蜀の情報を郭淮に渡したのが馮膺だった。その際、危険の矢面に立った李厳の身代わりになったのが、陳恭の父・陳黻(ちんふつ)だった。


郭淮は陳恭に、馮膺の情報を与えるかわりに、司聞曹の密偵について教えてもらっていた。さらに陳恭は、そこで馮膺が建威の王善人を売った文書を目にし、陳恭は打倒馮膺を誓うことになった。そして陳恭は父の仇を取る為に、郭淮から「3年は働かなくていい。だが司聞曹からの指示はよこせ。馮膺からの任務を遂行しろ。」と命じられる。

馮膺の目を欺き、司聞曹で手柄を取れば、馮膺に近づきいずれ殺すこともできると。ただ、そこまで生き延びるかは陳恭の手腕だったため、郭淮はここまで陳恭が成功するとは予想していなかったとこぼした。

李厳に密命が下る
司聞曹では、陰輯(いんしゅう)が馮膺に朝議の報告をしていた。諸葛亮が北伐に出る前の上奏文を献上し、劉禅がそれを認めたこと、燭龍の話もでたが、李厳が馮膺の身柄を保証し、劉禅は免責を言い渡したこと、馮膺は1年分の俸禄を剥奪されるが、残留が決定。そして楊儀が復帰するという内容だった。それを聞いて、馮膺は胸をなでおろすのだった。

一方、李厳は皇帝から1人で参内するよう命じられていた。そこで、宦官から密勅を賜った。それは、先帝が崩御した際につけていた玉帯が入った箱だったが、宦官は「先帝の意を受け、陛下をお守りし、生姜と酢をすする思いで耐え、陛下を支え漢の復興を・・・」と言葉を添えた。

皇帝の疑念
屋敷に戻った李厳は、早速、玉帯を手に取ると、厚みを確認する。その部分の糸をほどくと、中から白紙が出て来た。宦官の言葉を思い出し、酢と生姜水をつけると、文字が浮かび上がって来た。そこには、皇帝が即位した後、諸葛亮を武郷侯に任じ益州の統治を任せ、朝廷での決定権も与えたが、まだ天下は安定せず不安でならないと記されていた。さらに、諸葛亮は張飛の娘を勝手に皇后に立ててしまい、これは曹操でさえ献帝にここまでひどいことはしなかったとも書かれていた。

諸葛亮は、皇帝から大きな権力を与えられたが、権力を独占し勝手なことをして、皇太后や皇帝から不信感を持たれているという内容に、李厳は震え、「ここまで諸葛亮が酷いとは・・・」と衝撃を受ける。

馮膺を擁護する李厳
司聞曹では、高堂秉が荀詡に、赦免の約束がとれれば、残りの話をすると交換条件を出してくる。しかし荀詡は、翟悦が高堂秉に殺されたので、条件を飲めば陳恭にも翟悦にも顔向けできないと断固拒否の姿勢を取る。そして焦る高堂秉に、一日待つと告げた。

皇宮から戻る馬車で、狐忠は、李厳に、「司聞曹を陳恭に任せれば馮膺は不要では?」と言ったが、李厳は一人に力を集中してはいけない、要するに2人を抱えることがこの先も安定だと話した。そこへ、馬車の前に馮膺が現れ、命を助けてもらった謝辞を述べ、屋敷に案内したいと申し出る。馮膺の案内で訪れた屋敷は贅を凝らしたもので、馮膺は李厳が休めるために用意したから、ここで休養して欲しいと申し出た。

高堂秉に近づく陳恭
荀詡が歩行の練習をしていると、陳恭がやって来た。高堂秉に会って来たという陳恭は、荀詡がきつくあたっている事を知り、「尋問は私情を挟まず冷静になれ。いっそ、私に任せるか?」と顔色をうかがった。

一方、李厳はお気に入りの琴を奏でていると、馮膺が柳瑩を伴い現れた。李厳は喜び、柳瑩のために作った詩を渡すと、柳瑩はいきなり手をつき、幼い頃に両親を亡くし、身寄りがない自分に情けをかけて欲しいと頭を下げた。李厳は柳瑩を見捨てないと言うと、彼女の手を取り笑顔を向ける。

その頃、荀詡と陳恭が食事をしていると、裴緒(はいしょ)がやって来て、高堂秉が自害したことを報告する。

※BSにて「風起隴西 –Spy of Three Kingdoms-」の原題で放送された(全24話版)の全話あらすじはこちらで一覧できる⇒【全話あらすじ】

NHKでは全17話で、BSP4Kが毎週日曜21時から、BSは毎週木曜23時25分からスタート。再放送は毎週金曜17時で予定されている。日本初の吹き替え版4K放送となり、音声は日本語吹き替えと中国語の二カ国語を選択可能。字幕放送も用意されている。

[原題]
风起陇西/風起隴西 –Spy of Three Kingdoms-

[制作]
2022年 中国

【放送予定】
BSP4K 毎週日曜 21時00分 2025年9月7日(日)開始
BS 毎週木曜 23時25分 2025年9月11日(木)開き始予定
※2025年11月より、毎週木曜22時45分に時間変更
BS(再放送) 毎週金曜 17時00分 2025年9月12日(金)開始予定
全17回
[ステレオ2か国語放送(主:日本語吹き替え/副:中国語)| 字幕放送有り]


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YouTube【公式予告編】「風起隴西(ふうきろうせい)-SPY of Three Kingdoms-」

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