「三国志外伝 愛と悲しみのスパイ」第17話:陳恭が描いた真相の果て【最終回ネタバレ】

10時07分ドラマ
画像提供:NHK

NHKBS時代劇(BS4K)で12月28日(日)、BSでは1月8日(木)ほかで放送する三国志ドラマ「三国志外伝 愛と悲しみのスパイ-風起隴西-」(原題:風起隴西 –Spy of Three Kingdoms-)最終回となる第17話では、真相が繋がる緊迫の結末。友情、裏切り、信念が交差し、スパイたちの儚い生き様が胸に迫る。第17話ネタバレあらすじと見どころ、豆知識を紹介。[ステレオ2か国語放送(主:日本語吹き替え/副:中国語)| 字幕放送有り]YouTubeにて予告動画が公開中だ。

※あらすじはネタバレとなっているので、気になる方は見どころと豆知識をチェックして、あらすじは視聴後の確認用としてください。



本作は、「風起洛陽~」の原作者・馬伯庸の小説を超一流キャスト・スタッフで映像化した作品。主人公の陳恭は、蜀の間者「白帝」として敵国に潜入するが、疑惑の的となり、義兄弟の荀詡によって真実を証明すべく奔走。誰が味方で誰が裏切り者か、彼らが命がけの情報戦に挑む。➡【時代背景】【全話あらすじと見どころ】

■第17話見どころ
魏に潜入した間者「白帝を殺せ」という密命から始まった荀詡と陳恭の物語がついに終焉する。蜀漢と魏、北伐の戦いの裏で繰り広げられた諜報戦は、いつしか蜀内の政争へと変化し複雑さを増していく。そして収集つかない状況に陥る中、陳恭が全てを被り斬首の刑に・・・。国への義か友情か、究極の選択を迫られ続けた陳恭と荀詡だが、どんな戦況でも2人の固い絆がもたらす友情に何度も胸を熱くする最終回となっている。

■豆知識:蜀は呉との同盟関係を復活
物語の最後、東呉へ向けて新たな任務に向かう荀詡だが、史実では、第二次北伐後、蜀と呉の関係は、一度悪化した後、鄧芝の外交で修復される。「悪化→断然寸前→奇跡の修復」という流れは、三国志の中でも屈指の“外交ドラマ”と言われている。

第二次北伐後(228年~229年)は、魏と戦うために蜀は呉との同盟が不可欠。しかし、呉は魏と戦う気は薄く、その背景には、呉の孫権が魏に従う姿勢を見せていた。そこで諸葛亮から「呉との同盟を必ず回復せよ」という命を受け、呉へ向かったのが鄧芝。「魏はあなたを利用しているだけで、蜀と呉が手を組まなければ中原は奪えない」と説得。外交が成功し、孫権が蜀と同盟を組むことになる。

ドラマでは描かれないが、この外交の裏で暗躍するのが荀詡ら司聞曹のスパイたちだったのではないだろうか。史実ではその後、呉と同盟関係を復活させた蜀だが、結局263年に滅亡。その際、呉は救援できず同盟は終焉する。大きな時代のうねりの中で、諜報戦を担ったスパイたちの物語は歴史では語られない。誰にも知られず国を支えた存在の儚さに思いを馳せてしまう。

■キャスト
陳恭(ちんきょう): チェン・クン 陈坤 [声:諏訪部順一]
荀詡(じゅんく): バイ・ユー 白宇 [声:森川智之]
馮膺(ふうよう):ニエ・ユエン 聂远 [声:東地宏樹]
李厳(りげん):イン・ジューション 尹铸胜 [声:岩崎ひろし]
孫令(そんれい):チャン・ユエン 常远 [声:島川直]
柳瑩(りゅうえい):アンジェラベイビー 杨颖 [声:釘宮理恵]
翟悦(てきえつ):スン・イー 孙怡 [声:宮本侑芽]
ほか



※24話版を視聴してあらすじを紹介しています。視聴後調整致します
■第17話ネタバレあらすじ
迫る馬岱(ばたい)軍
李厳(りげん)の別荘は高台で警備も厳重の上、精鋭部隊が出動し、馬岱軍と膠着状態が続いていた。一方、裴緒(はいしょ)の元に、南の山から狼煙が上がったと報告が入る。これは靖安司が使う合図で、荀詡(じゅんく)が生きていることを示していた。

