【最終回考】「捏造された都市」はなぜ心に残るのか?テジュンとヨンシク親子が紡ぐ“人間ドラマ”を徹底解説
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チ・チャンウク、ド・ギョンス(EXO D.O./ディオ)共演の話題作、韓国ドラマ「捏造された都市」(조각도시)の最終回が12月3日公開され、Disney+(ディズニープラス)「スター」にて全話独占配信中だ。
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「捏造された都市」は、平凡に暮らしていた青年テジュン(チ・チャンウク)が、ある日突然“凶悪犯罪者”に仕立て上げられることから物語は幕を開ける。身に覚えのない罪で逮捕され、世間からも家族からも見放され、理不尽に刑務所へ送られたテジュン。しかしその裏では、ヨハン(ド・ギョンス)が精巧に練り上げた“計画された破滅”が動いていた。
自由、未来、名誉。すべてを奪われたテジュンは、真相を暴き復讐を遂げるため、極限の闘いに身を投じていく。アクション、スリラー、社会派テーマを兼ね備えた作品だが、観終えた視聴者が口を揃えるのは「これは復讐劇だけではない」ということだ。本作の真の魅力は、テジュンを助けるノ・ヨンシク(キム・ジョンス)と娘ウンビ(チョ・ユンス)、この“親子の再生”にある。
■仏のような父”ヨンシクの過去が胸を刺す
――酒に溺れ、妻を失い、娘との絆も断たれた男
現在のヨンシクは、柔和な笑顔と穏やかな物腰で“仏のような人”であり、テジュンに生きる望みを与えた人物でもある。しかし、その穏やかさは10話で明かされた過去の深い傷の上に成り立っている。
かつてヨンシクは、酒に溺れた荒んだ生活を送っていた。妻が亡くなったあの日も、酔って帰ったことで口げんかになり、腹を立てて家を出た。タバコを買って戻ってきたときには、家はもう炎に包まれていた。火の原因は、ヨンシクがカッとなって投げ捨てたタバコが、こぼれた灯油に引火したものと推測される。
足がすくんで火の中へ飛び込むこともできず、妻を失った自責の念――。
「なぜ助けに行けなかったのか」
この問いは今も彼の胸を締めつけ続ける。さらに追い打ちをかけるように、警察は彼を“放火犯”として疑った。娘ウンビとの関係が崩れたのも、まさにこの事件からだった。
■幼いウンビを突き放した“痛みの愛”
――父が選んだ、最も残酷で最も優しい選択
第11話。刑務所に収監されていたヨンシクのもとへ、小さなウンビが面会に訪れる。
ガラス越しに「アッパ(お父さん)」と呼ぶ娘。
しかしヨンシクは、彼女の未来に自分の影を落としたくない一心で、心を鬼にして言い放つ。
「二度と来るな。」
泣きながら追い返されたウンビ。
その瞬間、父と娘の間には深い溝ができた。
ヨンシクの罪悪感と喪失は、何年経っても癒えることはなかった。
■ヨンシク親子の“輝く存在感”
――見逃せないのはこの二人の物語だ
本作で多くの視聴者が魅了されたのは、ヨンシクとウンビの“光のような存在感”だ。
● テジュンを救うため釜山へ駆けつける父の勇気
テジュンが危機に陥るたび、ヨンシクは娘のウンビと共に、恐怖を押し殺して行動する。
特に釜山に向かうシーンでは、かつて逃げることしかできなかった男が、今度は仲間を守るために走り出す姿が胸を打つ。
● 危機を知恵で切り抜ける“賢くて可愛い”ウンビ
売店での危機を機転で回避したり、事件解明の作戦を練るのに貢献したりと、ウンビはただの“助けられる側”ではない。
彼女の行動力と聡明さは、テジュンが再び立ち上がるための大きな支えとなっていく。
● ヨハンの疑問
「なぜ赤の他人を助ける?」
黒幕ヨハンが抱いたこの疑問は、物語の核心でもある。
“血のつながりでもないのに、なぜそこまで?”
その答えは、テジュン・ヨンシク・ウンビの3人が互いに埋め合う“失われたもの”にある。
テジュンには家族が、ヨンシクには贖罪が、ウンビには父の愛が。
彼らはそれぞれの欠片を補い合いながら“疑似家族”のような絆を築いていくのだ。
■復讐劇と思いきや“救いの物語”
――ラストに訪れる温かい余韻
序盤は怒りと絶望の連続だが、終盤にかけて物語は少しずつ温度を帯びていく。
テジュンの復讐が成就したとき、そこにあったのは空虚ではなく――
ヨンシク親子との“再生”という光。
父と娘が再び向き合い、テジュンがその架け橋となる形で物語は静かに締めくくられる。
重苦しい題材を扱いながらも、ラストには確かな希望が残るのが本作の魅力だ。
■ 全12話、一気見必至の緊張感と濃密さ
●チ・チャンウクの身体を張ったアクション
●ド・ギョンスの冷酷な狂気
●ヨンシク親子のヒューマンストーリー
●濃密で無駄のない12話構成
●これらが絶妙に絡み合い、息をつく暇もなく視聴者を引き込む。
●特にチ・チャンウクとド・ギョンスの対決シーンは、ファン必見の迫力だ。
■ まとめ:ただの復讐劇では終わらない、“人が人を救う物語”
「捏造された都市」は、濡れ衣を着せられた男の逆襲を描きながら、その裏で静かに進行していた“家族の再生”を見事に織り込んだ作品だ。テジュンを救ったのは、法でも正義でもない。ひとりの父と娘の、傷だらけで不器用な優しさだった。
見終えた後、胸に残るのは怒りでも痛みでもなく――温かい余韻と、もう一度誰かを信じたくなる気持ち。ディズニープラスで、ぜひじっくり味わってほしい作品である。
【「捏造された都市」を2倍楽しむ】では、全話のあらすじと見どころ、制作発表会レポートやキャスト徹底紹介などまとめている。
※なお、Disney Plus Instagramでは、出演者直筆サイン入りポスターが当たる「조각도시(捏造された都市)全エピソード公開! もう一度最初から見直そう!」イベントを開催している。
イベント期間:12月3日(水)~12月7日(日)
当選発表:12月8日(月)*個別DMにて通知
当選賞品:ドラマ조각도시出演者直筆サイン入りポスター
但し、本イベントはディズニー+コリア公式Instagramのみで実施中だ。
◇韓国ドラマ『捏造された都市』本予告