松本若菜×鈴木保奈美が激突―NHKドラマ「対決」制作開始、2026年春放送へ

12時22分ドラマ
左:松本若菜、右:鈴木保奈美

NHKは、社会派エンターテインメントドラマ「対決」の制作開始を発表した。放送は2026年春スタート(全5話)を予定している



本作は、医大入試をめぐる“不正採点疑惑”を発端に、立場も信念も異なる二人の女性が真正面からぶつかり合う物語。主演を務めるのは松本若菜と鈴木保奈美。現代社会に根深く残る性別による不公平や偏見をテーマに、単なる善悪の対立では終わらない重層的なドラマが描かれる。


入試差別の“噂”から始まる、二人の女性の対峙

物語の主人公は、新聞記者・檜葉菊乃(松本若菜)。
ある医大で「女子の点数が意図的に下げられている」という衝撃的な噂を耳にした彼女は、独自の調査を開始する。

その過程で浮かび上がるのが、医大理事・神林晴海(鈴木保奈美)の存在。巧みに追及をかわす神林に対し、檜葉は「突破口はここしかない」と信じ、執念深く真相へ迫っていく。

男性優位の社会の中で、無数の理不尽を経験してきた二人。
同じ“女性”でありながら、置かれた立場の違いによって信念は鋭く衝突し、やがて避けられない「対決」へと向かっていく。


松本若菜「小さくても何かが心に残れば」
主人公・檜葉菊乃を演じる松本若菜は、本作が投げかけるテーマについて次のように語っている。
「性別を理由に、本来得られるはずの評価が得られなかったり、選べるはずの未来が閉ざされたりするのは、本当に残念なことだと思います。
この作品を観てくださる方の心に、小さくても何か残っていただけるなら、演じる私自身にとっても大きな誇りです」

自身の実感とも重なる言葉からは、役柄への強い思い入れがにじむ。


鈴木保奈美「一つの正解も、勝ち負けもない」
医大理事・神林晴海を演じる鈴木保奈美は、「対決」というタイトルそのものに深い問いを感じているという。
「一つの出来事には、関わる人の数だけ理由があり、理由の数だけ物語がある。一つの正解はなく、勝ち負けもない」
誰が“正しい”のかを単純に断じるのではなく、複数の正義が交錯する物語として本作に向き合う姿勢を明かした。


実力派スタッフが集結、社会派エンタメとして描く

原作は、月村了衛の同名小説「対決」。
脚本を渡邉真子、演出を池田千尋と小菅規照が担当し、音楽は小山絵里奈が手がける。

脚本の渡邉は「誰にとっての正しさなのか」を問い続ける物語だと語り、演出の池田も「誰が悪いかを暴くドラマではない」と強調。登場人物それぞれの正義と葛藤を、丁寧にすくい取る作品になることを予告している。


女性たちの“静かな闘い”を描く、注目作

「幸せを願い、理不尽に立ち向かう女性たち」を描く本作は、社会的テーマを内包しながらも、エンターテインメントとしての緊張感と見応えを兼ね備えた一作となりそうだ。

松本若菜と鈴木保奈美、二人の実力派女優が真正面からぶつかり合う「対決」。
2026年春の放送に向け、今後の続報にも注目したい。


「対決」
【放送予定】 2026 年春スタート (全5話)
【原作】「対決」月村了衛
【脚本】渡邉真子
【音楽】小山絵里奈
【演出】池田千尋 小菅規照
【出演】松本若菜 鈴木保奈美 ほか
【制作統括】黒沢淳(テレパック) 熊野律時(NHK)