李厳は反逆罪に問われることを恐れ、精鋭部隊である右曲三営が到着しても城門攻めに踏み切れないでいた。陳恭(ちんきょう)は、軍の指揮は自分が執って時間を稼ぐから、李厳は裏の崖を降り、成都に向かい陛下にすべて報告することをすすめた。西門では、馬岱軍と李厳軍の睨み合いが続き、右曲三営が到着すれば馬岱軍は挟み撃ちにあう。楊儀はそれでも李厳が一人で逃げるタイミングを狙って待つことにした。

李厳の脱走
陳恭は、李厳に逃げるよう説得したが、李厳は陳恭が反逆罪に問われることを心配したが、陳恭が身を挺して自分を守ろうとしている姿に心を動かされ、「絶体絶命の苦境に追い込まれるのはこれで二度目だ。いずれも陳親子に救われた」と言い、涙ぐんだ。そして陳恭を抱きしめると、裏の城壁から逃げ出し、馬で成都を目指した。

その頃、裴緒は狼煙が上がった地点を捜索し、倒れた荀詡を発見する。荀詡は目覚めるとすぐ陳恭に会いに行こうとした。一方、李厳の別荘では楊儀(ようぎ)が陳恭の働きを褒め、祝杯をあげようとしていた。しかし、陰輯(いんしゅう)と荀詡率いる司聞曹の部隊があらわれ、陳恭の身柄を要求した。楊儀は荀詡を殺していなかった陳恭を責めたが、陳恭は一つだけ方法があると告げる。

陳恭が捕らえられる
荀詡が陳恭を捕らえるために中に入ろうとすると、楊儀が出て来て、陳恭から供述を聞き出したからこれから丞相に報告すると言って去って行った。どうなっているのか飲み込めない荀詡だが、部屋の中で一人座っている陳恭を見つけると「捕らえろ」と部下に命じ連行した。一方、馬で逃走中の李厳だが、待ち伏せしていた馬岱に捕まってしまう。追い詰められた李厳は、諸葛亮に会わせて欲しいと馬岱に要求した。

その一月後、諸葛亮の第二次北伐は、魏の将軍・王双を殺し、陰平と武都を取り戻し、20万軍の大軍は漢中へ戻った。その間、荀詡は陳恭に会わせてもらえず、今回のことに関与することを許されなかったので、これまで起こったことを整理し熟考していた。そして成都では、諸葛亮が楊儀に、李厳が謀反、そして魏の間諜について説明を受けていた。楊儀は陳恭が魏の間者だと答え、事態の全貌を語った。

全ての罪を被る陳恭
諸葛亮は、楊儀が諜報を政争に巻き込んだことを責めた。その後、諸葛亮は楊儀に会いに行った。怒る李厳に諸葛亮は、楊儀がしたことを把握していなかったことを謝罪したが、李厳に二心があったことを事実で、司聞曹にそそのかされて魏と手を組み、蜀と碁の同盟を破ろうとし、国の根本を揺るがしたと話した。そして「我ら二人は、大漢のため命を尽くすべきで、己の名誉に何の価値がある?」と諭すのだった。

その頃、楊儀は荀詡を訪れ、陳恭の処罰は斬首の後、さらし首になることが決定したと伝えた。荀詡はすぐ牢屋に閉じ込められている陳恭に会いに行き、なぜ魏と内通し、李厳将軍に汚名を着せたのかを問いただした。陳恭は、自分が蜀の間諜であることを郭淮(わいかく)に知られ、燭龍となった経緯を話した。だが荀詡は、自分の調査の末導き出した真実を語り出した。

荀詡の独白
郭淮は陳恭を利用し青萍(せいひょう)計画を発動させ、陳恭は父を馮膺に殺された恨みを抱いたことで、郭淮の信頼を得た。五仙道へ行く表向きは、連弩(れんど)の設計図を盗むことだが、実際は当時燭龍だった高堂秉(こうどうへい)に代わり燭龍になり、再び蜀へ戻り馮膺の地位を奪い取ることだった。これで郭淮の信頼をあつくしたが、今度は楊儀と馮膺に反間計を持ちかけられた。本当の目的は、李厳を陥れ、失脚させることだったが、それを妨害したのが自分だ、と語った。

さらに、郭淮は魏に従う証拠として、荀詡を殺すよう陳恭に指示した。だから黄預(こうよ)は西郷(さいきょう)の地を襲撃し、荀詡をおびき出した。だが、困ったことに、これを知った楊儀も荀詡を殺そうとした。燭龍について捜査を続けた荀詡が、反間計を脅かす存在だったからだ。燭龍が暴かれれば、李厳の失脚が失敗するだけでなく、丞相にも影響が及ぶ。

計画の全貌
蜀漢と魏から荀詡の殺害を迫られた陳恭は、林良(りんりょう)にも矢を射させ、荀詡を監禁した。事態が収束するまで荀詡を安全な場所に移し、別人として生かすことを考えた。しかし、荀詡が逃亡したことで、陳恭の作戦は破綻。本来は馮膺が死ぬはずだったのに、自分のせいで陳恭を窮地に追い込んだことを涙ぐみながら荀詡は語り、二人は抱き合って泣いた。

陳恭は、荀詡が自分を捕らえに来た時の楊儀との会話を思い出していた。荀詡を殺さなかった陳恭に怒りをぶつけ、計画が狂ったことに焦っていた楊儀に、陳恭は「ひとつ方法があります。私を黒幕にするのです。」と話し、自分が郭淮に取り込まれ燭龍になったことを話し、自分に罪を着せれば、不要は汚名をすすぎ復職できると。

陳恭、斬首へ
こうして、陳恭の処刑の日を迎えた。大勢が見守る中、無罪となった馮膺は改めて丞相から司聞曹を任された。荀詡に、東呉へ向かい、建鄴で新たな情報網を作るよう指示した。荀詡は承諾したあと、陳恭と翟悦の木碑を立て、必ず同じ墓に葬るよう頼んだ。馮膺がうなずくと、陳恭の首に刀が振り下ろされ、首が落ちる音がした。

荀詡は、東呉へ向かう前に、陳恭と翟悦(てきえつ)の墓を訪れた。ふと顔を上げると、2人が手を繋ぎ仲良く歩いて行く後ろ姿が見えた様だった。

最後の伝言
こうして荀詡は林良と東呉へ向かい、船の上で陳恭からの伝言を聞いた。それは、もし荀詡が一ヶ月経ってもふさぎ込んでいるようなら、伝えて欲しいという内容で、荀詡の脱走は、陳恭が仕組んだことだったというものだった。茶碗を残したのも、火打ち石を落としのも、すべて陳恭の指示だった。そして、抜け道を荀詡が見つけることもわかっていた。翟悦が死んだ時、陳恭は自分を責め、その時から死を求めていたのだった。

だから、荀詡のせいで死んだのではないから、思い詰めないように、というのが、陳恭の最後の願いだった。陳恭は、間諜の仕事に辟易しており、燭龍の案件が片付いたら翟悦と隠居するつもりだった。しかし翟悦が死に、計画を変更したのだ。これを聞いた荀詡は、納得したように、新たな任務に向かい、旅だって行くのだった。

※BSにて「風起隴西 –Spy of Three Kingdoms-」の原題で放送された(全24話版)の全話あらすじはこちらで一覧できる⇒【全話あらすじ】

NHKでは全17話で、BSP4Kが毎週日曜21時から、BSは毎週木曜23時25分からスタート。再放送は毎週金曜17時で予定されている。日本初の吹き替え版4K放送となり、音声は日本語吹き替えと中国語の二カ国語を選択可能。字幕放送も用意されている。

[原題]
风起陇西/風起隴西 –Spy of Three Kingdoms-

[制作]
2022年 中国

【放送予定】
BSP4K 毎週日曜 21時00分 2025年9月7日(日)開始
BS 毎週木曜 23時25分 2025年9月11日(木)開き始予定
※2025年11月より、毎週木曜22時45分に時間変更
BS(再放送) 毎週金曜 17時00分 2025年9月12日(金)開始予定
全17回
[ステレオ2か国語放送(主:日本語吹き替え/副:中国語)| 字幕放送有り]


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YouTube【公式予告編】「風起隴西(ふうきろうせい)-SPY of Three Kingdoms-」

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